東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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大戦隊ゴーグルファイブ』簡易構成分析(後半戦)

 前半戦の簡易構成分析はこちら→■〔『大戦隊ゴーグルファイブ』簡易構成分析(前半戦)〕

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第27話「人間ジャングル!」 (監督:山田稔 脚本:酒井あきよし) 
第28話「甦った幽霊モズー」 (監督:小西通雄 脚本:曽田博久) 青
第29話「眠りの街の恐怖」 (監督:東条昭平 脚本:松本功) 黒
第30話「猪苗代の黄金魔剣」 (監督:東条昭平 脚本:曽田博久)
第31話「ブルー! 大突撃!」 (監督:小西通雄 脚本:鷺山京子) 青
第32話「ドキッ 骨ぬき人間」 (監督:服部和史 脚本:筒井ともみ) 赤
第33話「シーザー大爆破?!」 (監督:服部和史 脚本:鷺山京子) 桃
第34話「出た! 黄金必殺技」 (監督:山田稔 脚本:曽田博久) 赤
第35話「鉄喰い人間の襲撃」 (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
第36話「決闘! 0・3秒!」 (監督:東条昭平 脚本:曽田博久) 赤
第37話「謎の爆撃機を撃て」 (監督:東条昭平 脚本:松本功
第38話「友情のアタック!」 (監督:山田稔 脚本:曽田博久) 青黄
第39話「悪魔の人食い絵本」 (監督:山田稔 脚本:鷺山京子) 桃
第40話「秘密基地が危ない」 (監督:東条昭平 脚本:曽田博久)
第41話「変身パパの大冒険」 (監督:東条昭平 脚本:曽田博久)
第42話「暗殺! サソリの罠」 (監督:服部和史 脚本:酒井あきよし) 黒
第43話「死闘! 小判争奪戦」 (監督:山田稔 脚本:由起圭)
第44話「あ! 食べ物が砂に」 (監督:山田稔 脚本:鷺山京子) 黄
第45話「二人のブラック!」 (監督:服部和史 脚本:松本功) 黒
第46話「超エネルギー出現」 (監督:東条昭平 脚本:曽田博久) 赤
第47話「これが最終兵器だ」 (監督:東条昭平 脚本:曽田博久)
第48話「秘密基地最後の日」 (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
第49話「将軍! 最後の挑戦」 (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
第50話「進め! 輝く未来へ」 (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
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 前半・後半合わせての、脚本・演出担当は、以下。

 脚本〔曽田博久:29本 松本功:7本 鷺山京子:5本 筒井ともみ:4本 酒井あきよし:4本 由起圭:1本〕
 演出〔東条昭平:17本 山田稔:17本 服部和史:12本 辻理:2本 小西通雄:2本〕

 『バトルフィーバーJ』8本、『デンジマン』11本、『サンバルカン』12本、と過去3作で着実にサブライターとして存在感を高めてきた曽田博久が上原正三に代わるメインライターとなり、全体の約6割を担当。
 後の切れ味を知っていると物足りない出来で、特に立ち上がりはパッとしない内容が続きましたが、第22話を契機に持ち直すと、全体のアベレージを引き上げてくれたのは助かりました(最終決戦でのミラクルは起こせませんでしたが)。
 演出では、前年にシリーズ初参加をし、今作ではパイロット版を担当した東条監督と、ラスト3話を担当した山田監督が最多。この後『チェンジマン』からシリーズに参加する長石多可男を含めた3名が、演出面での80年代戦隊の柱石、となっていく事に。

 メイン回(筆者の主観によります)の配分は、以下。

 赤〔3.9.16.17.18.21.25.32.34.36.46〕11本
 黒〔6.10.26.29.42.45〕6本
 青〔8.23.28.31.38〕5本(コンビ回1)
 黄〔12.13.38.44〕4本(コンビ回1)
 桃〔11.14.20.22.33.39〕6本

 リーダーとして相応にスポットは当たったものの、赤間はどうもメイン回に恵まれなかった印象があり、結局序盤の「ロープを出すと落ちる」印象が一番強くなってしまいました(笑) もう少し、冒険家スキルを活かしてほしかったところですが、駆け込みの第46話で、未来科学のなんたるかを訴え、友の仇を討とうと捨て身の覚悟を見せたのは良かったところ。
 第26話で生身アクションが大幅解禁された黒田は、以後の4回はいずれもアクションメイン回。劇中のポジションとしては研究スキル持ちだったようなのですが、何故か、メイン回ではそれが取り上げられず(笑)
 青山は、あまりにも活かしにくい「元アイスホッケー選手」が捨て置かれると、年間通して立ち位置が定まらず、メイン回の度に別の属性が取り上げられる事になり、今作の不憫枠。
 約2クールに渡ってメイン回無し、というこれまた不憫枠だった黄島ですが、後半のメイン回である第38話(青山とコンビ回)と第44話は、いずれも今作の中では秀逸回だったのは、良かったところ。
 桃園は、ほどほどメイン回はあり、定番の七変化エピソードとして第22話など悪くなかったのですが、妙にテンプレートな造型がもう一つパッとしなかった印象で……「1年ぶりの女性メンバー」かつ「先代があの桃井あきら」という事で、なんとなく、置きに行ったピンク、といった感。

 イベント事の少ない時代ですが、大きなイベントは、
 第15話におけるビスマルク大元帥復活と、イガアナ&ザゾリヤ博士の粛清による、デスダークの体制引き締め。
 第34話のネオメタルモズー出現とゴールデンスピアー誕生。
 の2点となり、後者は敵の強化と必殺技の大幅モデルチェンジで物語に起伏をつけようとする意図は見えたものの、怪人の強化感がこれといって無い上で驚愕のバンク映像「1ゴールデンスピアー(分)」の単位を生み出すに至り、どちらかというと問題点の方が目立つ事になってしまいました。
 前者は、明らかに持て余していた博士2人体制をシェイプアップすると共に、何かと前線に出張りがちだったデスギラーの地位を相対的に下げる事で行動隊長に固定し、デスダークの組織構造をスッキリさせる効果は出たのですが……大元帥デビュー戦となった第16話こそ大規模な作戦を展開したものの、河童が出てきた第17話から早すぎる夏休みに突入。
 6月だというのに怪談やサケの放流や林間学校で恐竜のタマゴを見つけるといった、なんだか妙に“夏休みっぽい”エピソードが実際の夏休み期間と繋がって延々と第33話まで続き、中だるみはよくある時代とはいっても、物語全体の緊張感を緩めると共に、特にこの間にテーマ的な掘り下げが出来なかったのは、全体の構造として大きくマイナスに響く事になりました。
 途中、曽田脚本回の出来が良くなってくるなどはあったのですが、それがサブライター陣にも波及して全体の底上げがなされるのは40話台までかかる事に。
 感想本文の引用で済ませますが、


 〔コスプレ回を成立させる為の一工夫・メイン回で普段とちょっと違う芝居をさせる・作戦内容に合わせてキャラの心理にフォーカス・そこから繋いで啖呵を切っての「変身」の瞬間を劇的にする〕
 と、目配りと組み立てに妙味があり、ようやく今作の曽田脚本で、このぐらいの内容を作品の基準にしてほしい、という出来の一本が出てきてくれました。
(第22話)


 まあ、このぐらいは普通にやってほしいレベルではありますが、今作では割と椿事の部類であり、アクの強い老人・振り回される孫娘・淡い恋心といった要素がゴーグルファイブを媒介に繋がってヒーローの「勝利」と老人の「変化」をもたらし、第22話以降急速に、曽田脚本が最低限の水準を取り戻してくれているのは、大変助かります。
(第30話)


 バックアップのコンボガと協力しながら、敵怪人の特殊能力を打ち破るのは、今作ここまでに欠けがちだった要素を補い、確かな作劇の進歩を感じさせます(今作の出だしが、何故か退歩していたわけではありますが……)。
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 そんなわけで巨大戦がなんとなく終了すると、コンボガ一同はアフリカ展の再開を手伝い、「飢えの無い世界を作ろう」とする希望の象徴にコンボガを持ってくることで、“未来科学とそれを担う子供たち”が、今日の現実と明日の理想の橋渡しとなって、今作が本来持っていたテーマ性と真っ正面から繋がったのは、良かった部分。
 ……30話も半ばになって、やっとお手本的なエピソードが出てきたのは、あまりに遅きに失しましたが。
 そんなわけでエピソード単独の出来は良いとは言い難かったものの、バンク映像問題以外の作劇には着実に改善の見出しが見られるとともに、「どうすれば『○○(作品名)』になるのか/こうすれば『○○』になる」という方法論――これがある作品は強い、というのが持論――確立の萌芽が窺えて、この先を知っている視点としては、シリーズ今後への道筋の見える一本でありました。
(第35話)

 と(いずれも曽田脚本回)着実に上昇傾向に転じてはいたものの、ようやく『ゴーグルV』としての型が見えたのが30話台、その頃にはもう次作の立ち上げ作業が恐らく始まっている……となって立て直し作業が間に合わないまま時間切れ(ある意味、実に『ゴーグルV』らしい……)で最終決戦編となり、諸々の課題の克服も含め、今作中盤における実りの兆しが収穫されるのは、次作以降、といった作品でありました。