東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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ああ 大戦隊

大戦隊ゴーグルファイブ』感想・最終話

◆第50話「進め! 輝く未来へ」◆ (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
 「総統タブー、これが最後の最終兵器、ダーク砲です」
 2話前に崖下に投げ捨てられて壊れたダーク砲は、結局、デストピアで作り直されていた(笑)
 返す返すも、ハイトロンエネルギーとハイトロンエネルギーが干渉して転送装置を使用できず、最終兵器ダーク砲至近距離からドッキリ大作戦が夢に終わったのがデスマルク痛恨の極みとなり、海底からデストピアが浮上すると、いよいよ始まる最終決戦。
 互いに航空戦力を投入してのドッグファイトから始まり、デストピアに景気良く突き刺さるシーザーミサイル。
 「おのれ~~、ゴーグルファイブ
 大元帥はベスとベラを伴って外へ打って出ると、妖刀・暗黒剣を手に秘剣ブラックホールを放ってゴーグルVを攻撃し、最後に頼るのはやっぱりオカルトだ!
 「針路東京!」
 ゴーグルVを蹴散らしたデストピアは東京に進撃していくが、古式ゆかしいトロイの木馬作戦によりゴーグルシーザーを餌にしたゴーグルVは、まんまと門を開いたデストピア内部に未来科学研究所の仇じゃぁぁぁぁ!! とカチコミを仕掛け、斬った張ったの大立ち回りから……落とし穴に落ちた(笑)
 城内突入戦、ざっくり済まされがちな印象がありましたが(セットの手間もありますし)、割とシーン数をかけながらスピード感を持って展開したのは良かったところで、大量の戦闘員を相手に岩石投げで反撃したイエローが「ここは俺が引き受けた!」を宣言すると、イエローを踏み台に4人は奥へ。
 デストピアくノ一部隊の襲撃を受けると青と桃が相手を引き受け、鎧武者トリオを前に黒がレーザー刀を振り回し、仲間たちの決死の踏ん張りで、とうとうタブーの間へと突入するゴーグルレッド。
 「貴様が総統タブーか!」
 「総統タブー閣下には指一本触れさせぬ」
 「東京攻撃は、命に替えても防ぐ!」
 大元帥vs赤の一騎打ちとなり、追い詰められる赤だが起死回生、背後のタブーに一撃を与えるとデストピアが激しく蠢動し、カプセルの外に出てくる不気味な総統タブーの正体、それは……
 「遺伝子……!」
 「いかにも。余は暗黒科学が生み出した最高の遺伝子にして究極の遺伝子なり」
 遺伝子にこだわっていたデスダークの総統は、それ自体が遺伝子でした、とされるのですが、「遺伝子……!」とは。
 いや、まあ、こういう、それっぽい化学用語をハッタリで用いて実体は不明、というのはままある手法、ままある手法ではありますが、ラスボスを見て「遺伝子……!」はさすがに不可解すぎて、確かに「遺伝子」は入っていると思うけど暗黒科学における「遺伝子」とは何かについて、デスマルク大元帥はこの戦いを生き延びたらyoutubeで動画解説して下さい。
 改めて城外に出てゴーグルVとチームデスマルクの決戦となり、ラストは名乗りも口上も抜きで、戦え大戦隊。
 すっかり忘れそうになっていたダーク砲は、ゴーグルサーベルであっさり弾け飛んで真価を発揮できないままに終わり、最終決戦のキー要素とされたハイトロン、ダーク砲は目くらましで、最大の戦果はマズルカ爆弾となりました。
 最終回にしてデストピア近衛部隊みたいな凄腕の鎧武者とくノ一と戦う事になるのは、怪人代わりとはいえ空気としては微妙な趣向で、くノ一2人はベスとベラだったと判明して爆死。
 「おのれ~~」
 近衛部隊が全滅すると、凄い顔になっった大元帥は暗黒剣で大規模範囲攻撃を放ち、ゴーグルスカイも跳ね返すと地割れを作り出す圧倒的な強さでゴーグルVを追い詰め、あと2回ぐらい使うと、暗黒剣が根本からポキッと折れそうで心配になります。
 「暗黒剣! ブラーーック・ホール!」
 暗黒科学の粋を集めたオカルトパワーを受け真っ向勝負で敗北しかけた5人は、最後の力で捨て身のゴールデンスピアーを放ち、バンクシーン強制割り込みで逆転勝利したらどうしようかと思いましたが、5人編隊を組んでスピアを突き出すオリンピックスペシャルが放たれると黄金の光は暗黒剣を打ち砕き、崖から転落したデスマルクは大爆死。
 開きっぱなしだった門からシーザーミサイルを叩き込まれたデストピアが大崩壊すると、その内部からは巨大化した総統タブーが姿を現し……どうにもこうにも下半身が掃除機パックの中身に見えて仕方がありません。
 「行くぞ!」
 の台詞で後部座席の赤青黄だけが動くのは、最後までどうにもしまりが悪く、3機のマシンはゴーゴーチェンジ。
 中国は3千年、暗黒科学は5千年の力の前に追い詰められるゴーグルロボだが、地球剣でエネルギーを跳ね返すとゴーグルサンダーで反撃し、電子銀河斬りで一刀両断!
 しかし総統タブーは上半身を分離して飛び回り最後の意地を見せるが、
 「今だ! 地球剣電子銀河ミサイル!」
 と地球剣を投げつける裏技に貫かれると大爆死を遂げ、ここに、暗黒科学結社デスダークは壊滅するのであった!
 「デスダークは滅んだが、暗黒科学は人間の心の中に芽生えるものだ。二度と、科学を悪用する事が無いように、君たちが21世紀を迎える時には、素晴らしい未来科学の世界を作り上げようじゃないか」
 クライマックス突入の第46話で取り上げられたものの、その後はうっちゃられていた今作の核となるテーマを本郷博士が引っ張り上げてきてまとめると、ゴーグルファイブの5人とコンボガが笑顔で固く握手をかわし、あくまでもペアにこだわってはいるのですが、そのペア関係が活きるエピソードが特に無かったのは、残念でありました。
 第4話で打ち出した「未来に向けて無限の可能性を持った子供」と「それを守り育てていく大人」という相互補完関係は、ゴーグルファイブというヒーローのスタンスとして独自性になり悪くなかっただけに、1ペアにつきメイン回1本は、やってほしかったなと。
 そこから、メンバーそれぞれの名場面集がナレーションと共に振り返られ、やはり、ロープから落ちる赤間(笑)
 そして、「青春を、力一杯駆け抜けた」で片付けられる青山。
 赤間が「山を愛する」でまとめられたのも大概でしたが、アイスホッケーの「ア」の字も出ず、まあ桃園の新体操もメンバー共通なので広げようが無かったりと、どうも、メンバーの前職や得意スキルが劇中で活用しきれず、キャラクターの個性化が『デンジマン』より後退してしまったのも、今作の残念だったところの一つ。
 黄島だけは何故か、OPの描写と違う副業に関わるちょっとした特技が、延々と広がり続けましたが(笑)
 某『キカイダー01』ナレーションよろしく、桃園パートだけ明らかに私情が交ざると、若者達は明日へと旅立っていき、さらば、大戦隊ゴーグルファイブ
 ……うーん……東映側メインプロデューサーとメインライターが同時に交代した影響か前半だいぶ苦戦の窺えた今作、そこから今作終盤と次作立ち上げを、これまた初めて並行作業する中で良いものが出てくる可能性は正直低いだろうとは思っていましたが、一言でまとめれば「平凡」といった出来の最終決戦。
 裏を返せば、破壊的な時空の改変や、盛り上げの方向性を間違えてヒーローそっちのけになってしまうような事はなく、極めて穏当に未来科学と暗黒科学の決着を付けた、とはいえますが、道中の仕込み不足もあり、毎回派手さを加えてはくるも食い足りない内容となりました。
 2話か3話あれば最終決戦に持ち込める時代ではありますが、ハイトロン出現の第46話から5話を費やした割にはエピソードの連動性や内容の広がりが薄く、振り返れば仰々しく持ち出した最終兵器ダーク砲が、あっという間に無用の長物と化してしまったのが手痛い失点。
 結果、その後は幹部クラスを一人ずつ退場させていく事に終始する形に。
 デスマルクとタブーについては最終回オリジナル技でトドメを刺すなど、目先を変えながら壊滅に至る退場劇を全うできただけでも良かった部分はありますが、最終兵器を巡る攻防戦で縦軸を通せていればもう少し盛り上がれたのではと思い、そのハードルを越えられなかったのは残念でした。
 とはいえ、今作のアベレージを考えると、ハードルを蹴倒しながらでもコースの上を走ってくれた分マシという評価にはなり、コースアウトしたり地面に潜ったりせずに、とにかくハードルめがけて直進はした、そんな最終決戦編でありました。
 シリーズの流れとしては、配下の切り捨てはあったが上への裏切りはなく、前2作と同じパターンに持ち込まなかった事でデスダークの統一感は最後まで保たれ……存在感は3ヶ月前にめくり忘れたきりの日めくりカレンダーみたいになっていた総統タブーでしたが、下に慕われてはいた模様。

 作品トータルとしては、
 「無駄な小競り合いの連発」「長すぎるバンクシーンの連発」がとにかく足を引っ張ったのに加えて、「キャラクターの個性不足」「コンボガへのスポット不足」と、作品固有の特性もなかなか押し出せず、5人メンバー体制の《スーパー戦隊》としてはデンジマン』よりも作劇の後退が目に付いたのが、序盤から苦しかったところ。
 中盤以降、曽田脚本回が持ち直してきてからは、ある程度“見られる”出来のエピソードも増え、後半にはサブライター陣も追随してきて全体的なクオリティの上昇は見えましたが、作品全体の出来や印象を覆すには至らず、吉川進-上原正三が『宇宙刑事ギャバン』を開始したのに伴う、《スーパー戦隊》新体制1作目としては、シリーズこの後を知っている視点からは期待外れの出来となりました。
 ……が、次作『ダイナマン』途中からの放映時間短縮が吉と出ると、ハイテンポな圧縮作劇が進化を遂げて幾つかの傑作を生み出していく事となり、世の中、何がどう転ぶかわからない、とは思わされるところです。
 公式youtubeで配信予定の次作『ダイナマン』は以前の配信で見ているものの、80年代戦隊を順に追いかけてきた視点からだとまた新たな発見がありそうで、余裕があれば見たかったのですが、結局『ゴーグルV』の視聴中は『仮面ライダーガヴ』を再起動する余裕が無かった為、『ダイナマン』再見は諦めて『ガヴ』視聴の方にリソースを割きたい予定です。
 個人的に『ダイナマン』はお薦め(私的《スーパー戦隊》ベスト9の一つ)なので、未見の方は是非!