『救急戦隊ゴーゴーファイブ』感想・第33話
◆第33話「ウブな災魔の戦士」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希)
巽防災研究所を訪れ、ショウに急接近するハニートラップ感満載のミニスカ美女・斉藤美由紀。
その正体は……町内会の子供達の引率役で、この後の展開にも関係する掴みのギャグとして流すべき存在なのでしょうが、あまりにもやり口が手慣れている為、普段、どういう世渡りしているのか他人事ながらちょっと心配になります(笑)
後、巽家の男衆は、ショウならずとも揃って転がされそう。
一方、災魔一家ではディーナスが災魔の誇る狂戦士、死神タナトスを召喚するが、サラマンデスの嫌がらせにより召喚時に「戦士として致命的な弱点」を植え付けられたタナトスは、女性とまともに戦えなくなってしまい、せこい、せこすぎるぞサラマンデス。
策を巡らす度にサイレント値上げ感覚で器の小さくなっていくサラマンデス、デビュー戦で履いていた下駄の歯はすっかり磨り減ってどこにも見えなくなってしまいましたが、この星の初日の出を拝む気は無いのかサラマンデス。
「もしかして、あいつ……」
己に起きた異変の原因がわからず、武器を横笛にニヒルを気取りながら街を彷徨するタナトスは、ランニング中の女子運動部に激しく狼狽して逃走し、それを見て、タナトスの弱点を確信するショウ。
「災魔、わかったぜ。おまえ、女の人に弱いんだろう」
念押しの確認として、突然、コギャル・チャイナ・チアガール・レースクイーン……とコスプレを連発したマツリ(一体誰の煩悩なのか……)を前にしたタナトスは脳がスパークして倒れ、これが坂本浩一監督回なら、即死でした。
あまりに無様なタナトスの姿に、女性が苦手だった過去の自分を重ねたショウは、女性克服トレーニングを手伝う代わりに
「治ったら大人しくこの星から出て行くんだ」
と持ちかけ……ううーん……そもそも災魔、宇宙生物なのか異次元生物なのか地底生物なのかハッキリしない上で(「地球上」の略なのかもですが、しばしば災魔は「地上」という表現を使う)、カードで召喚されるまで“生きている”のかも不明瞭なところがあるので、あの星とかその星へ行って生きていける生命体だったの……? という点が、巽家サイドの認識も含めてだいぶ引っかかります。
戦士としての生き方を失うよりはマシ、と提案を呑んだタナトスに対して、巽マツリプロデュースによる女性克服ミッションが課されると
・学ラン着込んで女子高生の群れの中へ突入
・動物の着ぐるみで子供に風船を渡す
・小学生コスプレで高齢の老婦人から団子を買え
のいずれも失敗に終わり、無理矢理過ぎる小学生コスプレが神代剣を思い出してならないタナトス、なにもかもサラマンデスが悪いのですが、ホント、どうしてくれるのサラマンデス。
「……おまえ、俺より重症だな」
「面目ない。かくなる上は――」
もはやこれまで、と自ら首を落とそうとするタナトスに対して、
「敵と戦うだけが、戦士じゃないだろ!」
と止めたショウが、悲しくても、苦しくても、生きていく事も戦いだと諭し、災魔に生き続けるよう説得するのも何やら首をひねる話になりつつ、ここまで来ると「事故で感情を得たロボット系怪人」みたいな扱いではありますが、基本的に対話不能な人類の敵だったサイマ獣に対し、急に大甘な対応で距離を詰める展開が個人的にしっくり来ず、定番アイデアと災魔一族/サイマ獣の相性が悪かった印象。
タナトスはショウの言葉に生き方とは何かを見つめ直し、種族を越えた心の繋がりが両者の間に生まれるが、いやおまえ達いい加減にしろ、と自ら前線に出てきたディーナス(そろそろ寒そう)が剣を一閃。
「タナトス! 死神戦士としてのおまえはどうした?!」
「……心が……目覚めてしまったらしいのです」
「サイマ獣に心などいらん!」
ディーナスの煩悩退散斬りを浴びたタナトスは狂戦士に戻るとショウとマツリに襲いかかり、解釈をこねくり回すなら、サイマ獣の基本は、災魔カードの中に記された「キャラクター」として召喚されるが、今回はサラマンデスの嫌がらせを契機にバグが発生した、みたいな感じでしょうか。
ショウとマツリはやむなく着装するも一方的な攻撃を受けていたところに赤青黄が合流し、タナトスを倒したわけでもないのにマトイら3人は家でずっと子供達の相手をしていた、というのも今作ここまでの積み重ねからは外れてしまいましたが、OPクレジットを見るに子供たちは公募企画などだった気配もあり、今作、商業展開のしわ寄せなどを全て武上さんが請け負っている感(笑)
「タナトス! やめろ!」
煩悩の消滅したタナトスの猛攻の前にゴーゴーファイブは手も足も出ず、懸命にヒロインチャージを仕掛ける緑。
「サイマ獣は所詮、戦う為の獣だ。ハハハ」
「違う! サイマ獣だって心はある筈!」
踏みにじられ、トドメの一撃を受けようとする緑だが、団子屋の老人がおまけでくれ、ショウが結びつけた鈴の音が響くと、タナトスは心を取り戻し、ディーナスに反攻。
……なぜ、私には、目がハートにならないのか?!
怒りのディーナスの一撃(やたら強いのは、召喚者権限の発動でしょうか)に倒れたタナトスは、
「獣として甦ったら、あんたの手で、葬ってくれ……」
と言い残して爆死を遂げ、事前にやり取りを交わす事で、巨大戦での始末にスムーズにドラマを乗せたのは、今回の貴重なプラスポイントでした。
夕陽の街を背景にMVロボが立つと、マックスノヴァの直撃を受けたタナトスは戦士として散り、前半は過剰にコミカル、後半はグッとシリアス、とギャップで見せるのも定跡でしたが、個人的にはノれないエピソードでありました。
上述したように、サイマ獣と相性の良くないアイデアだったと思いますし、事の発端がサラマンデスのケチな嫌がらせだったのも、当座の宿敵の格を無闇に落としてしまった感があって、厳しかったです。
そのサラマンデスは、現場に残していた証拠品(短剣)をディーナスに投げつけられて二人の仲はますます険悪となり、巽家では子供達が引き上げると一番酷い目にあったのはミントとオチがつけられて、つづく。
……多分、ミントの1エピソードにおける台詞の量としては史上最大だったのですが、あまりにも惨い仕打ち(笑)
そんなミントを見捨ててベイエリア55に立てこもっていたモンドですが、いつか寝首を掻かれないか、今回の一件でミントに人類への憎しみの心が生まれていないか、ちょっぴり心配です。