2025年を振り返る:特撮編
今年も、■〔東映特撮YouTubeOfficial〕を中心に色々踊らされた日々でありました。
さて、毎度お馴染みになっていた、年末恒例企画……なのですが、今年は、「抜けて面白く、ランキングするなら中心になりそうだった『仮面ライダーガヴ』を結局見終えていない」という筆者の個人的事情によりまして、ランキング形式が非常にやりにくく、どうしたものかと悩んだ末に、ランキング形式にはせずに、過去のランキングに則った部門別に印象的なものを振り返っていく、という形でお送りしたいと思います。
対象エピソードの方は、昨日の更新分まで。対象作品は、“それなりの話数を見た上で、今年、最終回を見た作品&劇場版&現在見ている作品”という事で、以下の通り。
〔『太陽戦隊サンバルカン』『大戦隊ゴーグルV』『爆上戦隊ブンブンジャー』『仮面ライダー(新)』『仮面ライダースーパー1』『仮面ライダーカブト』
『救急戦隊ゴーゴーファイブ』『仮面ライダーBLACK』『仮面ライダーガヴ』『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』
『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』『ゼイラム』〕
性質上、上記作品のラストにまで触れている場合がありますので、ご了承下さい。
昨年のランキングはこちら→■〔2024年を振り返る:特撮編/ものかきの繰り言〕
☆メカ部門☆
昨年の第1位は「怪人製造カプセル」(『バトルフィーバーJ』)だったメカ部門、のっけから、去年の私が飛び道具で嫌がらせを仕掛けてきますが、メカと言えば今年はまず、メカ推し戦隊だった『ゴーゴーファイブ』が思い浮かぶところ。
ビクトリーウォーカー・緊急合体・ハシゴパンチ、と合体前のマシンのギミックを活かした見せ方に、フォルムも良く必殺剣も格好いいビクトリーロボは、光る巨大ロボでした。
後半ロボのビクトリーマーズも、ビクトリー腹筋、そして紙風船ヘッドとインパクトは強く、フォートレス形態を持った上で、マッスル体型と立ち回りの可動範囲を両立させたデザインは秀逸。
輸送マシンのゴーライナーを巨大な箱寄り合体ロボにしてみせたかと思えば、マックスシャトルと繋げて垂直打ち上げを行い大きな見せ場にしてみせるなど、各種マシンギミックの使い切りへのこだわりはシリーズ歴代の中でも工夫が凝らされて輝き、海中から浮上するベイエリア55も、極道親父がとんでもないものひっさげて帰ってきた! という物語との噛み合い方が効果的でありました。
基地そしてインパクトといえば、忘れがたいのは、太陽基地のダストシュート(『サンバルカン』)。
視聴開始が昨年12月の為、2024年のランキングではノミネート対象外となっており、今年ランキングを行っていれば、上位を狙えた逸材。
「――ところで、ここに、スパイが居る」
『サンバルカン』と『ゴーグルファイブ』に遡ると、空中母艦が重視された時代となりますが、『ゴーグルV』における、野球場上昇からのゴーグルシーザー発進は、今見てもインパクト大。
……まあその後は、いつまで経ってもひたすら長い変形合体バンクの印象の方が強くなり、最終的に1ゴールデンスピアーに辿り着く事になるわけですが(笑)
必殺技といえば、今年印象深かったのは、『カブト』のライダーキックとか、『ガヴ』のオーバー処刑スマッシュとか、『ゴーゴーファイブ』の兄妹大砲とか……で、あまりメカ要素が関与しておらず(カブトのライダーキックは、ベルトのギミックの使い方が演出として格好良いですが)、まがりなりにもメカ要素が入って一番印象深いのは……もしかしてゴールデンスピアー?!
と今になって深い敗北感を味わう事になりましたが、良くも悪くも、忘れがたい必殺技とはなりました。
フィニッシュに使われる事はあまり無かったですが、スーパー1のファイブハンドは、話が進むごとに万能メカになりすぎた面はあるものの、ヒーローのギミックとしてのワクワク感は素晴らしかったです。
後、いつかやると思っていたレーダーハンドでのミサイル攻撃をちゃんと(??)やってくれたところ(笑)
ちゃんとやりすぎて終盤は何故か、当たり前のようにミサイルになっていましたが……カズヤ、フロンティアスピリッツだ! 異星の敵対生物の目を狙うんだ!!
駄メカ方面で忘れがたいのは、これまた『ゴーグルV』からになりますが、最終章のキーアイテムになるのかと思いきや、運用失敗に次ぐ運用失敗から、崖下に転落して爆発、そのまま忘れ去りそうになっていたら何故か最終回に登場するも、何をするでもなくあっさり弾け飛んで消えたデスダークの最終兵器・ダーク砲。
一体なんだったのか、ダーク砲。
やはり、「ダーク」とか「シャドウ」とかついていると、碌なことにならない宿命なのか。
来年は、《仮面ライダー》シリーズの新規展開において、“ヒーローのまたがるスーパーメカ”について再考され、「命の恩人にして無二の相棒」と「改造人間テーゼを持つバイク」、それぞれの位置づけをヒーローとの関係性において明確に与えられた、バトルホッパーとロードセクター(『BLACK』)、二台のバイクの正妻争いの行方に注目したいと思います。
「マシンスクラム!」
☆助演部門☆
昨年は「桐矢京介」(『仮面ライダー響鬼』)が激震を切り裂く劇薬として大暴れしていった助演部門、玄海老師(『スーパー1』)が弾け切る前に途中退場してしまったのが惜しまれますが、その『スーパー1』においてレギュラーキャラだったチョロが、割と好感の持てるコメディリリーフだったのは、良かったところ。
これは『仮面ライダー(新)』後半、河童の皿から物語の中に落ちてきて以降のガンガンジーにもいえ、シリーズこの時期の改善点として、地味に大きいポイントでした。
一方、志度会長の病気降板という急な事情ではあったものの、ネオショッカーに家族を奪われたと語り「昔の俺は死んだ」と別の名前を名乗る割とぶっ飛んだ人として登場した谷が、ドラム缶投げやファイヤーリング開発は一度限りでキャラ付けにならず、髭を伸ばしたり剃ったりしながら2作に渡って出演するも、これといってパッとしないまま終わってしまったのは残念でありました。
居ないと居ないで溜まり場の説得力が出ませんし、とはいえ初代組長(立花藤兵衛)そのままのキャラにはし辛い……といった事情もあったのでしょうが、勿体ない扱いになったなと。
嵐山長官(『サンバルカン』)……は序盤の主役にして最終回で再び主役に返り咲き、もはやヒーロー部門で扱う人材ではという気がしますが、娘の嵐山美佐が意外性も含めて良キャラでありました。
変態を引きつけるヒロイン体質は持ちつつも、「変身して戦闘しないだけで、ほぼ戦隊メンバーに準ずる扱い」で女性メンバー不在の戦隊において存在感を発揮し、公私を混同せず太陽戦隊の一員として自覚的な行動を取り続けるキャラが貫かれたのは、特にポイントが高かったです。
女性キャラだと、幸果社長(『ガヴ』)は、さすがの香村さん、といったキャラで、来年こそ、再起動しよう、『ガヴ』。
あと岬さん(『カブト』)は結構好きだったのですが、作品全体の傾向として、キャラの芯がぶれがちだったのが惜しまれます。
そんな岬さんの上司、田所さんはルックスからも立ち位置からも、割と今年屈指の贔屓キャラだったのですが、後半、ネイティブだという事にされた為にわけのわからない存在になってしまったのは、大変残念でした。同作では、加賀美パパも好き。こんな上司を持ったみっしーには、同情を禁じ得ませんが!
……第9話までしか見ていませんが、常夏元総理は見た範囲の『ゴジュウジャー』では一番好感の持てるキャラだったので、ここに挟んでおきたいと思います。
ドッカン大噴火!
他、偏愛度の強いところでは、主人公の命の恩人としての、バトルホッパー。『BLACK』でどのキャラが好きかと言われたら、今のところぶっちぎりでバトルホッパーです(笑)
近いカテゴリでは、『ゼイラム』のボブも割と好き。
後、忘れてはいけないベルトさん。『サプライズ・フューチャー』のベルトさんは、大変ベルトさんで良かったです(笑)
「……この、疑り深くて胡散臭い秘密主義者め」
☆悪役部門☆
昨年は、「アポロガイスト」(『仮面ライダーX』)が序盤のリードを活かして逃げ切っていたこの部門、今年は、ランゴ兄さん・グロッタ姐さん・ニエルブ・酸賀……と『ガヴ』勢の印象がとにかく強く、特にグロッタ姐さんの狂犬ぶりが素晴らしく好きだったので、残り1クールをちゃんと見よう私。
『ガヴ』以外に目を移すと、退場回が傑作エピソードとして印象深いのが、メガール将軍(『スーパー1』)。
ただメガールそのものは特別面白いキャラとなったわけでなく、デスギラー将軍(『ゴーグルV』)ともども、将軍の外れ年(とは一体)ではありました。
デスギラーも、埋蔵金強奪作戦での錯乱の徴候から、自ら危険に飛び込み続ける基地爆破作戦は印象に残りましたが、道中のキャラ付けがふんわりし続けたままったのが、残念だったところ。
そんな中、広義の“行動隊長”ポジションとして光ったのは、間宮麗奈(『カブト』)。
とにかくキャスティングが良く、上の上のワームの得体の知れない雰囲気が登場シーン全般を引き締めてくれましたが、演出陣が気に入っていた節があり見せ方が丁寧で凝った傾向が強かったのも、良かったところ。
それだけに、4クール目の到来を前にお役御免とばかりに退場した際、最終クールの強敵として登場した乃木との間を全く繋げられなかった点が、『カブト』全体のストーリーラインにも大きなダメージとなったのは返す返すも勿体ない失策でした。
『カブト』といえば、みっしーこと三島は、序盤からいずれ敵になりそうな雰囲気を醸しだし、間宮との密約など暗躍を見せるも、よくある“思わせぶりな発言を繰り返すが特に中身はなく終盤に諸々の問題を押しつけられるキャラ”にしかならず、過去作出演キャストに甘えきりのような形に終わってしまったのは、残念でした。
食に興味がなく、定時にサプリメントを貪る姿など悪役としてもう一皮剥ける余地はあったと思いますし、ハイパー時空に巻き込まれ、なんかいきなり砂浜に転がっているーーー?! とかは凄く面白かったのですが(笑)
ルックスや立ち回りは抜群に良かった矢(さ)車さんは、悪役……というわけでもないですし、ヒーロー……と呼ぶには疑問も多く、まあこちらも物語を引っかき回す以上に物語の都合に振り回された存在ですが、仮にランキング企画としてエントリーを考えていたら、助演部門に落ち着いていたかも。
行動隊長ポジションに落ち着くかはわかりませんが、来年は剣聖ビルゲニア(『BLACK』)の奮闘に期待をしたいです。……大神官ズは……ええ……まあ、大神官ズなので……まずは予算と備蓄の徹底した見直しからやり直してほしい。
ボスキャラ方面では、スピンドー(『ブンブンジャー』)が、洒脱さと暴力性の混合物にして、悲鳴を糧に永遠になろうとするヒーローのネガとしての位置づけも(物語上で巧く活用できていたかはさておき)割と良かったのに、どういうわけか安易なパロディでデコレートしてみんな台無し、になっていたのは返す返すも残念でありました。
ホントどうしてああなった……。
後は、どんどん置物と化していったヘルサターン総統(『サンバルカン』)・最初から最後までずっと置物だった総統タブー(『ゴーグルV』)・ダウンロード失敗して置物になってしまった大魔女グランディーヌ(『ゴーゴーV』)、と駄目な感じの置物が、背景で気になりがちな一年間でありました。
癇癪起こして部下の首をすげ替えれば上手く行く、と雑な人事を繰り返している内に二進も三進も行かなくなってしまったグランディーヌ様こそ、ゴルゴム的なスケール感の悠長さが必要であったように思われます(笑)
そう、災魔首脳陣、全体的に、気ぜわしい(血か……?)。
置物ではありませんが、鷹揚に学級会を取り仕切っている内に組織が迷走を重ね、最終的に敵対してきたヒーローの特性を忘却する(知らなかった??)に至った悪魔元帥先生の、
「如何にスーパー1のおまえといえども、空気の無い世界では生きてはいけまい」
は忘れがたい名言となりました。……まあ当の一也の方も、宇宙研から連絡を受けるまで、自分が宇宙開発用改造人間だという事を忘れていた節はあるのですが!
そんな悪魔先生率いるジンドグマ、モチーフを生物から無機物(日用品)に変えた怪人の方はなかなか面白く、ナイフとかコマとか好きでしたが、特に一体あげると、ハシゴ怪人ハシゴーン。
攻撃から逃走まで、モチーフを使い尽くすギミックの豊富さと、それを取り込んだ殺陣の面白さが噛み合った、秀逸怪人でした。
怪人枠では他に、「サブスギール帝国からやってきたコゴエンスキー司令官」が、『仮面ライダー(新)』について考える度に思い出さずにはいられない存在となってしまい、このシナリオと『ウルトラマン80』のオコリンボールで、脚本の土筆勉さんの名も記憶に刻まれる事に(笑)
後、シンプルな格好良さでは、ダークカブト(『カブト』)とダークドライブ(『サプライズ・フューチャー』)の配色の妙が光り、特にダークカブトは、元々格好いいカブトからのアレンジが絶妙で、2Pカラー的なネガライダーのデザインとしては、傑作。
劇中の扱いはだいぶ不憫でしたが……総合的に、“強くて悪い奴(ら)”としての『ガヴ』勢の描写の鮮やかさに唸らされた年でありました。
「目的があるなら何を犠牲にしてでも果たさなきゃ……でしょ?」
☆悪の組織部門☆
昨年の第1位は…………あー……あー……「闇のインカ科学」(『仮面ライダーアマゾン』)でした、ハイ。
今年は現在、色々な意味でゴルゴム(『BLACK』)が絶好調すぎて、他の組織の印象が急速に薄れつつありますが、怪人の食糧不足で壊滅しかけた暗黒結社は多分ゴルゴムだけ。
なぜ、仮面ライダーは他の怪人より強いのか? の解像度を上げ、貴重な素材を消費して作り出したSSR改造人間に逃亡されたら組織がガタガタになりました! を真っ正面から描いたらリアリティが上がった代わりに色々な物を失ったゴルゴムの来年にご期待下さい。
……オチが付いてしまいましたが、ブラックマグマ(『サンバルカン』)のダークQ、デスダーク(『ゴーグルV』)の暗黒科学、ハシリヤン(『ブンブンジャー』)のギャーソリン、といった、組織を特徴づける要素が使い切れなかったり曖昧な扱いで行方不明になってしまったり、が目立った中、ある程度まで独自路線を押し出せたといえるのが、ドグマ(『スーパー1』)。
根幹にある選民思想そのものは珍しくないのですが、そこから掲げる理想郷建設のドリームが宗教結社の色彩を強めると共に展開する作戦の幅を広げ、「黄金都市を建設したいが強奪するつもりの黄金はまだ発見されてもいない」とか「出来てもいない王国気取りで裁判ごっこ」とか「スーパー1打倒となんら関係なくドグマ帝国建設を祈願して精魂込めて妖刀を鍛え上げる」とか、数々の面白……げふんげふん、独自路線の作戦を打ち出したのは味わい深い組織でした。
続くジンドグマは、ジュニア・ライダー隊の存在に足を引っ張られて作戦のスケール感がご町内レベルに陥りがちなど、組織としては足腰の弱さが目立ちましたが、幹部4人が首領の前でだけ仲悪そうに振る舞うジンドグマ学級会における悪の組織ロールプレイや、無機物(日用品)モチーフの怪人デザインで独自の面白さを出し、今年見た中で、“怪人の魅力”という点では、闇バイトグラニュート(『ガヴ』)とジンドグマ怪人(後期『スーパー1』)が双璧。
逆に、ブラックマグマとデスダークは怪人による面白さを出せるようになるまでに時間がかかり、初動は悪くなかったのに中盤以降なんでもありすぎて魅力が減じてしまったのが、災魔一族(『ゴーゴーファイブ』)のサイマ獣。
何度か書いていますが、見栄えがしないのは難点だったものの、ネオショッカー怪人(『仮面ライダー(新)』)は、初期路線が好き。
来年は、ゴルゴム再建と、逆境を覆す災魔ガッツに期待したいです。
それから、今年忘れてはいけない存在として、「手術に失敗した被験者が失踪すると箝口令を敷いて関係者の問い合わせにも知らぬ存ぜぬを決め込んで事件そのものを闇に葬り、5年後の新たな志願者にも過去の失敗例について一切伝えてない」国際宇宙開発研究所(『スーパー1』)、富士の樹海の地下洞穴で密かに宇宙探査用ロケットを開発していて、何故か妙に慌てて発射しようとしている国際宇宙開発研究所については、語り継いでいきたい所存です。
「一也くん、オクザワのことは、宇宙研のタブーなんだよ……」
☆ヒロイン部門☆
昨年は不作傾向で、終盤に猛チャージを見せた「クロウ」(『牙狼<GARO> -魔戒ノ花-』)を振り切り、やや消去法的に「持田ひとみ」(『仮面ライダー響鬼』)が戴冠していたヒロイン部門ですが、今年もいまいち不作。
やはり、加賀美(『カブト』)のヒロイン力が伸び悩んだのが、惜しまれます。
素質はあったと思うのですが、作品が目まぐるしすぎて、じっくり育成できなかったな、と。
じっくり育成といえば、主人公ヒーローに明確な好意を見せるレギュラーヒロイン、として配置されていたハルミ(『スーパー1』)ですが、物語の綾として年間の要素にするほどには需要が無かったのか、重箱ぐしゃー事件を境に2クールほどその要素が消滅している間に、ミチル@ジュニア・ライダー隊の真ヒロイン仕草に後塵を拝す事になったのは、印象深い悲喜劇となりました。
一応ラスト2話で盛り返すのですがだいぶ唐突になってしまい、『スーパー1』における“新しい仮面ライダー”像の模索の一つであったと思われますが、年間通してやりきれなかったのは惜しまれます。
そこから6年後の『BLACK』では、第7話にしてバトルホッパーが正ヒロインの座に躍り出ましたが、思わぬライバル(二代目のバイク!)が登場してヒロインレースは風雲急を告げており、果たしてどちらが正妻の座を勝ち得るのか、そして、秋月信彦とのザギバスゲゲルの行方や如何に……?!
……今年最も、ヒロインレースで確実な勝利を収めた存在というと、やはり、ガンガンジー(『仮面ライダー(新)』)でしょうか。
「……間違いない。洋さんは仮面ライダーや!」
☆ヒーロー部門☆
昨年は、アクション面の充実ぶりも抜群だった、ショウマ・ストマック/仮面ライダーガヴが第1位の栄冠に輝きましたが、今年は、
全人類は俺に惚れろ! と太陽ジャンプで颯爽登場した、飛羽高之/二代目バルイーグル
黒き太陽に選ばれた運命の子、南光太郎/仮面ライダーBLACK
天の道を往き総てを司る男、天堂総司/仮面ライダーカブト
と、どういうわけか、“太陽を背負ったヒーロー”が並ぶ年となりました。
いずれもまた二枚目パワーの強さが共通しておりますが、中でも、マンガのような超絶美形ぶりと可愛げ爆裂の笑顔を併せ持った天道総司は、20年後に見ても圧倒的な破壊力。
長年の宿題の一つだった『カブト』ですが、天道は当時あれだけ話題になるわけだ、と改めてしみじみと納得(笑)
……『仮面ライダーカブト』感想・補遺をそのまま引用しますが、
個人的に今作の好きなところは、「ヒーロー」の存在論は基本的に問わず、揶揄する事も茶化す事も懐疑の視線を向ける事もなく(終盤の地獄兄弟を例外とすると)「ヒーロー」は「ヒーロー」として描かれる点で、個人的にヒーロー論はヒーロー論で好物なのですが、今作についていえば、変に理屈を越えて破綻するような事もなければ、個人の欲望を露悪的に描く事もなく、「選ばれし者が、己の生き様を貫こうとする姿」を格好良く描こうという作りは、個人的にスッキリと見られるところでありました。
……途中で小悪党に転落した影山とか影山とか影山は除いて。
…………影山について考え始めると長くなりそうなので、よし、ひとまず忘れます!
というのは『カブト』の良かったところで、特に主人公である天堂総司は、どこに譲れない一線を引くのか、どこで愛嬌を付けるのか、一見ひたすらぶっ飛んでいるようで、存外に細やかな目配りが施されているのが印象的でした。
『カブト』ライダー勢では、主に井上脚本において“往年のヒーローテーゼを00年代的に出力するシステム”だった面は強いですが、それ故に、風間大介/仮面ライダードレイクは結構好き。井上敏樹の手癖に米村正二の味付けが巧いこと化学反応を引き起こした、神代剣/仮面ライダーサソードも、面白いキャラでありました。
マスクドライダー全体の、とにかく格好いいに全振り、も鮮烈でしたが、特にカブトのライダーキックは、必殺キックのアクションとして、シリーズ史上最高峰の一つだと思っています。
ヒーローのアクションといえば、最初から最後まで殺陣を飽きさせなかったのは、スーパー1の良かったところ。沖一也が途中、番組テコ入れの影響によりアイデンティティが溶けそうになったり主役の座を追われそうになったりはマイナスに響きましたが、嫌いでない主人公。
先輩の筑波洋(『仮面ライダー(新)』)は、結局、予告洋の面白さを越えられなかったな……と(笑)
戦隊勢では、20数年ぶりに見てもマトイ兄さん(『ゴーゴーファイブ』)の爆発力の高さに痺れましたが、90年代戦隊の潮流としての、“短所は短所として描かれるレッド”の中でも、長短の振り幅の大きさが、しっかりとキャラの魅力に繋がっているのが秀逸な造型。
巽兄弟では他は、ショウが割と好き。後、マツリの愛され度の高さは、シリーズでも目を引くところでした。
ヒーローアクションの方に目を向けると、前年に引き続き、ストーリー性をしっかりと持った殺陣により、戦闘シーンのクオリティが高かったのは『ガヴ』の大きな強み。
上述した『カブト』『スーパー1』に加え、『サンバルカン』の無重力アクションの数々も印象的でしたし、今年はかなり、面白いアクションシーンを楽しめた年であったかも。
その点では『ブンブンジャー』も健闘していたのですが……やはり範道大也/ブンレッドの「肝心なところで黙ってしまう」ヒーロー像は、返す返すも残念。
スタッフはどうも、そこに“格好良さ”を見ていたようですし、大上段から説教モードに入らないところに今っぽさも感じていたのかもですが、個人的にはどうしても、伝えるべきことを自身の言葉で伝えられないヒーローは魅力的に感じられず、今年を振り返るに辺り、悪い方向の印象度で、触れずにはいられない残念な戦隊レッドとなってしまいました。
個人的には、フィクションのヒーローだからこそ、他者と「向き合う」、心を「伝える」事にこだわってほしいのですが、そう考えると個人的に『ガヴ』が刺さっているのは、(香村さんのこだわりポイントでありますが)主人公の抱える「向き合いたいのに向き合えない」葛藤が物語の一つの軸になっていたからなのであろうなと。
……まあ、どうしても大也をシャイで口下手にしたかったのなら、それでも何かを「伝える」手段を別に用意していると良かったのかもしれず、本来ならそれが「届ける」だったのかもですが、巧く機能はせず……ヒーロー部門の話からは少しズレますが、『カブト』は、そこに「料理」を当てはめていたのが特にひより関連で効きましたし、時に暴走はありつつ、「食に真摯」の一点で、天道の基本信頼度が保たれたのは、巧かったなと。
「お婆ちゃんが言っていた。本当に美味しい料理は、食べた者の人生まで変える」
☆音楽部門☆
今年の、特筆しておきたい追加部門として、割と好きな楽曲の多い年でありました。
とはいっても、あまりインスト曲を覚えられない方なので、主に主題歌・挿入歌の話になりますが、前作『デンジマン』での大幅強化の流れを受けた『サンバルカン』は、特に名曲揃い。
事あるごとに書いていますが、前期ED「若さはプラズマ」は、《スーパー戦隊》とは何か、をこれ以上なく歌いあげた一曲だと思っております。
続く『ゴーグルV』は、悪くはないのですが、どうしてもバンク問題の影響を受け、ロボの挿入歌はさすがに飽きてくる変形合体のテーマになってしまい、主題歌も後半はゴールデンスピアーのテーマになってしまい……メロディラインの格好良さで後半に多用された赤間のテーマは、歌詞があからさまに赤間について唄っている為、使う時はほぼインストだったのも悩ましい(笑)
『ゴーゴーファイブ』主題歌は燃える名曲で、この時期の路線だったバラード調のEDも良く、『ブンブンジャー』も主題歌は好き。
昨年も触れたかもですが、『仮面ライダー(新)』の前期EDも非常に好きだったりします。
それから『カブト』のOP!
“特撮OPはイントロが命”論者としては、で! ででで! が、OP映像の出来の良さも含めて、番組への入りとして素晴らしかったです。
……《平成ライダー》繋がりで脱線しますが、今年は「大クウガ展」があったり、現在、東映youtubeでも配信中という事で、『クウガ』EDの「青空になる」は、聞く度に凄く胸に染みます。
とても好きな、ヒーローソング。
そして現在、すっかり『BLACK』戦闘のテーマになっている「ブラックホール・メッセージ」が見事に耳について離れないのでありました。
☆ベストエピソード5☆
さて、例年なら最後は作品部門になりますが、今年、ランキング企画を書きあぐねていた理由の一つに、“完走作品でベスト3を出すのがだいぶ難しい”というのがありまして……そんなわけで今回は趣向を変えて、「作品全体の評価とは切り離し、視聴中作品も込みで、今年見たエピソードからベスト5を選ぶ」という形で締めたいと思います。
……なんかこれは、毎年やっていても良かったかもしれない、と思ってはみたり。
以下、放映年順。
○『仮面ライダー(新)』第28話「8人ライダー 友情の大特訓」 (監督:山田稔 脚本:田口勝彦)
ネオショッカーの大攻勢を前に日本に集う8人ライダー! 強敵グランバサミに倒された筑波洋の内心に次々と侵入してくる先輩たち! そして始まる、とっ……くん……?
先輩ライダー全員登場のお祭りアクション巨編にして、恐怖のライダー圧迫面接以降、怒濤の勢いで今回のハイライトが更新されていく、ライダー縦社会の真実を、君は見たか。紛う事なき、『仮面ライダー(新)』最高傑作回!!
「そうだ、筑波洋。それでこそスカイライダーだ!」
○『仮面ライダースーパー1』第22話「怪人墓場の決闘! メガール将軍の最期」(監督:小西通雄 脚本:江連卓)
ドグマの幹部メガール将軍の秘密と、スーパー1の製造元である国際宇宙研究所の暗部が暴かれる、メガール退場回。
従来、不気味でただただ悪い奴だった敵幹部に人間としての背景と情念を与え、それが一也の鏡像でありIFルートでもあるとするアプローチによって、シリーズが〔ライダーvs怪人〕の構図で土台に置いてきた、根を同じくする“鬼と英雄の表裏一体性”をより鮮明にあぶり出してみせたのが、シリーズ本歌取りとして秀逸なアイデアでした。
「メガール! 悪いのはドグマの心だ!」
○『救急戦隊ゴーゴーファイブ』第6話「カビが来る!」(監督:長石多可男 脚本:小林靖子)
家族の問題がこじれてメンバー離脱?! から、今作序盤の大問題となっていた「強制無職」に鋭くメスを入れ、巽兄妹はなにも、個人の夢を捨てて家業の宿命や公の大義に尽くす道を選んだわけではなく、そこには子供の頃に抱いた、“有り得なかった夢”としてのゴーゴーファイブの存在があったのだ、と繋げてみせるのが、物語としてもメタ視点としても非常に鮮やかで、今作序盤の力強いブースターとなりました。
「……あの頃は、ゴーゴーファイブなんて、無かったからさ」
○『仮面ライダーカブト』第18話(監督:田崎竜太 脚本:井上敏樹)
風間大介とゴンの別れを描き、風のような男と記憶喪失の少女を素材に「寄り添い、去っていき、いつか忘れられる(が、いつでも助けに来る)者」としてのヒーロー像を鮮やかにまとめてみせた短編として会心の出来映えで、前編にあたる第17話も含めて今作らしい粗もありましたが、一人の男が“ヒーロー”になる話、として個人的に超ツボだった一本。終盤の演出も素晴らしかったです。
「……全部思い出したんだな。そして俺のことを忘れてしまった、という事か。良かったな。いいんだよ、それで」
○『仮面ライダーガヴ』第34話「100匹ゴチゾウ大作戦!」(監督:柴崎貴行 脚本:香村純子)
強敵を倒す為に命を捧げる鉄砲玉が100人欲しい! と兵隊集めに集中するあまり、戦う力がどこから湧いてくるのか? の根本を見失いかけたショウマの姿を通して、ヒーローの抱える“力と心の関係”を『ガヴ』なりの形で現し、「ゴチゾウとは何を示しているのか?」から「ショウマは何故この世界を守ろうとするのか?」を一貫した形で接続してみせたのが、鮮やかだった一本。
またそこから、仲間ライダー2人を棒立ち応援団にする事なくクライマックスバトルにおける役割と見せ場を持たせ、新フォームによる必殺パンチのインパクトの瞬間、第1-33話まで積み重ねてきた、戦いの軌跡の結晶としてカチッとピントが合ったのは、素晴らしい組み立てでした。
(……お菓子は戦う為の道具じゃない。お菓子があったから、結果的に戦える力が湧いたんだ)
最後に一つ番外として……サイマ獣の能力により、“ゴーピンクの力”がマツリの先輩に取り込まれた結果、人類の科学と災魔の魔術が奇跡の融合を果たした、アンチハザード人間が誕生!
「だいたいミズキさん着装できるの?」
「いや、そこまでは出来ない」
が、戦力確保の為に素顔に素肌で戦ってほしい、と極道親父が無茶苦茶を言い出すと、苦悩の末に常識の壁をぶち破った先輩が雄々しくゴーゴーファイブのセンターに立ってサイマ獣に躍りかかり、4人の変身ヒーローのスクラムを踏み台に、見た目一般人女性が怪人に飛び蹴り!!
挙げ句、さっすが先輩、と状況を受け入れるマツリの指示を受けながら、先輩を砲弾としたVアタックが放たれ、登場人物全員が正気を失っていく
○『救急戦隊ゴーゴーファイブ』第9話「盗まれた能力」(監督:渡辺勝也 脚本:宮下隼一)
が、ベストの中には数え上げにくいものの、個人的に大変いいものを見せてもらった、と忘れがたい1本となりました。
「わあびっくり! 完治どころか、全身の筋肉・骨格、全てが強化されています」
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……というわけで、例年とは違う形でお送りする事になった、「2025年を振り返る:特撮編」……実のところ、月の半ばぐらいまで全く手つかずで、今年は超簡素ランキングにするか、いっそ白旗をあげて年末振り返りを放棄するかぐらいの心持ちだったのですが、打開策を見出してからは一気に筆が進み、結局、(タグ込みで)15000字越えとなりました、ハイ。
ある程度、網羅的に書いた分、むしろ書く事が増えたのでは? とか、もはやここからランキングにスライドできるのでは? とか、思ったり思わなかったりするのですが、今回に関しては「この形式にする事で、出力ができた」といった具合であります。
元々、便宜的なものだったので別にランキング形式にこだわる必然性は無いのですが、後から読み返した時に視認性が高い&その年の自分の嗜好がわかりやすい、といったメリットはあるので、来年はまた、来年の成り行き次第ということで。
……まあ単純に、表とか、ベスト○○とか、「形に合わせる」のは、ちょっと楽しいという。
今年は『ガヴ』を除くと、総合点でもう一つ「これ!」といった作品とは出会えず、特に、割と楽しみにしていた『ゴーグルV』が低調なのは痛かったですが、遂に『カブト』(瞬間最大風速の強さで、シリーズでは『キバ』と同じ方面の好きさかも(笑))を完走し、20年以上越しに再会した『ゴーゴーファイブ』は波もありつつ充分以上の見所があって楽しく、今の勢いなら、来年は『ディケイド』も行けるのではないか、みたいな気もちょっぴりしてきております。
それから、長らくタイミングの合わなかった『BLACK』をようやく見始めましたが、結果、メカ・助演・ヒロイン、3部門にわたって名前の出てくるバトルホッパーのアニキ。
もともと、“人とロボットの関係性”みたいなのが好物なので、バトルホッパーはだいぶ突き刺さっております(笑)
後、やさぐれブラザーズ(『カブト』)の影響で、アニキアニキを連呼していたら、アニキが抜けなくなりました。
シリーズとしては、“ヒーローのまたがるスーパーマシン”の枠を越えて、移動手段だったり物理兵器だったりするだけではない、“命の恩人”で“無二の相棒”という位置づけがいいなと。
こういった〔仮面ライダー-バイク〕の関係性へのフォーカスは、この後『クウガ』で改めて重視される事になりますが、その後の《平成ライダー》シリーズに引き継がれたかといえばそうでもなく、パッと思いつくところだと後は『555』『ブレイド』ぐらいで、掘り下げてみると面白いところではあるのかも。
感想を離れると今年最大のトピックは、何はなくとも現行体制での《スーパー戦隊》シリーズの終了と、それに伴う後継作品としての新プロジェクトの発表となりましたが、この件については、一時期スキャンダラスな煽り見出しが方々で目に入ってくる機会が増えすぎて辟易としているので(最近はさすがに落ち着きましたが)、今はただ、新作の成功と個人的なツボに刺さる事を期待したいと思います。
ここからセルフ反省会で、視聴意欲はあるが、今年(も)HDレコーダーの肥やしのまま見終えなかった作品リストは、以下。
『仮面ライダーガヴ』『仮面ライダーガッチャード』『ウルトラマンブレーザー』『特命戦隊ゴーバスターズ』『宇宙戦隊キュウレンジャー』
これにアニメでは『スマイルプリキュア!』『ガメラ:リバース』が加わり、結局『スマイルプリキュア!』見終わってないの我ながら駄目すぎて反省の言葉も無いのですが、別に面白くなくなったわけでもなんでもないのに、アニメを最後まで見るのがとことん下手病が、年々悪化の一途を辿っていきます。
……今確認したら、今年の1月に視聴再開して、春までには見終えたいみたいな空気を出していましたね!
…………『ガヴ』に関してはホント、再起動詐欺みたいになってしまい、深く反省しております。
今年は我ながら夏負けが過ぎたり、体調不良に振り回され気味で、シンプルに入出力の物量が減った自覚がありますが、東映特撮youtubeベースでいえば、90年代戦隊は『ゴーゴーファイブ』で視聴コンプリートし、80年代戦隊も『バイオマン』でコンプリート出来るし、《平成ライダー》以前は、『RX』まで見れば残すは初代のみとなりますし、来年辺り、作品への触れ方とか、感想その他の出力の仕方とかについて、転機の頃合いかも……みたいな事は思っております。
それ以前からも作品の感想を言語化する事はしていましたが、『ギャバン』『メガレン』に始まって、現在に準ずるフォーマットでブログに感想記事を書くようになってから、なんとビックリ14年が経過しており、正直、ここは手癖になってしまっているな……と思うところがあったり、現行作品に対する間合いの変化(特に去年~今年は《スーパー戦隊》について思うことが多く)もあって、この辺りでもう少し、“今の自分なり”に、深く潜れるやり方を、一度考えてみた方がいいのかな、と。
まあ基本的には、見たいものを見て、指先の赴くままに出力はしており、そこで考えすぎると本末を見失いかねない危険も自覚してはいるのですが、見たいものが次から次へと流れてくる期間が続きすぎたので、深呼吸が出来ていない、みたいな感覚はちょっと付きまとっており、あれこの話、もしかして別項でやった方が良かったのでは……? みたいな気もしてきていますが、ええとまあつまり、深呼吸して肺活量から鍛え直すタイミングなのかもな、と。
……配信と新作の重なり方によっては、あ、全然、深呼吸の余裕無かった……となるかもですが(笑)
そんなわけで来年は、録画作品に手をつけつつ、もっと映画を見たかったり、言い方は色々ありますが、引き出しを広げたり中身を詰め直したり……近年は個人的に入力と出力に関して「潜水」のイメージがあるのですが、その、潜水のフォームを改造したい、のが個人的な目標。
そして当ブログとしましては、一読どこかでクスリと笑っていただければ幸い、がこれまでもこれからも目指すところであります。
以上、2025年を振り返る:特撮編、大変長々とお付き合いありがとうございました。
今年もお付き合い大感謝、来年も皆様に、良い特撮作品との出会いがあらん事を!