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特捜グリッドマン

電光超人グリッドマン』感想・第15話

◆第15話「歪んだターゲット」◆ (監督:村石宏實 脚本:平野靖士)
 完璧超人ゆかは、《射撃》スキルも一級品。
 巷で大人気のVRガンシューをプレイ中、いつまで経ってもゲームオーバーにならない為、店員に強制終了させられてしまった武史は大激怒。今回も逆恨みの発端に一定の責任があるパターンですが、せめて、300円返せ。
 「成る程。そのゲームを襲って、混乱を生じさせるわけか!」
 何が成る程なんですかカーンデジファー様!
 利益共同体でありつつ、基本的にはカーンデジファー様が主で武史が従なのですが、時々、武史がカーンデジファー様を巧くノせているような構図になるのも面白いところ(笑)
 ちょっと間の抜けた雰囲気がカーンデジファー様の愛嬌として絶妙に機能しているのですが、この人、こんな調子でなんか凡ミスして、ハイパーエージェントに追われる身になったのだろうなぁというのが容易に想像できます。
 一方、週末に3人で遊びに行く話し合い中、あまりに上の空な直人(多分、ゆかの脚を見ていた)の態度にゆかが腹を立てて喧嘩になり、調子よく間に入った一平と二人で遊びに行く事に。これは実質デートである、と気合いを入れておめかしした一平は直人の発言を適当に捏造して火に油を注ぎ、通りすがった小金巡査にからかわれたゆかは、ますます立腹。
 「どうしたんだよ? なんか俺悪い事したっけ?」
 「直人よ! 2人だけで仲良くやれなんて。小さい頃から3人で遊んできたじゃない。ジャンクだって、3人居たから作れたのよ! グリッドマンだって、直人だけじゃ困るんじゃくて?!」
 「そうだよな。ごめん。悪かった」
 3人の関係の大切さを自覚せずに適当な出任せを言った一平@さいてー、素直に謝る(笑)
 「なーんで一平が謝るのよ?」
 「いや、それは……とにかくさ、今日のところはぱーっとゲームやって楽しもうよ」
 そして、誤魔化す(笑)
 即物的な一平のさいてーぶりに対し、女心にはとんと疎いのに、言わずとも俺の気持ちは汲み取ってくれよ、という素振りから濃厚な駄目男感の漂う直人は、自分抜きで一平とゆかが遊びに行った事に自宅で悶々としており、その隙に日記のハッキングに再チャレンジしなくて本当に良かった。
 途中で電話をかけてきて俺も誘ってくれないかな……と虫の良い期待に落ち着かない直人の姿を幾度か挿入する事で、直人からゆかへの友情以上恋愛未満の感情がハッキリと掘り下げられる一方で、幼なじみの関係性が織り成すトライアングルのバランスも強調される、というのが思春期の端境期にある少年少女をメインに据えた上での、今作の丁寧な部分。児童層向けのヒーロー作品に、もう少し上の年齢層を視野に入れたジュベナイル作品の構造を取り込んだ設計が、巧く噛み合わされています。
 ところが、ゆかがガンシューをプレイ中に、今回も音声機能が搭載された再生忍者怪獣がゲームセンターに送り込まれ、Cワールド破壊の影響により、ゲームの銃から本物の光線が!(笑)
 第2話において、密接に絡み合った世界であるCワールドの破壊がHワールドに影響を与える事は示唆されているので、“そういう作用”が発生したという事なのでしょうが、インフラ破壊路線でない時は、このぐらいトンデモに振ってくれた方が、個人的には好き(笑)
 一平から連絡を受けた直人が目にしたのは、VRヘルメットを被ったまま外へ飛び出し、街中をゲームのフィールドと認識したまま、実際に破壊力を持った光線が出てしまう銃を振り回すゆかの姿。
 「一平、どうなってるんだ?!」
 「俺にもわかんねぇんだよ! でも俺のせいかもしんねぇ。俺がおまえとゆかに嘘ついたから!」
 デリカシーに欠けるところはある調子者だけど、嘘や誤魔化しをつき通せない根の善良さが端々で顔を出すのが、一平は好感度が下がらずに良いところ。まあこの屈折の無さというのは直人よりも一平の子供っぽい部分あり、もう少し思春期の屈折が入っている直人の方が、キャラの対比としては割を食っている要素はありますが。
 Gコールが鳴り響き、ジャンクの元へ向かおうとする直人だが、通りすがりの小金巡査をターゲットにしたゆかを気遣う一平は、その場を動けない。
 「どうしたんだ一平! おまえが行かなきゃグリッドマンは出動できないんだぞ!」
 「でもゆかが……」
 「ゆかを助けたきゃ行くんだ!」
 この割り切りの早さにはやはり、某正義のエージェントと同様の症状を感じずにはいられないのですが、大丈夫か直人、最終回で大変な事になってしまわないか直人。
 「ゆか! 必ず助けに来るからな!」
 むしろ今、風前の灯火なのは巡査の命。
 ジャンク部屋に駆け込んだ直人はアクセス・フラッシュし、一平のコールで出動したグリッドマンは、本日も背後から先制の飛び蹴り。
 「おのれー! 不意打ちとは卑怯な」
 言 わ れ た(笑)
 グリッドマンは忍者殺法に苦戦し、サポート要員の片方が行動不能、という前回と逆のシチュエーションで展開。そして、一平は行動不能でも一切問題がなかったが、ゆかが不在だとオプションメカが送り込めない、という非情な格差。3人組の役割分担がハッキリしているのは今作の長所ですが、特に戦闘中は、一平よりもゆかの存在の方が重要、というのは今作の特徴的なスタンスではと思います。
 破れかぶれでキーボードを連打していた一平は、まぐれ当たりでオプションメカを送り込む事に成功し、グリッドマンは超人合体。それを見届けた一平はゆかの元へ急ぐが……そこでは華麗なカバーアクションを決めるゆかが、小金巡査の呼んだ増援の警官隊と、ビームピストルで銃撃戦に突入していた。
 MAY DAY! MAY DAY!
 レーザー銃を撃ち落とせ、という命令らしいのですが、警官隊が思いきり撃ち返していて、ヤバい。そしてその銃弾を、軽快なジャンプでかわすゆか。
 現場に飛び込んだ一平は必死に呼びかけ、その叫びがVRシステムの呪縛を打ち破りかけるが……好感度が足らずに《説得》コマンドに失敗。
 やはり、日記盗み読み(未遂)の件が致命的な選択ミスだったと思います。
 近距離からの一撃で、危うくピンクの脳漿をぶちまけそうになった一平はパイプにつまずいて転んだお陰で九死に一生を得、Cワールドではサンダーグリッドマンが忍者怪獣と激闘中。
 今作、今回のようにBパート早々にアクセス・フラッシュするようなエピソードで立ち上がりに主題歌を使うと、どういうわけだかこれといったバトルBGMが無いらしく、無音の中で非常に平板な殴り合いになってしまい、特段盛り上がりのないまま淡々とHPを削られた忍者怪獣は、「……悪こそ、最高の美学……!」という脈絡の無いマイクパフォーマンスを遺して、サンダーグリッドビームの直撃で消滅。
 「ゆか、ゲームは、終わりだ」
 一平が「この者、さいてーの嘘つき」で銃殺刑寸前、VRヘルメットの中にグリッドマン王子の映像が浮かび上がるとゆかは正気に戻り、辛くも事件は解決するのであった。
 暴走自動車回において、直人父をいち早く「暴走車を止めたヒーロー」として扱った小金巡査が、今回は率先してゆかを「純然たる被害者」として扱う事により、メインキャラから逮捕者を出す事なく事件を表向きの大団円に繋げる、という重要な役割を果たしているのですが、小金巡査は井上父から幾らもらっ(それ以上いけない)。
 「まったく、抜け駆けしやがって」
 後日、一平の謝罪に対してもらしたこの一言を聞きとがめられた直人は笑顔のゆかと腕を組んで二人でデートへ。懲りない一平がしつこく二人を追いかけ、結局、真ん中に入ったゆかが両サイドの直人と一平と腕を組んで歩く事になり、直人! ゆか! 一平! ナ・ユ・イ! ナユイ ナ・ユ・イ! じゃなかった、幼なじみの関係は、今はまだこのままなのであった。
 しかし、明らかに一平との腕の組み方が浅いのが、残酷なリアルです(笑)
 まあそれによりゆかが、幼なじみの関係を大事にしたいという建前を盾にして、男2人を弄んだり思わせぶりな言動でニンジンをぶら下げる悪女にならずに済んでおり、キャラクターとしての可愛げに繋がっているのは良いところ。
 「どうなっとるんだ? あの関係……?」
 薄汚れちまった大人である小金巡査は3人の後ろ姿を見て首をひねり、ナレーションさんが「軽い気持ちの嘘が人間関係をぶち壊す事もあるから気をつけようね!」と綺麗にまとめて、つづく。……まあ、一平の嘘が3人の関係性を破壊しそうなほど悪質なものでもなかったので(明らかに3人の関係性の方が強い)、そういうエピソードだったの……? というまとめになりましたが。
 にしても直人、なんというヒーロー感の薄い衣装(黄色いポロシャツ)。