『大戦隊ゴーグルファイブ』感想・第49話
◆第49話「将軍! 最後の挑戦」◆ (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
「総統タブー、遂に勝ちました。ゴーグルファイブを倒したのです。もはやデスダークの前に立ちふさがるものはありません。この世は全て、総統タブーのものになったも同然」
「暗黒科学デスダークの新しい歴史が始まる。デスマルク大元帥、その門出を祝うがよい!」
「偉大なる総統タブーに、乾杯」
デスマルクが酒杯を掲げる一方、川岸に引っかかっていたコンボーイが作業員により発見され、結構容赦なく、死にかけていた。
救命処置を受け、息を吹き返したコンボーイは助けてくれた相手にお礼も言わずに、「僕は生きてるんだぞー」と絶叫しながら走り出し、だいぶきつめの臨死体験だった事が窺えます。
てかてかした衣装のままアカギランドに走っていったコンボーイは、連絡の付かない一同の顔を思い浮かべながら哀しみに沈んで座り込んでいたところ、青山らに声をかけられて無事だった仲間達に囲まれ、皆そこまで、死にかけていなかったのかもしれません……。
司令部跡へ入り込み、マズルカ爆弾の被害の大きさに落ち込む一同に、赤間がリーダーらしくはっぱをかけると瓦礫が動き……やせいのデスギラーが現れた!
…………えー、さすがにてっきり、悪の大幹部パワーでなんとなく脱出しているものとばかり思っていたのですが、普通に、推定半日ぐらい、埋まってたぞこの人(笑)
衝撃の戦線復帰を果たしたデスギラーだが、最後の力を振り絞っていたようで、その場で敢えなく気絶。
「よし、手当てしてやろう」
如何にデスギラーといえども、三途の川を渡りかけた事で人生観に変化があるかもしれない、と赤間は渋る仲間達を説得し、なんにせよ、悪の大幹部といえども倒れているところにトドメを刺すわけにもいかず、状況設定としては茶番に陥りがち。
ゴーグルフファイブとコンボガは、協力して臨時司令部の復旧に取りかかり……なまじ最初に、未来科学研究所に所属しているのは2000人! と銘打っただけに(外部で働いている人間も含めてでしょうが)、研究所本体に居た人たちの安否が気になって仕方がないのですが、司令部どころか基地本体も吹き飛ばしていたのだとしたら、マズルカ爆弾、恐るべき戦果。
その爆心地で生き延びていたデスギラーへの評価も上方修正するべきなのかもしれません。
……現在、ベッドに横たわってコンピューターお姉さんから水を飲ませてもらっており…………やはり下げたままでいいかもしれません。
黄島の配線ミスに黒田が(次やったら馬の餌にする)みたいな視線を向ける中、仮設司令部に突入してきたクマモズーによりコンピューターが破壊されてしまい、成り行きでゴーグルファイブの仲間みたいな位置に立ち上がったデスギラーは、クマモズーに助けられる、どころか清掃車が持っていき忘れた生ゴミのような扱いを受け、
「なんという侮辱……痩せても枯れても、俺は将軍だぞ!」
痩せて枯れている自覚はありました。
憤激と共に剣を抜いたデスギラーだが膝を付くと隣の部屋に運ばれていくザ・役立たずぶりを見せて、一当たりの集団戦。
クマモズーの放ったハイトロンリングに拘束されて原子分解の危機に陥るゴーグルファイブだが、怒りの腹筋を見せて再び立ち上がったデスギラーの一撃によりハイトロン機関が破壊されると、クマモズーは逃走。
「モズーの分際で、無礼なる振る舞い許せん!」
なにぶんデスギラーなので、げへげへ笑いながらクマモズーと一緒にデストピアに帰っていっても良かったとは思いますが、最低限のライバル感は出したい、さりとて今更、高潔な武人を演じさせるのは無理がありすぎる、という事で地位にこだわるプライドの高さから身内に剣を向けさせるのは、ギリギリ納得できる落としどころといった感にはなりました。
これでおあいこだ、と借りは返したみたいな発言の直後に倒れ込むのが格好つかないデスギラーの生存を知った大元帥は、戦闘機軍団を発進させて空爆を仕掛けるが、そこにゴーグルシーザーが帰還するとあっさり壊滅し、シーザーから降り立ったのは、長らく表舞台から姿を消していた本郷博士。
「未来科学研究所に万一の事があった場合に備えて、第二の秘密基地が用意してある」
本郷博士は、ゴーグルVとコンボガを、ゴーグルシーザーと連携可能な臨時司令部へと案内し、一切顧みられない「地下40階に及ぶ建物内部でゴーグルVを人知れず支える2000人の仲間たち」は、やはり名誉の戦死を遂げたのでありましょうか……。
基本的に空気みたいな設定ではありましたが、最終決戦の雰囲気を「この小さな洞窟内部が人類最後の砦」で盛り上げたいが為に、だいぶ雑に扱ってしまったのは、据わりの悪さを感じますし、正直、いきなり帰ってきた本郷博士! こんな事もあろうかと用意されていた第二基地!(どちらも予告で見せてしまった!) 小規模とはいえゴーグルシーザーが運用可能! の時点で崖っぷち感は弱く、盛り上げの効果は今ひとつ。
「ひゃー、こんな山の中じゃわかりっこねぇな」
はしかし、路上に捨て置かれていたらしいデスギラーに目撃されてしまい、土壇場で転職を考えたかに思われたデスギラーは、デストピアへとその所在地を連絡。
大元帥が首をかしげつつもクマモズー部隊を送り込むと、一同生身アクションを挟んで、戦え、大戦隊!
ハンプティダンプティ体型のクマモズーは、ツキノワ爆弾からベアーハンドでゴーグルファイブを圧倒すると、力比べを挑んできたイエローの背骨をベアハッグでへし折らんとするが、残り4人による徹底した足下への攻撃を受けて地面に転がったところにメガトンボールから一斉キックそしてゴールデンスピアー!
「ゴーグルファイブを倒せるのは、俺しか居ない!」
デストピアに乗り込んだ将軍はダークビーム砲を手に大元帥を脅迫すると、総統命令によりクマコングへの搭乗を許可され、最終回1話前にして、“ロボットとしてのコングシステム”が活かされて、「クマコング、デスギラー、行きます!」。
一応、「最終回1話前までやられ役としての一般怪人を出す都合」を、「最後の戦いを挑んでくる敵幹部の乗り物」に転換する事で生身幹部との決闘パターンにアレンジを加えている面はありますが、それならそれで、もう少しデスギラーぽさがあるか、シンプルに格好いい怪人にしてあげてほしかったです!(笑)
「デスギラー! おまえには最後まで、命の尊さがわからなかったようだな!」
赤は、自称デスダーク最強の勇者としてゴーグルファイブに決戦を挑んできたデスギラーに見切りを付け、それは、本郷博士に夢中で、路上に捨てていったからでは。
「ゴーグルシーザー発進だ!」
本郷博士の号令により、第二基地からシーザーが発進し、ゴーゴーチェンジ。
「ゴーグルファイブ! 遂に勝負を決する時が来たな!」
しょせん貴様の優しさは上っ面の気まぐれだったのだ! とデスギラーはコックピットに持ち込んだダークビーム砲を放ってハンドミサイルもゴーグルコマも次々と消し飛ばし、ゴーグルロボ本体にも大ダメージを与えて高笑いするが、じゃあ、光線兵器で、とフラッシュそしてサンダーが放たれると、負荷がたたって自壊するダークビーム砲の悲しきデスダーク品質。
やむなくクマコングが剣を取り出しての立ち回りとなり、特等席で観戦中のシーザーからミサイル飛んだら面白かったのですが、黒と桃が息を呑むカットが入るも援護砲撃は行われず、そういえばAパートで戦闘機の撃墜に使ったので、残弾が無いのかもしれません。
必殺クマクマ剣を放つクマコングであったがゴーグルロボには通用せず、電子銀河斬りによりデスギラーもろとも真っ二つ。
「無念! だぁぁぁぁ……!!」
デスギラーが戦死すると、大元帥はいよいよ自ら出陣する決意を固め、次回――最終回。
……デスギラー将軍、序盤からゴーグルファイブとぶつけて最低限の相互認識はさせていましたし、演じている高橋利道さんが割と好きなので贔屓目に見てはいたのですが、キャラクターとしてはこれといって魅力を作れず、その場その場の話の都合に合わせて曖昧模糊とした造型にしからなかったのが、残念。
前回クライマックスの「起爆スイッチを押そうとして廊下に出たらゴーグルVとバッタリ遭遇して慌てて部屋に戻って爆発に巻き込まれる」から、今回前半の「半日ほど瓦礫の下に埋もれていたがゴーグルファイブの声を聞いて目覚めるもばったり倒れる」の流れは高い面白ポイントを叩き出しましたが、なにもかも成り行きの産物だったのが惜しまれ、この辺りの反省は、マズルカともども次作『ダイナマン』以降の肥やしになっている気はします。