東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   X/Twitter→〔X/Twitter/gms02〕

東京フライパン作戦Z

電子戦隊デンジマン』感想・第3-4話

◆第3話「油地獄大パニック」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三
 「痛かったであろう、ムササビラー……苦しかったであろう、シャボンラー……」
 ヘドリアン女王は、ベーダー一族の母艦で配下の死を悼み、「女王」として、掴みで面白いキャラ付け。
 新たな卵から地下ゲリラーが誕生する一方、赤城らデンジマンは、アスレチッククラブのコーチとして同じ職場で働くようになっており、表の顔(職業)を確保しつつ、行動を共にするのにスムーズな環境を設定。
 マッハで転職したデンジマンにとって都合の良すぎる職場ではありますが、専用の一室まで用意されているところを見るに、クラブの経営者が赤城一平@球場私有なのかもしれず、現在、私の中で赤城は、財閥の御曹司設定です。
 そんな溜まり場で黄山がスパゲティを子供達に振る舞っていると(記念すべき、戦隊シリーズ初の料理担当メンバーかも)、高層ビルが地中に沈んでいく怪事件が勃発。
 だがそれは始まりに過ぎず……地下ゲリラーの暗躍により、次々と地下に沈む石油タンク。調査に向かったデンジマンは、現場で発見した酸まみれの石を黄山がデンジランドに持ち帰って分析し、キャラクターの固有スキルをてきぱきと色分けしていくのも、曖昧だった前作に対し、明確に後代のシリーズへと繋がる作劇。
 一方、石油コンビナートでは地中から地下ゲリラーが姿を現し、それを目にするや否や、ツルハシやスコップを手に前方向へ走っていく作業員の皆さんが、大変70年代スピリット(80年代ですが)。
 現場近くに待機していた青梅・緑川・桃井は異変に気付くとデンジスパークするが、自らの頭を棍棒のように地面に打ち付ける地下ゲリラーの地震攻撃に苦戦。そこに赤と黄がサイドカージープで駆けつけ、飛び回る戦闘員を次々と轢き倒していく形で、スーパーマシンの活躍をたっぷりと描き、急旋回で半分浮いたり、サイドカーのアクションがなかなか迫力。
 デンジマンが5人揃うと、爆発を目くらましに姿を消した地下ゲリラーは、東京フライパン作戦Zを第二段階へと進め、東京中の水道から溢れ出る原油パニックが発生。
 「マッチ一本で、東京は火の海となります」
 「ふふふ、その後に来るのは、静かな死の世界……あたしの大好きな、腐った世界……うふ、楽しみだねェ、あははははははは!」
 ヘドリアン女王の哄笑を引き金に、いよいよ石油溜まりと化した東京の水道網に火が放たれ、巻き起こる地下火災。
 サロンでくつろいでいた赤城らはニュースでこの報道を知り、壁にポスターがべたべた貼ってあったり、青梅があんぱん、緑がギター、黄山が中華鍋、といった小道具を手にしているのが面白い。
 クラブに通う子供たちが下水道に入り込んで焼死の危機に陥っていると知った5人が慌てて出動しようとすると、そこにアイシーが姿を見せ、あ! 壁に秘密通路が!(笑)
 無断で作られていた通路の奥には、デンジランドまで10秒で移動可能なデンジシューターが無断で設置されており、犬め……!
 半信半疑ながらもシューターに乗り込んでみた5人は、あっという間にデンジランドに辿り着くとデンジタイガーを発進させるが、それを確認した地下ゲリラーが巨大化して石油コンビナートで暴れ回ると、《ウルトラ》ばりの結構な大被害。
 現場へ急行したデンジタイガーは、土砂に埋まって走行不能に陥る大ピンチ(地下ゲリラー、能力的には、アリジゴクのイメージでしょうか)に陥り、奪った石油で地下から東京を灼熱地獄にする筈だったのに巨大化して暴れ回る怪人や、焼死寸前の子供達はすっかり二の次など、筋はどんどん蛇行してガードレールの外へ飛び出しつつ、映像の勢いで押し切る感じに(笑)
 「ふふふふははははは。我ら、勝利せり」
 だがデンジタイガーはベーダー一族の想定を上回る性能で窮地を脱し、悠々と現場を後にしようとした怪人らの背後に、施設の高低差を活かして縦に5人で並ぶデンジマン、は面白い演出。
 改めて高いところに横に並んだデンジマンはフル名乗りし、危機にある子供たちを助けようと急いでいる感は皆無ですが、振り向くな振り向くな振り向くな~!
 前回の感想でも書きましたが、やはり、EDテーマの前奏が滅茶苦茶格好いい。
 今回は一同、デンジスティックを振り回して戦い……黄色が……飛ばされた。
 赤はリーダー、青はサブリーダー、桃は紅一点、として、どうも緑が番組(事務所?)押しっぽく、なんとなくですが後の『ダイナマン』で、青押しの余波を受けて黄が割を食った事例(OPの紹介時間が短い、など)が思い浮かびます。
 投げて良し、刺して良しのデンジスティックにより戦闘員を蹴散らすも、地下ゲリラーの放つ炎に巻かれる5人だが、高速足踏みからのデンジジャンプででくぐり抜け、とにかくなんでも、頭に「デンジ」を付けていくスタイル。
 五つの切っ先を合わせてスティックを地面に叩きつけると火線が走り、ひるんだ地下ゲリラーめがけて、追い打ちのデンジブーメラン!
 「「「「「スパッ!!」」」」」
 大ダメージを負った地下ゲリラーは巨大化し、ダイデンジン、アクション。
 女王の命令により、地下ゲリラーと戦闘中のダイデンジンを戦闘機が襲う変化球で、強烈な攻撃にさらされるダイデンジンだが、デンジタイガーが支援に入って体制を立て直すと、鉄球と鉄拳で次々と戦闘機を撃墜し、戦闘機に正拳突きを叩き込むカットが、迫力でした。
 背後から地下ゲリラーに鈍器で殴られたダイデンジンは、怒りの鉄拳連発で殴り倒すと、今回も首狩りからの満月斬りでボディを一刀両断し……デンジ星人のベーダー一族に対する深い憎悪の炎を感じます。
 「急げ! サンタくんたちを救出するんだ」
 ……あ、忘れてた。
 分厚い鉄の壁もキック一発だ! とスペック紹介をしながら少年たちの無事救出シーンが描かれ、話の組み立てはちぐはぐになりましたが、ハイテンポなスーパーパワー紹介編としては面白かったです。

◆第4話「ベーダー魔城追撃」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三
 城の生首が、また、増えた……え、これ……どんどん増やすの……?(笑)
 ダイデンジンにすぱーんと刎ね飛ばされた首を回収しているのか、墓標感覚で粘土でもこねて再現しているのかは不明ですが、個人的には、後者の方がまだ落ち着きます。
 度重なる犠牲に怒れるヘドリアン女王は、腹いせに地球の美しい女性に魔手を向け、あきらの友人のモデルが「かべのなかにいる」で無惨に殺害される、結構な残酷描写。
 ナレーション「ヘドリアン女王は、美しいものは全て嫌った。地球上の美しいものを、ことごとく、ヘドロの中へ、叩き込むつもりなのだ」
 翌日――洋画の吹き替え現場で女優が銃殺され、立て続けに発生する、美女たちの焼死、転落死、轢死……遠隔殺人能力が、ちょっと引くレベルでえげつなすぎるのですが。
 被害者たちが、カメラマン・無藤礼のモデルになっていた共通項に気付いたデンジマンはその尻尾を掴もうとするが尾行による追跡に失敗し、ならばと搦め手の美人局作戦を計画。
 「顔の知られてない子がいいな」
 「……そんな美人が見つかるかな」
 凄い真剣な顔で赤城が言うのが、なんともいえない面白さ(笑)
 心当たりを閃いた青梅が、サーカス団で妹分だったサチコ(クレジットからすると、女優・歌手として活躍し、後に政治家に転身した、三原じゅん子さんでしょうか)に話を持ちかけ、まんまと無藤を吊り上げる事に成功すると、その正体はベーダー怪物ルパンカメラーであり、第4話にして、「ラー」の使い方が空中殺法。
 デンジブルーがロープアクションで飛び込んでいくと、スパイダーアクションでルパンカメラーは逃亡するが、ルパンカメラーの撮影した写真を破壊すると被写体が死亡する遠隔殺人のトリックも判明。既に撮影されてしまったサチコの命を救う方法はただ一つ……現像前にカチコミじゃぁ! と、魔犬アイシーがいきなり敵のアジトはここね、と画像を表示してデンジタイガーが発進(笑)
 ……立ち上がりここまで、「スーパーパワーやスーパーマシンを見せる」のが主題で、話の筋はその付属物、についてはかなり割り切った作りで、なんかもう、笑うしかありません。
 ベーダー一族がアジトを構える島へとデンジタイガーが上陸すると、かなり力の入った特撮で激しい砲撃戦が描かれ、防衛網を突破したデンジマンはルパンカメラーと対峙すると、
 「「「「「見よ! 電子戦隊・デンジマン!!」」」」」
 ストロボ爆弾攻撃をかいくぐると、カメラはカメラでもビデオカメラ系怪人によくある、巻き戻しや一時停止系の攻撃を受けるが、コンビネーションによる攪乱から、デンジブーメランでスパッ。
 今回はデンジタイガーがメインという事でか巨大戦があっさりめに終わった後、自爆を遂げたアジトからベーダー魔城が浮上し、超異次元空間へと姿を消して、つづく。