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引っ越しルパパト1

快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』感想・第1話

◆#1「世間を騒がす快盗さ」◆ (監督:杉原輝昭 脚本:香村純子)
 敵組織のボスキャラが、
 悪役演技の宮本充だーーーーー!!
 なんかもうこれだけで、最後までおいしくいただけそうです。
 物語は、何やら怪しげな力を使うオーナーが取り仕切る闇カジノからスタート。客の1人がルーレットで破滅したその時、マントに仮面を身につけた、赤青黄、3色3人の快盗が乗り込んでくる。
 「何者だ……?」
 「世間を騒がす快盗さ」
 「貴様等……まさか?!」
 「予告する。あんたのお宝、いただくぜ!」
 予告状を当日その場で投げつけるというのが、斬新。
 カードを投げつけられたオーナーはカエルの怪人という正体を現し、
 「大事な金庫、見ーつけた!」
 「この俺の金庫は、俺以外には開けられねぇ!」
 という“金庫を内臓している怪人”と、“それを開けられる快盗”、というのはまず一つ、面白い関係。基本的に各怪人がルパンコレクションを自分の体内金庫に収めてその力を使っている、という事になるようですが、ヒーロー側のポジション&ギミックと怪人デザインとの連動が明確かつ独特なのは良い感じ。
 カエルの攻撃を受けて爆炎に包まれる快盗3人だが、それが晴れると平然とした様子で各々が格好いいと思うポーズを決めていたのは、全身スーツにチェンジした3人……と、仮面の快盗→仮面の戦士、といわば二段階変身なのが文章だとややこしくて困りますが、身に纏う“仮面”の意味を描き分けてくれるとまた面白そう。
 快盗戦士達は、「ギャングラーめ、一網打尽にしてやる」と乗り込んできた国際警察3人組の前でカエル怪人を葬り去ると、飛行メカに乗って颯爽とトンズラ。
 「おのれルパンレンジャーーーー!!」
 という刑事赤のややネタっぽい絶叫が響き渡るのであった………………この騒動は新聞やTVで報道され、謎の怪物集団・ギャングラーも、快盗ルパンレンジャーも、既に世間的に知名度あり。特にルパンレンジャーの方はギャングラーを倒す存在として一部では英雄視する向きさえあり、新聞に目を通す刑事赤のフラストレーションは溜まる一方。
 ここで赤と赤の初顔合わせがあり、細面で回避力の高そうな快盗赤と、角張って防御力の高そうな警察赤が実に好対照なキャスティングですが、快盗赤は見れば見るほど、涼村暁(『超光戦士シャンゼリオン』)×小津翼(『魔法戦隊マジレンジャー』)を彷彿とさせてなりません(笑)
 警察赤は出勤し、快盗赤は謎めかした老執事コグレの車に拾われ……
 ●ルパンレンジャーの昼の顔は、レストラン経営。
 ●ギャングラーとは異世界から来た犯罪者集団。
 ●ルパンレンジャーの目的は、かつて大快盗アルセーヌ・ルパンが密かに集めたお宝――ルパンコレクションをギャングラーから取り返す事であり、それはコレクションを奪われたコグレの主人(自称ルパンの子孫)の依頼である事。
 ●「あんたらの顔なんか、どうでもいいんだよ。……それより忘れんなよ、例の約束」
 ●快盗3人は直接的な関係者ではなく、何やら契約を取り交わしてルパンレンジャーとして活動している事。
 という諸々を、警察と快盗の双方から説明。
 そしてその日はくしくも、ギャングラーのボス、ドグラニオ・ヤーブンの999歳の誕生日であった。
 「俺がギャングラーをまとめて500年。脅して、奪って、殺しまくって、楽しい人生だったが、少々飽きた。そこで……後継者を決めようと思う」
 今回も退廃の香りを漂わせるボスキャラが、誕生パーティに集まった子分達に向け、後継者レースの開幕を宣言。
 「条件は一つ。人間界を掌握した奴が、次のボスだ。最も力のある奴に、このドグラニオ・ヤーブンが築いた、全てを譲ってやる」
 ファミリーを仕切るマフィアのボス×享楽主義、という事で第一印象はドン・ドルネロ×ジニス様といった感じの親分ですが、ほぼ私の好きな成分だけで出来ているので、面白い悪役になってくれる事を期待したいです。後継者争いを煽っている事自体が、暇つぶしのお楽しみのようにも見えますが、2年前のジニス様とは意識的に別の方向に進めるでしょうから、その辺りも期待(W戦隊の描写で手一杯になりそうなので、とりあえず書きやすいボスキャラを設定した……という可能性もありますが)。
 快盗赤はコグレから、次のターゲット――マジカルライターを所持する連続宝石強盗犯――の情報を受け取り、仕事をスタート。
 「OK。さくっとお宝回収して、きっちりそいつも葬ってやるよ」
 ……そういえばカエルも丁寧に爆殺していましたが、ギャングを埋める所までが契約内容なのでしょーか。わざわざ台詞にする辺り、ルパンレンジャーの背後関係に、早くもきなくさい香りが漂います。
 放火怪人の根城に忍び込むも発見された快盗達はギャングラーと戦闘になり、通報を受けて出動しようとする警察トリオは、上司であるヒルトップ管理官に止められる。
 「たった今届いた、待ちかねの支給品だ」
 その中身に3人が驚きの表情を浮かべている頃、雑魚を蹴散らし怪人を追い詰めた快盗達は、怪人の隠し腕による不意打ちで青と黄が大ピンチに陥っていた。
 「さあ……仲間を見捨てて逃げるか、それとも、一緒に心中するか」
 仲間の危機を前に決断を迫られた赤が思い返したのは、3人で交わした約束。
 ――「私たちの願いは一つ」
 ――「約束だ」
 「約束したんだ。……俺たちは」
 「ほーほう、仲良く心中を選んだか。快盗ごっこも、終わりだな」
 銃を下ろし、仮面を外した赤はしかし、身を翻して迫り来る火炎放射を回避。天井目がけて銃を乱射し、仲間もろとも怪人を生き埋めにするが、怪人は瓦礫をはね除けて立ち上がる。
 「貴様……仲間もろともこの俺をぉぉぉ!」
 「約束したんだよ俺たちは。たとえ誰が倒れても! 残った奴が願いを絶対叶えるって!」



「私と楯雁人は“蝶”を追い詰める日まで互いの命を顧みない!」
「一方が死んだら、その屍を踏んで前に進む! それが俺たちの約束だからだ!」
(『暁のイージス』(作:七月鏡一/画:藤原芳秀))

 ……発作です。気にしないで下さい。
 「……ま、こんくらいで死ぬようなタマじゃないけどな」
 赤の行動を推測し、怪人が動揺した隙に床を撃ち抜いて階下に逃れていた青黄が、下から復帰。
 「ふー、セフセフ、大丈夫。どーせ助けてくれないって、知ってたもん」
 「それが俺たちのルールだからなぁ」
 「わかったか。遊びじゃねぇ。命がけで快盗やってんだ!!」
 事前のレストランにおける、
 「いいよーだ! どーせ助けてくれないってわかってたもん! ふん!」
 「それが俺たちのルールだからな」
 という軽いやり取りをきちっと伏線に使って、まずは快盗サイドの姿勢を「約束」というキーワードを中心に提示。真っ直ぐに引いた線を決め台詞に集約しつつ、キーワードそのもので視聴者の興味を引く要素を置く、という香村さんらしい構成です。
 3人は銃に飛行メカのミニチュアを取り付けるという、随分ごつい変身アイテムで快盗チェンジし、ルパンレッド・ブルー・イエローにマスカレード。闇を切り裂く照明と月、という定番モチーフを背景においての名乗りとなりましたが、なんかもっとこう……恥ずかしい通り名とか名乗ってくれても良かったんですよ?
 根っから快盗というわけではないのでそこは理性が働いてしまったのかもしれませんが、伊達と外連味を押し出している割に名乗りが凄くさらっとしていたのは不満(笑)
 もっとこう…………闇の力、闇の力が足りていない!!
 「予告する。あんたのお宝、いただくぜ!」
 怪人との戦闘シーンでは、新しいカメラ(前半終盤はまだ未見なので前作でも使ったのかもですが)を使えるようになってみたので使ってみました、という感じでパノラマでぐるぐる回る映像が入るのですが、露骨に画質が変わるなど劇的な面白みよりは違和感の方が勝ってしまっている印象で個人的には微妙。
 華麗な連携で怪人を追い詰める3人だったが、そこに響くサイレン、突っ込んでくるパトカー、警告無しで撃つ国際刑事。
 「動くな!」
 現着した国際警察の3人が構えていた銃は……
 「おい見ろ!」
 「VSチェンジャー?!」
 「なんであいつらがルパンコレクションを!」
 思わぬ事態にルパンレンジャーが動揺を隠せない中、なんだか出自の凄く怪しそうな銃を構える国際警察3人。
 「国際警察の権限において」
 「ギャングラー、および快盗に対し」
 「実力を行使する!」
 貴様等には黙秘権など過ぎた玩具だ!とやる気満々の3人は、快盗と同様のギミックで警察チェンジし、赤緑桃の、パトレン1・2・3号にパトライズ。
 「「「警察戦隊・パトレンジャー!!」」」
 「マジか……」
 二つの戦隊が対峙し、東映警察ヒーロー好きとしては、期待通りのトリガーの軽さを見せてくれて盛り上がってきたところで、続く。
 完全に続き物の構成となりましたが、終始、快盗の側が飄々として一枚上手で、警察の側が翻弄され通しというバランスだと嫌だったので、第1話段階でとりあえず、快盗が不意を突かれる事もあれば予想外の事態に困惑する事もある、というのが盛り込まれたのは良かったです。ルパンレンジャーの華麗な活躍でスタートし、警察戦隊の初お目見えで締める、という構成は綺麗にはまり、流れとしては次回が警察のターンになりそうなので、この両者がどういう噛み合わせになるのか、期待。
 第1話で引っかかった部分としては、ままありがちですが、セットといい演出といいどうも安っぽい闇カジノ(^^; ここで雰囲気が出なかった事で飛び込んでくる快盗もやや厚みに欠けてしまったのは、これから1年間の物語の開幕だっただけに残念。全体的に美術的なハッタリが少々弱く感じてしまいました。
 お店を使っている快盗側はともかく、国際警察の部屋も妙に安っぽく見えるのですが、これは慣れてくるのかどうなのか。ギャングラー雑魚のデザインは配色含めて面白くて良い感じ。
 ルパンレンジャー側がピカレスク風味でアンチヒーロー寄りという単体でも冒険した設定に加え、VS構造で従来作とは文法から変わってくる(第1話で合体ロボが登場しなかったのはいつ以来だ……?)という挑戦要素てんこ盛りな事もあってか、初回に新しい作品の魅力を力強く叩き込んでくるというよりは、まずは丁寧に準備運動から、という作り。その為ワクワク感は少し弱かったですが、双方の戦隊の根本要素に謎(なぜ共通装備で変身するのか?)を用意してくるなど足場はしっかり設置してきたので、背景をどう深めて転がしてくるのかに、期待したいです。
 とりあえず次回あるいは3話以降になるのか、パトレン側にどういったキーワードを与えてルパンレンジャーと対比させるのか、まずはそこを楽しみにしたいと思います。