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Boys,be Haziki

救急戦隊ゴーゴーファイブ』感想・第40話

◆第40話「基地壊滅0秒前」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:宮下隼一)
 遡ること1年前――駆け出しの警官だったダイモンも、同じく救命士だったマツリも、まさかこの数ヶ月後に、自分たちが職を失う事になろうとは、夢にも思っていなかったのです。
 そんな二人が交通事故の現場で救った少年・信彦が、リハビリを終えて元気に退院する事になり、お祝いとしてベイエリア55に招待する事になる一方、災魔一家ではコボルダが、ベイエリア55への直接攻撃を計画。
 「いでよ! ヒルゲムージャ!」
 黄色と青のカラーリングも毒々しい不気味なサイマ獣が呼び出され、それをサラマンデスが、柱の陰から見ていた。
 転落したサラマンデスを踏みつけにして嘲笑う為ならコボルダとも手を組むディーナスは、看護師に変装して信彦少年に近づくと花束を渡し、そこに仕込まれていた爆弾毛虫が見学中の信彦のカメラから、ベイエリア55内部へとばらまかれてしまう!
 これまで鉄壁のセキュリティを誇ってきたベイエリア55が、内部からの爆破テロを受けてシステムダウンを起こすと海底へと沈降していき、マツリ・信彦・ミントが内部に取り残されてしまう緊急事態。
 幸いにも、ワシ、初対面の子供に和やかな対応で接するとか無理、目を合わせられないまま宇宙が膨張している話とかしちゃう、と東京湾に逃亡して釣り糸を垂らしていたモンドが急ぎ帰還すると、工事用換気口の場所を伝えられたマトイ達は突入を目指すが、その前に立ちはだかる爆弾毛虫サイマ獣。
 「これ以上は行かせん、ここが、おまえらの、墓場だぁ!」
 着装する4人だが割と頑丈な毛虫ボディに苦戦しているところにコボルダとディーナスまで参戦し、見所は、サラマンデスの転落が楽しくて楽しくて仕方がないのか、満面の笑みを浮かべ続けるディーナス。
 もともとサディスティックな笑い担当でしたが、笑み崩れながら剣を振り回す姿は、だいぶインパクトがありました。
 ベイエリア内部では、鉄骨の下敷きになった桃は動きが取れず、ミントは爆弾虫で殉職の危機、エネルギータンクに爆発が近づいて誰も具体的に説明しないのがかえって怖い恐らく首都圏消失レベルの危機が迫り、兄3人が先行させた黄もサイマ獣の足止めを受けて、あっちもこっちも絶体絶命。
 「このままじゃ間に合わない!」
 そんな中、災魔を引き入れる芋引いたのはワシじゃ! と、瓦礫をどけて桃を助けようとしていた信彦少年が、エネルギータンクへの道を切り開こうと扉に鉄パイプを叩きつけ、その奮闘に気合いを入れ直した黄がサイマ獣を蹴散らしてベイエリアへの突入に成功。
 レスキューツールで鉄扉をこじあけようとするも背後には爆弾毛虫が迫り、次々と湧いて出てくる鉄砲玉の脅威により起こる、爆発・爆発・爆発! で緊迫感と危機感が途切れなかったのは、今回の良かったところ。
 イエローは毛虫の襲撃を受け、身動き取れないながらも銃を握ったピンクも爆発にさらされ、次々と血の海に沈むゴーゴーファイブ
 残る信彦にも迫る爆弾毛虫だが――これが、男のケジメじゃぁぁぁぁ!! とピンクの落としたハジキを手にした少年が、次々とヒットマンを空中で撃ち落としていき、作品によっては大笑いして楽しめたと思うのですが、『ゴーゴーファイブ』だと、これでいいのか……? はちょっと(笑)
 ……まあ、宮下脚本としては、追い詰められた一般人が正気の境界を突き破っていく第9話「盗まれた能力」(こちらも渡辺監督)と繋がっているとはいえ、これもまた、70~80年代的な戦士の狂気の残滓だったのかもしれません。
 ゴーピンクのところに居るのが、身動きできないフリをして人間の力を見せてみろと特等席で観察しているJPさんだったら色々と符帳が合ってしまう気もしますが、宿してはいけないものを宿し、京本政樹ばりのVIP待遇を受ける少年の援護射撃により、黄が隔壁の作動に成功。
 ベイエリア55のエネルギータンクごと東京蒸発の危機は阻止されて、この間ほとんどのシーンでヘルメットの中の表情を見せ続けるのが、シリーズとしても非常に珍しい演出ライン。
 後年には継承されなかった要素、ともいえますが、個人的にはやり過ぎに感じる時もあるので、今作一代の特色、というのは結果として丁度良いところに収まった感があります。
 地上では、メンバー二人を欠くゴーゴーファイブを相手に、当初こそ優位に戦いを進めていたコボルダとディーナスが、いつの間にやら互角以下の戦いを強いられて幹部二人がかりで息を切らしており、つまり、走り込みが足りていなかった。
 物事の基本は体力である事を見せつけ、お互いを信じて粘りきったゴーゴーファイブによって作戦失敗に終わったコボルダとディーナスは撤退を余儀なくされ……なんかもう、3兄妹合体魔術とか使えないのですか母上様?!
 年明け、獣霊皇コボナスデスの誕生に災魔の希望が託される中、コボルダの喝を受けて再起動した毛虫サイマ獣はファミリー砲台から放たれる超牛乳スピンで葬られ、鉄砲玉格差を見せつけたゴーゴーファイブは逆転勝利。
 ところがピエールがサイマ獣を遠隔復活させると、未だ水中にある基地からゴーライナー発進できず、の窮地から、信彦少年を避難させていた桃によりゴーライナー手動発進が行われ、別行動の意味と、下二人のスポット回にしてはさして活躍していなかった桃の見せ場を補ってみせたのは、上手い流れでした。
 5人が合流すると、99マシン発進から緊急合体、そしてマックスビクトリーが描かれて、年の瀬に今作の特色をしっかり押し出すクライマックス。
 「行くぞマツリーー!」
 「OK!!」
 MVロボは毛虫サイマ獣にホバー銃撃を雨あられと浴びせるも毛虫爆弾による反撃を受けるが、大爆発の中から雄々しく生還し、レスキューヒーローは不死身だ! を破壊エネルギーに転換するマックスノヴァにより、勝利を収めるのであった。
 「ダイモン、マツリ、よくやったな」
 「二人で一人前だなんて、酷いこと言って悪かったな」
 「二人ともきっちり一人前だよ」
 冒頭で、トレーニング逃走の罪で弟妹をなじったショウとナガレが謝罪して丸く収まり(原因は大体、説明不足と無体なスパルタ訓練を課す長兄にあるのですが……)、つづく。
 ベイエリア55を舞台に、基地壊滅(寸前)イベントを危機また危機のレスキュー文脈で描くのが今作らしいアレンジとなり、爆発に次ぐ爆発による映像の派手さも効いて、ノンストップのスペクタクルとして、なかなか面白かったです。
 難としては、ゲスト少年の殺意があまりに高すぎた事と、ミントが床に転がったまま終わった事で、サポートロボットポジション好きとしては、ミントの活躍も見たかったところでありました。
 次回――またも色々と盛りだくさんの予告ですが、最後に全てを持っていく、河童。