東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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仮面ライダーBLACK』感想・第22話

◆第22話「パパを襲う黒い影」◆ (監督:蔦林淳望 脚本:宮下隼一)
 見所は、ローブに仮面姿で瞬間移動して現れる人たちから資金提供を受け、ソーラービームキャノン」なんて物騒な名前を付けた発明品について「私は平和利用の為に……」とか宣うお父さん。
 世間の理解を得られずにゴルゴムの甘言に乗ってしまった、との事ですが、多分、研究の実用性云々以前の段階で、人間としてダメと周囲に判断されていた可能性がかなりあります。
 そんな父親を襲う南光太郎そして仮面ライダーBLACKの悪夢にうなされる少年は、予知能力の持ち主。
 街で光太郎と出会った少年は、父親を守ろうと、横断歩道で光太郎を突き飛ばし、バイクで走る光太郎の頭上に工事現場の資材を投げ落とし……身内の情という動機があるにせよ、小学生なら許されるという一線さえ完全に越えており、この親にしてこの子ありの狂気が迸って『X』時空とワームホールで繋がりそう。
 ひとまずマリン喫茶に連れ帰った少年から事情を聞こうとする光太郎は、面と向かって「おまえは悪い奴だ」と言われて動揺するが、父の危機を予知した少年は店を飛び出していき、慌ててその後を追うことに。
 3神官ズは、完成したソーラービームキャノンで街を焼き払い、ゴルゴムできるもん、を再び強くアピールしようとしており、博士とのやり取りに直接3神官が携わっているなど、黒松教授の処刑によりかえって求心力を失い手駒が急激に足りなくなっているのかもしれません。
 「次期創世王の座は誰にも渡さん。仮面ライダーの首は俺様のものだ」
 そんな様子を今回もこっそり見つめるビルゲニアは、仮面ライダー抹殺を足がかりに跡目争いに殴り込もうとする野心を口にすると、その顔が白塗りに変貌し、ほぼ素顔から“如何にも”な化粧が施されることに。
 少年を追う光太郎は、ハチ怪人の復讐に燃える同族・ツルギバチ怪人の襲撃を受け、今回も挿入歌をバックに変身(イントロの女声スキャット部分を変身バンクに合わせる形)するが、少年を人質に取ったビルゲニアから、人質の命が惜しければ怪人の攻撃をかわすな、と超正統派の脅迫を受け、今、試される、BLACKのライダー力……!
 ……あ、一手目から反射的にガードした。
 諸先輩なら、「敵の指示を完全に無視して人質を取った側がむしろ動揺する」とか「大ジャンプでいきなり人質の救出……と見せかけて怪人を殴りに行く」とかやりかねないので、穏当な判断といえるBLACKは、その後は一応、蹴り転がされるままになって無抵抗の意志を示して崖っぷちに追い詰められると……あ、またかわした。
 事に文句を言われるよりも早く、自ら宙に身を躍らせると同時にロードセクターを召喚し、「少しでもかわしたら子供の命はない」とは言われたが、「逃げたら駄目」とは言われてない!
 恐るべき世紀王の頓知に出し抜かれた白面のビルゲニアが研究所に顔を出すと、ダロムからは「3万年前の顔に戻れた」との言及があり、恐らくは、あまりにも素顔すぎて怪人ぽさが足りない、という判断からのモデルチェンジかとは思われますが(見た目の変化以外、だからどうした、というのが全く無いですし)、一応、その変化を物語に取り込んで明示す形に。
 予告映像でさらっと白塗りモードが出ていたので、今回冒頭からいきなりこの顔で、なんの説明もされずに、いや最初からこの顔でしたよ? で済ませるぐらいの覚悟はしていたので、思ったよりフォーカスされてむしろ驚きました(笑)
 一応の理由付けはしたものの、娑婆に戻ってから顔色の良くなるような事をした覚えが無いのがやはり難ですが……街角の薬局でリポビタンDでも見つけたのかもしれません。
 3万年前には無かった爽快感……ファイト! いっぱぁつ!!
 少年と父は仲良く牢屋に放り込まれ、一時逃走から研究所へ潜り込んだBLACKは大神官トリオの用意した鏡の罠へと誘い込まれ、幻術フィールドでちくちく遠距離攻撃で攻め立てる3神官、射程の差を活かし、徹底的に有利な条件で彼我の戦力差を埋めようとする姿勢には好感が持てるので、もっと早く、在庫管理の大切さにも気付いてほしかったです(笑)
 2026年のゴルゴムの目標は、「真面目にやろう、棚卸し」。
 「貴様ら人間をなんだと思ってるんだ」
 示威行為で街一つを焼き払おうとするゴルゴムに怒りのBLACKは怪人とレーザーの連携に苦戦を強いられ、鏡の世界を外部から破壊しようと召喚されたロードセクターが、脱出を試みていた父子のすぐ背後を走り抜けて牢屋の壁をぶち破っていく、衝撃映像(笑)
 一歩間違えると父子揃ってロードセクターの車輪の餌食となっていましたが、親子揃って人間性には危うさしか感じないので、ロードセクタが一歩間違えそうになったのも無理の無い話かもしれません。
 ロードセクターはそのまま勢いよく鏡の世界も蹂躙していき、BLACKは脱出に成功。
 ソーラーパワー充填中のキャノンを解除して帳尻を合わせようとする父子の前には3神官が立ちはだかり、BLACKはツルギバチ怪人に苦戦するが、超能力を発動して怪人の次の動きを予知する少年のアドバイスを受けたBLACKは、パワー縞々からの対空大パンチ、そしてライダー必殺コンボにより逆転勝利を収めるのであった。
 ……組み立てとしては、〔ヒーローへの誤解 → その解消 → ヒーローへの助力〕という形で、ヒーローとの接触による変化を発生させた超能力少年が勝利の鍵になるのですが、「父の研究」と「少年の能力」に関係がなく、“ゴルゴムの誘惑に負けた科学者の息子がたまたま超能力者だった”為に、「超兵器」と「超能力」の二つの「超」が1エピソードに収まる容量をオーバーして物語の焦点が定まらず、ヒーロー逆転の劇的な説得力を削ぐ事になってしまいました。
 素直に、お父さんが息子を超能力兵器に改造で良かったのでは……え? ダメ?
 前回同様、怪人の撃破後にもう一つのクライマックスが用意され、主題歌と共に爆走するロードセクターがキャノン砲を木っ葉微塵に吹き飛ばし、凄く、中途半端なところでぶちっと切断される主題歌(笑)
 3神官は急いで撤収し、博士は反省。少年もBLACKに謝罪すると、後日――BLACKを救うために燃やし尽くされた少年の超能力は消えたのだ、と規格外の能力については一件落着とされるのですが、少年が殺意さえ形にしてブレーキなく行動したのはひとえに“父への愛情”ゆえだったので、人質にされた際に見捨てられなかったから考えを改めた、とはいえ“仮面ライダーの為”に能力を使い尽くすのも要素の連動に欠け、どうにもパズルのピースが上手く繋がっていない一本でありました。