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引っ越しルパパト20

快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』感想・第20話

◆#20「新たな快盗は警察官」◆ (監督:加藤弘之 脚本:香村純子)
 「あーー! ぶらっと参上してみたら、あれはXトレイン、ノエルじゃないのか?!」
 「おいグッティ、知ってんのか?」
 「知ってるも何も、ノエルなら友達さー」
 うわ、すっごく嫌な所が繋がったぞ!(笑)
 「あれはグッドストライカー! 相変わらず、自由に生きてるようだね」
 電車ビークルの中で愉快そうに口にするのは銀色の快盗……それは、パリから来た男。
 「サリュー、僕の愛したパリ。旅立ちの時が来た。いざ、混沌の日本へ」
 電車に乗ってフランスから日本に上陸した謎の快盗は、ギャングラーによる誘拐事件に介入し、コレクションを回収して父娘を助けた事で早速新聞に取り上げられる。
 「なに?! 新たな快盗ルパンエックスだと?」
 「は?」
 「まさかルパンレンジャーにもう一人仲間が居たとは……」
 (いや居ないし……)
 ベンチで大声を上げる圭一郎の新聞を横からひったくり、全く知らない新たな快盗の登場に困惑する魁利だが、そんな魁利に向けてにこやかに手を振るちょっと猿顔系統の青年が、自らルパンエックスを名乗ると軽業を披露。
 軽業で目を引いておいて魁利を含むギャラリーのスマホを掏り取ってみせる、というのが主眼なのですが、生身でくるくる跳ね回るシーン自体があまり面白くならず、ギャラリーの拙い演技を工夫なく見せてしまった演出とあいまって、実質的な初登場シーンとしてはいまいち冴えず。
 「8時42分、快盗ルパンエックスを自称する男を、国際警察の権限により現行犯逮捕する」
 そこから間髪入れずの逮捕、は面白かったですが。
 「僕はノエル。高尾ノエル。気軽にノエルって呼んで貰って構わない」
 「「は?」」
 「年齢は26歳。血液型はB型。好きな食べ物は、エスカルゴ」
 「ふざけてるのか?」
 ここが路上だったら今すぐ引き金を引きたい、という顔になる圭一郎とつかさだが、青年――高尾ノエルはまるで悪びれずに余裕綽々。
 「ふざけてないさ。必要な情報だろう。だって僕らはそう、春の日だまりのように、暖かな友情を築くのだから」
 「何が友情だ。快盗と築く友情などない!」
 圭一郎はノエルに掴みかからんばかりの勢いで迫るが、そこに入ってきたヒルトップが取り調べを終了させる……なんとノエルは、国際警察フランス本部から来た潜入捜査官であり、警察戦隊に支給されたVSチェンジャーとビークルの制作者であった!
 「僕がコレクションを改造して、作ったものだ」
 現時点でノエル発言をどこまで信用できるかというと半々ぐらいなのですが、長らく大きな謎だった、ルパンコレクションと国際警察を結ぶ存在として、新キャラクター(追加戦士)が急浮上。ルパン家と関わりがあるのか無いのか、オリジナルを参考に独自に作り出したのかなど引き続き謎は多いですが、こんな回に限って、コグレが出てこない……!
 少なくとも、グッティが記憶にないクレーンとドリルの引き金はノエルが付けた可能性が高そうですが、詳しい話を始める前に、ギャングラーが現れて出動する事に。
 一方、魁利のスマホに貼り付けられていたルパンカードから正体を知られている事を悟った快盗達は、国際警察の尋問に口を割る前に 口を封じる 身柄を確保するしかない、と決死のカチコミを仕掛けようとしていたが、4人揃ってパトカーに乗り込む姿に困惑しつつ、その後を追い、ノエルが警察チェンジする姿を目の当たりにする。
 「気高く輝く警察官――パトレンX!」
 大仰な身振りで名乗りを決める、黄金の新たな警察戦士の登場に警察と快盗がともに愕然とする中、ゴールドはくるくるひらひら回りながら構成員達を次々と撃破。
 冒頭の出発シーンのフード姿が、『仮面ライダーウィザード』にこんな人が居たような……という見た目だったのですが、ウィザードほど裾が長くはないもののコート姿のくるくる強調は、宇都宮Pの趣味でしょーか(笑)
 「お楽しみは、最後に残しておく方がいいだろう? ガトーに乗った、イチゴのようにね」
 ゴールドは気障な仕草で猿ギャングを挑発し、やたらと回る・何かにつけて両手を広げる、に加えて「○○のように」と例えながらイメージを浮かべる、というのを取っかかりの個性にしてきました。撮影の手間が増えそうで続くかはわかりませんが、特に警察サイドは制服固定になりがちなので、イメージとはいえ適度に私服シーンを挟めるのは広がりが出て良いかも。
 「ええーい! よくわからんが、俺たちも行くぞ」
 警察戦隊、ついで快盗戦隊も参戦し、かつてなく混沌とする中、猿の金庫を開く快盗だが、中身は空。
 「来たね、快盗くん達。そいつの前の金庫はもう空っぽだよ。残るのは、後ろの金庫だけ」
 ルパンエックスから「ステータスダブル」と称される金庫二つ持ちで、親分からも「おまえほどの奴」と言われる猿なのですが、この台詞の間ずっと快盗戦隊に押さえ込まれていたり、金庫二つ持ちにふさわしい実力者ではなく、話の都合で金庫二つ持っているだけのキャラになってしまったのは、残念。
 物語的には今後、毎回の怪人ポジションが金庫二つ持ちになるのかもしれず、それを考慮してハードルを上げなかったのかもですが。
 「おまえ、いったいなんなんだ?!」
 「安心して。君たちの素性は喋らない。僕の胸にしまっておく」
 「あ?! 警察のくせに、なんで」
 「教えただろう? 僕も、快盗だからさ」
 レッドを振りほどいたゴールドは、6人の目の前で堂々と快盗チェンジ。
 「孤高に煌めく快盗――ルパンX!」
 「貴様は昨日の快盗!」
 「お待たせ。最後のお楽しみの時間だ」
 シルバーはテーマソングをバックに、雲を操り飛び回る猿と交戦し、パトレンジャーが一撃で麻痺して行動不能になった雷撃をものともせずに、もう一つのコレクションを回収すると、X斬で撃破。冒頭と中盤、猿の攻撃を完全に防いでみせた快盗アーマーは何やら青い光を放つのが強調されており、ルパンコレクションの力を応用しているのだろうか、などは気になるところ。単純に新キャラの能力アピールとも取れますが、見せ方はどうも伏線めいていますし。
 「これが僕の任務さ」
 「コレクションを応酬する為に、快盗の力を使うという事か」
 「結局、警察なの? 快盗なの?」
 「快盗だとしても、敵って事か」
 双方に混乱と不審を撒き散らし、思い切って振り回すキャラにしてきたXですが、W戦隊構造で尺を採りすぎないようにという配慮か両戦隊の名乗りが短めな今作において、一人だけ大仰な身振りでキャッチフレーズ付きというのは、今作に不足していた隙間をうまく突いてきてくれました。これだけでちょっぴり、好感度アップです(笑)
 シュビドゥバ巨大化しに現れたゴーシュは「ステータスゴールド」と呼ばれ、言われてみれば、金庫が金色。
 Xはガトリング砲付き電車ビークルを巨大化して巨大猿と戦い、快盗もジェットを起動。そこにグッティが飛んできてノエルと知り合いである事が判明し、進行方向を変える度にいちいち電車内部で変身する金銀Xは合体したルパンカイザーに電車ビークルをレンタル。冷熱ハンドとエレキハンドを装備したルパンカイザートレインズと、X烈車ガトリングの一斉攻撃により、猿を撃破するのであった。
 「それじゃあ僕も。オルヴォワール」
 Xが快盗に手を貸すのは、肩書き通りの潜入捜査なのか、それとも……圭一郎達がノエルに対する不審を募らせる一方、グッティからノエルについて話を聞き出そうとした快盗達をレストランで勝手にティーカップを傾けながら待ち受けていたのは、当のノエル(不法侵入)。
 「待ってたよ。快盗くん達」
 果たしてその目的は……というところで、続く。
 というわけで、W戦隊(3×2の6人体制)という特殊な構造から、いっそ、もはや約束事と化している追加戦士を今季は出さない、というアプローチにも2割ほど期待していたのですが、遂に追加戦士が登場。
 完全な第三勢力でもなければ両戦隊に1人ずつでもなく、両戦隊に0.5人ずつ、というのはキャラクターの絡めやすさを考慮した末かと思いますが、その存在に説得力を付加する為に、これまで大きな謎だったVSチェンジャーに関わる人物である、と物語に大きな嵐を巻き起こし、嫌が上でも注目せざるを得ない位置づけに。
 Xとは謎の存在Xであり、警察と快盗をX(クロス)させるものであり、ターンしてもX、という意匠の使い方は面白く、後は、


「だからパトレンXっていうのか……四方へ飛ぶ……」
「だからさ……!」
 とオールレンジ攻撃をしてくれれば完璧です!(待て)
 発作的な『∀ガンダム』ネタはさておき、エピソードとしては、エックスのややこしいギミック見せ中心になった事もあり少々テンポが悪いのが気になりましたが、両フォームでの活躍とX烈車の大暴れまで盛り込んだので、次回はおそらくもう少し落ち着いた流れの中で、高尾ノエルという存在をどう物語にはめこんできれくれるのか、楽しみです。
 表面上のキャラクターとしてはかなり芝居がかった大げさな身振りと台詞回しで特徴付けられ、戦隊における気取り屋キャラは、残念クールに融合しがちな傾向がありますが、出来れば気取り屋を貫いて欲しいところ。出動時に、つかささんの為に車のドアを開けてエスコートしているのはおいしかったので、今後も紳士アクションには期待したい。
 一つ気になるのは、ノエルのような頭が良くて情報を操作する訳知りキャラが近くに居ると、もともと素養のある圭一郎の“道化”ぶりが上がってしまいかねない点ですが、ノエルがどういった形で情報を出し入れするのかを含めて、うまく捌いて欲しい部分。
 とまあ色々と「次回を待て!」で、まずはインパクトとギミック重視というシリーズ第1話みたいな作りの新戦士登場回でありましたが、ここから何を繋げて何を繋げず何を隠して何を明かすのか、疾風迅雷の次回を待て!