『救急戦隊ゴーゴーファイブ』感想・第37話
◆第37話「美女がサイマ獣!?」◆ (監督:小中肇 脚本:武上純希)
「父さん! 冗談じゃないぜ。お見合いなんてしてる場合か!」
「乾の、娘だぞ。おまえの元、上官だろうが。ま、とりあえず、奴の顔を、立ててだな」
首都消防局長官の機嫌を取り、あわよくば縁戚関係となる事で、今後のゴーゴーファイブの運用拡大に向けた有力なパイプを強化しようとする、ザ・政略お見合い(笑)
頑なに拒絶しようとするマトイ(まあまだ、24歳でもあり……)だが、面白がった弟妹が見合い写真を手に取り「美人」「美人」を連発すると誘惑に負けて言質を取られてしまい、いざ、お見合い当日。
ベイエリアの点検作業の為に欠席したモンドに代わって、おめかし弟妹4人が付き添いとなり、露骨に撮影の事情は透けて見えますが、人の親としてそれはどうなのか感が物凄いモンド、モニター越しならともかく、初対面の女性と歓談とか、ワシ、無理、絶対。
乾長官も理解しているので、多分、許してくれています。
子供の風船を取る為に着物姿のまま木に登る破天荒だが好人物、乾長官の娘・つぐみ(演じるのは、有言実行三姉妹だったりチーム・クロウの一員だったりした、石橋けいさん)と運命の出会いを果たすマトイだが、見合いの席では開口一番、
「今はまだ、結婚とか家庭とか、そういうの考えられないんです!」
とノーから入るも、それがなんと、かつての乾長官が現在の妻との見合いの席で口にした言葉とぴったり一致してしまうミラクルで、乾母娘からの好感度はうなぎ登り。
「災魔が襲ってきたら、命にも関わるんですよ?!」
「私も乾家の娘です。いざという時の覚悟は、出来ているつもりです」
眼光鋭くマトイを見据えて言い放つ、つぐみ、火消しというか、武家の娘みたいだった(笑)
「人に、愛を与える物は、自らの心が、愛に満ちていなければならない」
命懸けで働くレスキュー隊員だからこそ自身も愛を知らなければならない、と乾長官が訓辞を垂れると、基本的にバリバリの縦社会育ちであるマトイは反射的にいい返事をしてしまうが、そこにピエールにより、攻撃を記憶・学習して無効化する無限連鎖のカードを組み込まえたサイマ獣・頑張り屋さん、もとい、ガルバリアが出現し、巽兄弟は急遽着装。
「格好いい……」
両親の制止も聞かず間近でゴーレッドを応援するつぐみは、赤が投げ飛ばしたブタモヒカンにぶつかると一緒に階段を転がり落ち、薔薇の花飾りを盛大にぶちまけた拍子にまさかの人格入れ替わりが発生し…………する必要あったの?!(笑)
レギュラーメンバーのお見合い騒動だけでも1エピソード作れそうなところに、ゲストヒロインと怪人の人格交換が盛り込まれ、いち早く目を覚ますも事態を把握しきれないままのブタ@つぐみは、赤から至近距離で銃撃を浴びると慌てて逃走。
サイマ獣をギャラリーの居る方向へ投げ飛ばし、不可抗力とはいえ中身人間のサイマ獣に銃をぶっ放し、ダイモン以来の大やらかしなマトイ兄さんですが、頑張りサイマ獣が頑丈で、本当に良かった。
配下のフォローにやってきたピエールがこの変事に気付くと、つぐみ@ブタに接触。
偶然の入れ替わりを利用したゴーレッド暗殺を指示し、以下しばらく、見た目は着物美人だが中身は粗暴な三下怪人なつぐみ@ブタと、見た目はモヒカンのブタだが中身は武家の娘なブタ@つぐみが、外見とミスマッチの芝居を繰り広げ、過去ヒーローキャストでもあるゲスト重視に定番要素を組み合わせた割り切ったギャグ回としては面白かったのですが、え、お見合い、続行するの??
弟妹4人がサイマ獣を追いかけている間に平然とお見合いは進行し、語尾に「ッス」が付き、ロブスターを手づかみで貪り食うつぐみ……これは、両サイドのご両親は、早くお見合いを中断するべきなのでは(笑)
そうでなくとも先程の階段落ちで頭を打っている可能性がありますし、様子のおかしい娘さんを病院に連れて行った方が良いのではと思わせる一方、サイマ獣を追っていた弟妹4人の方は、ブタ@つぐみを発見すると人格の入れ替わりに気付くのだが、若い二人で散歩に送り出されたマトイには、つぐみ@ブタの魔の手が迫っていた。
大地のごとく腹筋を鍛えていない殿方とは付き合えない、とつぐみ@ブタのパンチとキック、そして連続投げからキャメルクラッチがマトイを襲い、チョークスリーパーが入ったところで、弟妹4人とブタ@つぐみ駆けつけると、ブタ@つぐみが思い切りよく体当たりを放ってマトイを救出。
ところが3人まとめて階段を転がり落ちたところに薔薇のゲートが倒れて花びらが舞い散ると、つぐみの魂は元に戻る一方、今度は、ブタとマトイの魂が入れ替わっていた。
つぐみとブタの入れ替わりの時点では、今回やる必要性があったのか首をひねる部分もあったのですが、花の舞い散る演出を重ねながら、一難去ってまた一難、の形で再度の入れ替わりを描いたのは繰り返しが壁を突き抜けた感があって面白かったです。
「今だ! ガルバリア! 着装するのだ!」
ピエールが飛び出してくるとマトイ@ブタ(自ら鼻を押し上げて、中身ブタを示す小技も印象的)は着装…………できた(笑)
挿入歌、入れてきた(笑)
体はマトイ、中身は災魔、なゴーピッグはVランサーを振り回し、魂までは認証できない現代科学のセキュリティホールを突かれるゴーゴーファイブ。
ブタ@マトイはゴーピッグに食らいつくと「俺ごと撃て」と弟妹を促し、過去2回の推移から、サイマ獣が強い衝撃を受けた拍子に魂が入れ替わるチャンスに賭けるが……
「例えショックを受けても、薔薇の香りが無ければ魂は元には戻らない」
その条件を知るピエールがほくそ笑むのをつぐみが耳にすると、覚悟を決めた弟妹4人がマトイとマトイを射撃したのに合わせて頭上から薔薇の花をばらまいて魂の入れ替えを成功させ、人格交換によるドタバタ劇でお役御免とせずに、ゲストヒロインに見せ場を作った事は大変良かったのですが、いくら演出で強調していたにしても、「薔薇の香り」がサイマ獣と全く繋がりの見えないところから出てきたのは強引で、なんらかの布石はひねり出して繋げる工夫が欲しかった部分。
正真正銘ゴーレッドが復活し、ピッグVバスターを受けても踏みとどまる頑張り屋さんだったが、ブラスター一斉発射・ハイパーファイブにより爆発四散すると、ピエールによって再生復活。
無限再生カードの都合を活かして、デビュー戦以来となるビートルモードでの砲撃が描かれたのはちょっと嬉しく、ライジングしたVマーズがシャトルミサイルからX切りで大勝利を収めるが、それらを記録した無限連鎖のカードはピエールによって回収され、密かに恐るべきサイマ獣の誕生が迫るのであった……。
「おまえの死は、無駄にはしない」
その夜、つぐみが巽家を訪れ、固唾を呑んで成り行きを見守る家族一同だが、本物のつぐみもまた、巽マトイの筋肉を確かめようと襲いかかり、力強く投げ飛ばされたマトイの頭が、二階の天井を突き破って、つづく。
…………まあ、ヒーロー作品でレギュラーキャストの色恋沙汰が良い雰囲気になると、最後はギャグで処理されるか、相手方が外国などに飛ばされるのは定番ですが、今回に関しては、もうちょっといい雰囲気で保留しても良かったのでは、とは思いました(笑)
まあこれは、戦いの“その先”への示唆に関して私の見方が変わってきている、というのはありそうですし、「ブタに入った時に弟妹に撃たれた」のに続いて、「ゲストヒロインに投げ飛ばされる」ことで、今回のマトイのやらかしについて、物理的な帳尻が合わされている、とはいえるかも。
前回に続いてのコメディ寄りの流れだったのに加えて、東映ヒーロー過去作レギュラーキャストにして直近でも《平成ウルトラ》三部作に出演していたゲストヒロインの扱いとノリの良さが好意的に受け止めやすく、ここ数話の箸休め気味キャラ回の中では、面白く見られるエピソードでありました。
……ところでこの結婚、仮に将来的に成立した場合、マトイ兄さんは乾家に婿入りとなるのでしょーか(一人娘、という言及がありましたし)。
???「なーにマトイ、おまえは安心して、内部から乾家を掌握するのだ。こちらには、弾はまだ4つもあるからな」
父さん! 久々に人の心が無いよ父さん!!