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「叩き込め、ネオ○ルド精神!」

電光超人グリッドマン』感想・第16話

◆第16話「一平、チビる!?」◆ (監督:村石宏實 脚本:神戸一彦)
 一平、2話連続で眉間に銃を突きつけられる。
 警察署の防犯システムに異常が発生し、銀行強盗一味の一人が警官の拳銃を奪って逃走する……という、思わぬシリアスなトーンでスタート。
 「ふふふふふふ……思い知ったか。僕を泥棒扱いした警察が悪いんだ」
 その影には、自転車の無灯火運転を咎められた上に盗難の容疑をかけられ、警官にいびられて憎しみの炎を燃やす武史が送り込んだメカ弾力怪獣の姿があり、事件発生 → 発端を回想、という変則的な導入。
 市民は家に閉じこもり、異様な緊張に包まれた街を警戒するパトカーが走り回るが、怪獣は更に警察の情報システムを破壊し、警官達は次々と舞い込む犯人目撃の誤報に振り回される羽目に。
 そんな混乱状況の中、ジャンク地下室に身を隠していた逃亡犯・鬼丸信三(演じるのは、『仮面ライダーストロンガー』のゲスト出演時、改造後より改造前の方が怖かったり、今作と同年の『特捜ロボ ジャンパーソン』では、伝説の精神注入棒エピソードの熱演が印象深い丹古母鬼馬二さん)に、一平が人質として監禁されてしまう。
 消えた一平を探す内、警察の混乱の背後にカーンデジファーの影を感じる直人とゆかだが、肝心のジャンク部屋に凶悪犯が立てこもっている状況をどう切り抜けるのかと思ったら、部屋で犯人と鉢合わせした直人が取っ組み合いになり、完璧超人が後頭部に金属バットを振り下ろすと拳銃持った凶悪犯がすたこら逃走して大変がっくり。
 こういう時こそコンピュータースキルを活かした機転を描いてほしかったのですが、凶器を持った犯罪者に、偶発的とはいえ中学生パーティが正面から何の工夫もなく勝利してしまう、という一番残念な展開になってしまい、折角の状況設定を全く活かせませんでした。
 Cワールドに乗り込むグリッドマンだが、左手に鋼鉄パンチを取り付けたメカ弾力に苦戦し、そんなグリッドマンの苦戦をたっぷり眺めてから支援メカを送り込むセコンドの二人は、何か直人に含む所があるのか心配になります。
 そして地下室から逃走直後は完全に無視していたのに、タンクを送り込んでから急に警察に電話をかけ、繋がらないとなると犯人が口にしていた現金の隠し場所へ向かう一平、というのはさすがに不自然。
 前回-今回と、〔Bパート早々にアクセス・フラッシュ → 怪獣と戦闘開始後にサポートキャラが外へ → CワールドとHワールドで物語が交互に進行する〕同じ構造になっており、戦闘中の一平とゆかをワンパターンにしない・尺の長い戦闘シーンを単調にしない為に別のサスペンスと組み合わせるという工夫は見えるのですが、結果的には話の流れに無理が出た上に、ひたすらグリッドマンが苦戦を続ける戦闘が細切れに挟み込まれてダラダラと間延びしてしまう全くの逆効果。
 設定としてはジャンクのパワーとの関係もあるのでしょうが、超人合体もサスペンスと連動できずにやたらな出し惜しみになってしまい(同じ、大技を最初に出さないお約束でも、そこに戦いの流れが有るか無いかで印象が大きく違ってくるのですが、分割展開が流れをズタズタに引き裂いてしまっている)、なんの盛り上がりも無いままカウンターのアッパーからドリル、更にサンダービームで怪獣を撃破。
 一平と小金巡査の活躍、そしてグリッドマンによる修復後にゆかが警察に連絡した事で凶悪犯は御用になって街は平和を取り戻し、ちょっとしたヒーローになった巡査は子供達にサインを書くのであった、でオチ。
 戦闘シーンの尺の長さに関してはオーダーがあって、それをどうにか物語に組み込めないかと考えた末の構成だったのかもですが、つけた変化がむしろ面白さを削ぐ事になってしまい、残念回でした。