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ハートを磨くっきゃない

ウルトラマンコスモス』感想・第3話

◆第3話「飛べ!ムサシ」◆ (監督:根元実樹 脚本:長谷川圭一 特技監督:佐川和夫)
 円盤戦闘機テックサンダー4号機を任せられる事になったムサシは大はしゃぎするが、午後からは基地の掃除を命じられ……この規模の組織と施設で隊員に床磨きさせてるの、単なる新人いびりなのでは。
 先輩たちが、我々も同じ事やったんだよ! とムサシをどやすのも完全に駄目な体育会系のノリで、SRCに対する不信感が急上昇していきます(笑)
 床を素手で磨けば怪獣の心がわかる筈……と誰かが言ったか言わないか、埋め立て地に出現した怪獣に独断先行で麻酔弾を撃ち込もうとしたムサシは射撃に失敗。本日もさっくりとリーダー機が撃墜され、自分のミスをコスモス変身でカバーしようとするも既読スルーされて変身できず、怪獣には地底に逃げられるという大失態を犯してしまう。
 「この馬鹿が! 勝手な行動しやがって、ピンチになればまた奇跡が起こるとでも思ったか?! ウルトラマンが来るとでも思ったか?! あぁ!」
 フブキ、鉄拳制裁からの絡み方が、超ヤンキー。
 任務を外されて落ち込むムサシは保護区域を訪れ(謹慎レベルのミスを犯した隊員が、気軽に基地の外に飛んでいくのもどうかと思いますが……)、本来は大人しい筈の怪獣がジェット音に反応していたのでは、と気付く。
 自らの勝手な行動を深く反省し、怪獣の生態と行動理由を必死に検討したムサシの予期通り、行動を再開した怪獣は近隣の空港へ向けて移動。
 「キャップ! 僕も行かせて下さい。僕はチームアイズの為に働きたいんです! お願いします! お願いします!」
 「…………4号機で出動だ」
 避難指示により離着陸の中止された筈の空港だったが、エンジントラブルを起こした旅客機が緊急着陸を余儀なくされ、ジャンボ機と怪獣、“どちらも救う”為にはどうすればいいのか?! のせめぎ合いはムサシの行動原理として今作の特徴的なドラマに。
 油断していると怪獣保護過激派になりかねないムサシの一線の提示として、人間の命の重さをジャンボジェット機に象徴させるのも対比として効果的でしたが、映像面でのスリルの強調の結果、ジャンボジェットと怪獣がニアミス過ぎて、恐らくは物語としての意図以上に“あわや大惨事”となってしまったのは、もう少し加減しても良かったかなとは。
 ……ここはあくまで映像的な面白さの重視であり、物語としては寓意的な象徴として捉えるシーンではありましょうが。
 (ムサシ……救うのだ。その力で。その心で)
 4号機で囮を買って出たムサシは怪獣の毒液で敢えなく撃墜されてしまうが、今度はコスモスさんから返信が来て変身し……今回一番可哀想なのは、でかい口ばっかり叩いている先輩なら僕と違って確実に麻酔弾を命中させられますよねーーー、と遠回しに煽られた挙げ句、コスモスの出番の都合で、見せ場を失ったフブキ(笑)
 赤黄茶のマーブル気味の体色に加え、頭部を覆っていた皮膜部分が開くと中からぎょろ目のついた顔が飛び出す怪獣は大変気持ち悪いもののインパクトが強く、色々な発想の怪獣が見られるのはやはり楽しいものですが、主題歌に合わせ、舞い踊る鶴の構えから怪獣の体力を奪い続けたコスモスは、最後はバリアで顔を包み込んで呼吸困難に陥らせてから抱え上げるとアイズ戦闘機に「撃て」と呼びかけ、改めて麻酔弾でフィニッシュ。
 ……良かった……ほら先輩、ここまでお膳立てすれば当てられるでしょ? みたいな感じだったけど、ただの観客にならずに良かった。
 そのままEDに本編がはみ出し、入りの「Why なぜだろう?」のところで、変身ステッキを見つめるムサシのシーンだったのは、巧い重ね方になりました。
 第2話に続いて理想と現実のせめぎ合いが描かれると共に、コスモスの超越の力は好き勝手に使えるものではない事が示されましたが……では何故、コスモスはムサシに憑依したのか? 何をもってその力を使う事を許すのか? は、今作としての掘り下げを期待していきたいです(前日譚映画に織り込まれていた可能性もありますが)。

 余談:今回の日記タイトルは、予告でサブタイトルを目にした時点で、アニメ『飛べ!イサミ』の主題歌タイトルを条件反射でつけたのですが、意外と本編内容に合致していました(笑)