『仮面ライダーBLACK』感想・第21話
◆第21話「激突!二大マシン」◆ (監督:小笠原猛 脚本:杉村升/荒木憲一)
「飛べ! バトルホッパーを探せぇ!」
とうとう、ゴルゴム怪人が、開幕から喋って自身の行動を説明。
玉虫色のタマムシ怪人は、大量の眷属を放ってバトルホッパーを捜索し……
「なんと素晴らしい。あの虫たちは本能の赴くまま、バッタを求めて飛ぶのです」
「あの虫に寄生されたバッタは、中枢神経を冒される。バトルホッパーとて、例外ではない」
……え、待って、バトルホッパー、バッタ扱いなの?!
生体メカ部分がバッタベースであり、バッタの改造人間もといバッタの改造バイク、バトルホッパーもまた“怪人”であるという位置づけは今作らしくはありますが、あまりにもざっくりしたバッタ扱いと、ピンポイントな対バッタ能力の登場には面食らいます(笑)
「ライダーの強さは、バトルホッパーとのコンビネーションだ。バトルホッパーを引き離す事ができれば、ライダーの力は半減する」
目の付け所自体は良い神官ズの思惑通り、丁寧にバイクを磨いていた光太郎が去った後のガレージで、タマムシ使い魔に寄生されてしまうバトルホッパー。
「奴がバトルホッパーを呼ぶ。それが仮面ライダーの最期の時……ふふふふ」
ゴルゴムの策略を知らぬ光太郎は、タマムシ怪人がこれ見よがしにさらった少女を救出しようとジャンピング変身し、勢いよく吊り上げられるタマムシ怪人と、その放つ光線のエフェクト、それにより弾ける爆薬の中を駆け抜けていくBLACKの映像は格好良く、ゴルゴムが多少大丈夫ではなくても、それを補う今作の大きな魅力。
少女を抱えて宙を舞うタマムシ怪人を追い、バトルホッパーを呼んで追跡するBLACKだが、突然、ホッパーのアニキに背中から振り落とされるハートブレイク大事件。
「バトルホッパー? 何をする?!」
一体どこで選択肢を間違えてしまったというのか……コツコツ積み重ねてきた好感度がご破算になったと錯覚させるウィリーアタックを受け、これから車体を磨く時はお年賀の余り物ではなく今治のタオルを使うから許してくれバトルホッパー! とライダー懸命の説得を続けるとホッパーは落ち着きを取り戻し、それを見たタマムシ怪人の投げ落とした少女を空中キャッチで助けた後、
「大丈夫かい。早く帰んなさい」
で済ませるBLACK(光太郎)は、やはりたまに、凄く心配になります(笑)
「どうしたというんだいったい……。おまえが僕を襲うなんて信じられないし、どこか具合でも悪いのか?」
ラブ&ピースの危機に立たされた光太郎は、こうなったら、ヘックス隣接待機で好感度を強引に取り戻すしかない、と24時間側に居る事を決意。
ナレーション「光太郎は真相を掴む為、夜を徹して、バトルホッパーを、見守った!」
改造人間だから大丈夫、とガレージに座って本当に徹夜でホッパーを見つめていた光太郎は、夜明け過ぎ、ガレージに入ってきたタマムシ使い魔がホッパーのアニキに取り憑こうとする場面を目撃。
「負けるなバトルホッパー!」
応援虚しく自我を失ったホッパーは再び光太郎に襲いかかるとガレージを飛び出していき……やはり、ロードセクターと一つ屋根の下、という環境が好感度の上昇度合いを阻害している懸念が浮かび上がります。
それはそれとして、相棒のバイクが洗脳の対象になり家出に至るシチュエーションは面白く、ロードセクターにまたがった光太郎が、ドライバーを乗せずに走るホッパーを追いかけていくのも、面白い映像。
「来たな。バトルホッパー!」
だがその先には、3神官の作戦にタダ乗りしようとするビルゲニアが待ち構えており、ジャンプ一閃、バトルホッパーへと搭乗。
あの鎧姿でマントをはためかせながらホッパーに乗って疾走するビルゲニア、の画が凄い、という以上に、ちょっと怖い!
「バトルホッパーは俺がいただいた!」
全て私の作戦通り、みたいなことを言い出すビルゲニア、剣を取り出し切りつけた?!
ただでさえ凄い装備でバイクを走らせているところに、そのまま剣を手にして片手運転、で目を丸くしていると、更に光太郎がビルゲニアに飛びつき2人乗りのまま走り続けるバイクスタントが矢継ぎ早に繰り出され(実際の難度はわかりませんが、素人目には驚きの連続)、光太郎を振り落としたビルゲニアは格好良くターン。
荒馬バトルホッパーをフルスロットルし、
これで俺ははヒーローになるのだぁぁぁ!!
と光太郎を轢きにいくが、
貴様はヒーローではない! と抵抗をみせたバトルホッパーが急ブレーキから、ビルゲニアを振り落とそうとするロデオ状態となり……剣聖、フられた。
間男を振り落としたバトルホッパーはロードセクターの追撃も振り切って走り去り、
「いい気味だこと、南光太郎」
やーいやーい、と倉庫の上に出てきて光太郎に異変の真相を説明するビシュム、風にあおられたフードが大変な感じになっており、意図したものも多分していないものも含めて、面白映像が次々と炸裂して油断も隙もありません。
ナレーション「暴れ馬となったバトルホッパーは、暴走し、次々に、街を混乱におとしいれた。これ以上、罪を、犯させてはならない。
光太郎は、必死にバトルホッパーを探した」
白黒の交通事故の映像が暴走バトルホッパーに重ねられて、ナレーションさんの捕捉説明通りに結構な実害を出しており……これは次回から、バトルホッパーの塗り替えが必要なのでは。
あれは、別のバイクで、仮面ライダーBLACKとは、なんの関係もありません。
だってほら、色が、全然違うから。
「片腕を奪われ、仮面ライダーは、動揺している。このまま一気に奴を倒し、キングストーンを奪い返すのだ」
賠償……保険……借金……蒸発……ホッパーを狙ったゴルゴムの計略は、光太郎の社会的危機を招く形で動揺を誘い、確かなビッグウェイブが来ていることを感じ取る3神官。
「その前に、誰かさんに、コソ泥みたいな真似だけはやめていただきたいですわ」
「これは心外」
3神官の手柄を掠め取ろうとして見事に失敗したビルゲニアは、親切で手助けしただけなのに、と言ってのけると高笑いで誤魔化しながら去っていき、だいぶ、いい具合に、性根がダメになって参りました。
……シリーズ過去作でいうと本当に、近いのはゼネラル・シャドウ――『仮面ライダーストロンガー』登場。キザな仕草の実力者で声も格好いいが、その場その場を取り繕う為に口から出任せを言い募り、息を吸うように嘘をつくが本人の中では矛盾の無い、現在でいうところのサイコパス的悪役――かもしれません。
どこだ、どのセーブデータまで戻ればいいんだ……と海を見つめながらバトルホッパーとのイベントシーンを回想していた光太郎は、ビシュムの誘いに乗ってイワガミ峠へとバイクを走らせると、そこで待ち受けていたのは、銀ぴかに輝くミサイル。
なんだか70年代の郷愁の薫る画が出てくると、ビシュムはホッパーのアニキ……ではなくミサイルを向けたダムを人質に20分のタイムリミットを切り、『イナズマン』を見てしまって以降、万が一破壊されても、ダムはまあ、超能力でリターンできるしな……と思ってしまって困ります。
ビシュムとタマムシ怪人の挟撃を受けた光太郎は新挿入歌をBGMに変身し、タイムリミットはあと7分。
二重の揺さぶりでBLACKの動揺を狙うゴルゴムの作戦はまんまとはまり、焦るBLACKが敵に優位を握られたまま追い詰められていくと、そこに乱入してきたバトルホッパーもまた、BLACKへと車輪という名の牙を向ける。
「あと2分!」
(……諦めてキングストーンを渡すしか手は無いのか)
進退窮まるBLACKは、こちらも新挿入歌でロードセクターを召喚すると不意打ちでタマムシ怪人を撥ね飛ばすが、バトルホッパーでないと登れない崖を前に行く手を阻まれ、万事休す、と思われたその時、タマムシ怪人を殴ったと思ったらいつの間にか崖の上に居てミサイルの発射装置を停止させ……???
普通に成り行きが理解できずに混乱したのですが、遡って確認した映像の隙間を繋ぎ合わせて解釈で埋めると、追撃を避けて宙に逃れようとしたタマムシ怪人の背中に飛び乗り、打撃で撃墜すると共に崖上に到達。これはダメな流れだ……と慌ててビシュムが逃げ出し、ミサイルの発射阻止に成功、といった感じでしょうか。
だが、タマムシ怪人が消滅すると寄生タマムシも消滅……とはいかずに荒ぶるバトルホッパーの攻撃を受け、「バトルホッパーでないと崖を登れない」を強調したにも拘わらず「別の手段で崖を越える事に成功」した時点で色々と台無しでしたが、「怪人を倒したので状態異常も回復」までしてサブタイトル詐欺に終わらなかったのは、ちょっとだけホッとしました(笑)
「聞け、バトルホッパー。おまえを救うには、ロードセクターの破壊力で、おまえの中の虫を倒すしかない」
覚悟を決めたBLACKにより、愛を取り戻せ!
2台のマシンが正面から激突、アタックシールドによる真っ正面からの体当たりを受けたバトルホッパーは残されていたミサイルに突っ込んで大爆発を引き起こし……体当たりの破壊力どころでは無い(笑)
だがそれが幸いして寄生タマムシの除去に成功したバトルホッパーは愛を取り戻し、バイク洗脳という今作の個性の見える展開から、見栄えのするアクションがハイテンポで続いたAパートは面白かったのですが……ダムを人質にしたタイムリミットサスペンスを持ち込んだ辺りから歯車が狂い出すと、ホッパーが無いと崖が登れない! が、ホッパー無しで解決! に至って玉虫色の巨大な疑問符が宙を舞う組み立てになってしまいました。
映像的にも崖周りの説得力が皆無で、Bパートの出来が残念で、惜しい。
……それから前回も思ったのですが、そもそもキングストーン、光太郎の意志でぱかっと外せるイメージが無い(そういうものであってはいけないような気もするわけで)のに加え、キングストーンを渡す=実質ゴルゴムへの全面降伏、に直結してしまうのが、交渉材料に向かない要素だな、と。
憎むべきゴルゴム!
負けるな、バトルホッパー!
戦え、仮面ライダーBLACK!
次回――予告が短縮。