『仮面ライダーBLACK』感想・第11話
◆第11話「飢えた怪人たち」◆ (監督:北本弘 脚本:山田隆司)
ゴルゴムでは、怪人同士による食糧の奪い合いが勃発しており、人口爆発と食糧危機に直面していた。
「心配するな。既に、手は打ってある」
怪人の食糧であるゴルゴメスの実は、光が無く湿度の高い闇の世界では育ちにくく……え、主食が主な生息環境では育ちにくい、ってあまりに致命的では(笑)
大神官ダロムは、「前の文明」を滅ぼした時同様(どうやらそういう成果があったらしいのですが、定番だと、ローマ帝国か、それともアトランティスか)、密かに食糧増産計画を進めており、ゴルゴメス栽培の匠・サボテン怪人を地上へと送り込んでいた。
初の植物モチーフとなったサボテン怪人の仕込みにより土壌改良が進められ、コウモリ怪人が空中から光る胞子をばらまく中、東京にはにわか雨が降り、サボテンの鉢を水浸しにする光太郎。
なんとなく喫茶店の手伝い扱いされていた信彦のガールフレンド・克美の前で信彦の話題が出ると克美が沈んだ表情を見せるちょっとした掘り下げが入ると、雨に打たれて店に飛び込んできた青年が突如として苦しみ倒れ、顔から植物の芽が生えてくる奇病を発症。
そしてその異変は、都内各地で雨に濡れた人々の身に降りかかっていた!
「愚かな人間どもが狼狽えているのが目に浮かぶわ。ぬふふふふふふ」
「まさか自分たちの肉体が、ゴルゴメスの格好の養分になっているとは、思いもよらないでしょう」
人間を畑と肥料に見立てる恐るべきゴルゴムだがしかし、その食料庫にはもはや備蓄が無く、明日以降の食糧を大至急確保しなければ怪人たちの同士討ちが起こる瀬戸際に追い詰められていた……!
第11話にして、「大丈夫かゴルゴム」感が極まってしまったのですが、大丈夫なのゴルゴム?!
・怪人の主食はゴルゴメスの実
・だがゴルゴメスの実は闇の世界では育ちにくい
・その為、食糧自給率が簡単に崩壊する
・しかも、誰も適切な管理をしていなかったらしくあっさりと尽きる備蓄
・そして、食糧が足りないと同士討ちが起こる
……なんだかもう、世界を支配しようとする勢力としては、構造が既に詰んでいる気がするのですが、8割ぐらい闇の世界にして、残り2割を光の世界と人間牧場にするとか、そんな調整と管理が上手くやれる人材が……いるようには見えません。
きたるべき創世王様の治世に不安しか無い中、首都圏上空を通り過ぎた驟雨には、コウモリ怪人のばらまいた謎植物の胞子が含まれていた事が政府から発表される。
記者会見の会場に潜り込んだ光太郎(世紀王スキルのアンロックにより高まっていく謎ステルス能力)は、雨の降った地域と患者数の関係、降雨時の風速や風向きから、ゴルゴムが胞子散布を行った場所にあたりを付け、突然これまでにない知性の閃きを見せてきたのですが、改造手術から3ヶ月ほどが経過し、そろそろブラックサン脳がお目覚めしてきたのでしょうか。
だが光太郎が動くよりも早く、当座の食糧分だけでも確保せねばならぬ、と焦るゴルゴムはコウモリ怪人に患者たちをさらわせ……レギュラーキャストに事情を秘密にしたまま引っ張り続けるのも無理が出がちとはいえ、つい先頃も「ゴルゴム? 何それ」みたいな反応をしていた覚えるのある克美が、いきなり「ゴルゴムの怪人」を認識しているのは、どうも唐突な流れに。
その頃、大神官トリオはゴルゴメスの実の生育を早める為、さらってきた患者たちに紫外線を照射しており、えー、それは、愚かな人類の技術なのでは。
背に腹は替えられず、プライドと満腹なら迷わず後者を選ぶゴルゴムがベルトコンベア方式で次々と実を収穫していく一方、奥多摩山中へとバイクを飛ばした光太郎はサボテン怪人の襲撃を受けると変身し、Aパートの一当たり抜きでBパートで変身し、決着までBLACKのまま話が進む、これまでとは少し違う組み立て。
サボテンの触手と針による攻撃を受けたBLACKはホッパーのアニキを召喚して反撃すると、手傷を負って地中へ逃走したサボテンを追い、ライダーアイに続いて発動したライダーイヤーにより大神官らの会話を聞きつけてアジトへと突入。
「怪人の食糧の栽培の為に、人間を使うとは、絶対に許さん」
BLACKの怒りはもっともなのですが、サボテン怪人は空腹のあまり思わず人語を喋って落ちた実にかぶりつくわ、大神官は三日分しか確保できていない食糧を抱えて逃げ出すわで、ゴルゴムの姿がやたらと哀れっぽい為にヒーローの怒りがストンと入ってこなくて困ります(笑)
「仮面ライダー! いや、ブラックサン! 最後だ!!」
サボテンと共に足止めを買って出たダロムの念動力に翻弄されるBLACKは、ホッパーのアニキを召喚すると物凄い勢いで斜面を駆け上がり、その迫力にたじろいだダロムは撤収。
サボテン怪人のトゲトゲボディに近接攻撃を封じられたBLACKは崖に追い詰められるが、サボテンは水をやりすぎると枯れる事を思い出すと、諸共に川に飛び込んでの弱体化に成功し……まさか、それが伏線だったとは(笑)
水を吸って弱ったサボテン怪人がたまらず川から飛び出したところに、カウンターのライダーパンチ、そしてキックを叩き込んだBLACKは辛くも逆転勝利を収め、栽培の匠を失い、食糧増産に失敗したゴルゴムでは怪人たちを急速冷凍。
ナレーション「怪人の3分の2を再び眠らせて、急場をしのぐ羽目に陥った」
……ナレーションにここまで言われる悪の組織もなかなか記憶に無い路線ですが、現状、ブラックサタンとかシャドウ組織とかバイオロンの入ったフォルダが背後に近づいてきたゴルゴムは本当に大丈夫なのか。
ゴルゴメス被害者は、BLACKが戦闘中に気付いた、強い紫外線の更なる放射によって無事に快復し、再会する恋人たちの姿に信彦を思う克美の姿は、以前の杏子と全く同じ見せ方にはなりましたが、最低限のパーソナリティを描いてキャラクターとしての成立をさせてくれたのは目配りとして良かったです。
また、状態異常を殴って解決、としなかった部分は、作劇の深化の狙いを感じる部分でありました。
次回――BLACK、う、浮気?!