『救急戦隊ゴーゴーファイブ』感想・第29話
◆第29話「胸騒ぎの星空」◆ (監督:佛田洋 脚本:武上純希)
Vモードブレスを違法改造中のナガレにかかってきた旧友・岩倉小百合からの電話。
実験に夢中でぞんざいに電話を切ったナガレが、ちょっと間を置いてから
「……今の小百合さん?!」
と気付いて表情を変えたところにサブタイトルが入るのが掴みで秀逸。
一方、大魔女グランディーヌは、マイナスエネルギーの塊である暗黒小惑星グランデを地球に激突させようとしており、その観測を阻止するべく、岩倉天文研究所を襲う植物型の操りサイマ獣。
父に託された観測データを手に研究所を脱出した小百合はバイクを駆ってインプ軍団を蹴散らしていき…………今度こそ、6人目の戦士かもしれません!
……そういえば後半ここまで影一つ見えない速瀬先輩、「6番目の新戦士!」のミスディレクションで任務完了お役御免、だったらだいぶ酷いですが、果たして今後の出番はあるのか。
「人間の分際で……ここで眠れ」
サラマンデスの爆撃を受けた小百合は派手な爆発に吹き飛ばされるとバイクごと崖から転落し、佛田監督回という事でか、炎上しながら落下していくバイクに大きくフォーカス。
巽家では、モンドの仮説が世界的に認められた事で様々な政府機関その他から、災魔一族に対抗する新システムへの協力申し出が寄せられている一方、部屋に籠もっていたナガレは、Vモードブレスと接続可能な新兵器・ゴーブラスターを完成させており、見た目や機能の方向性は、なんとなく円谷風味。
サイマ獣に操られた岩倉博士から、地球に接近する小惑星の存在を否定する偽情報がもたらされると、前夜に小百合から電話を受けていたナガレが違和感を抱くのは上手い流れで、慌てて天文研究所へと向かったナガレは、サイマ獣の操り人形にされていた岩倉博士を救出するが、サラマンデスと遭遇。
「小百合さんをどこにやったんだ?!」
「全てを知った者には、死、あるのみ」
首筋をかっきる仕草を見せるサラマンデス……まだどうも、“どう格好つけさせるか”について方向性が定まっていない感じが漂います(笑)
怒りのナガレは着装すると出来たてほやほやの新装備を手に取り、ゴーブラスターの連打を浴びて膝を付いてしまうサラマンデス、サラマンデスーーー?!
背後からサイマ獣の攻撃を受けたブルーは、ブラスターのカートリッジを交換し、光のロープを打ち出して場を切り抜けると、チンピラみたいな捨て台詞を残して逃走。
崖下で黒焦げのバイクと携帯電話を発見したナガレは、5年前、「恋愛より研究だよね」と握手で終わった甘味よりも酸味の強い青春のメモリーを思い出し、ルックスから当初は今作における“二枚目ポジション”になるかと思っていたのですが、途中からモンド寄りの“研究バカ”属性が強まった事もあり、青春はジグザグして側溝に落ちていました。
ちなみにショウも二枚目ポジションになり損ねているので、今作、典型的な二枚目ポジションが不在、というのはシリーズでもやや珍しい例かも。
5年前の思い出から、かつてかわした約束の場所に向かったナガレはそこで、ヒーロースキル《崖から落ちても死なない》を発動していた小百合と再会し、姿長官あたりが見ていたら、マスクマンにスカウトしそうな人材です。
一部戦隊名物・いちゃいちゃ回想シーン……に入る技術も記憶も無かったナガレは再びサラマンデスの襲撃を受けると着装。サラマンデスの操る炎に巻かれるが、ナガレ……というかゴーブラスター回なので冷凍ガスを噴射して反撃し、亡きジルフィーザに続いて、新装備の踏み台にされるサラマンデス、ジルフィーザから星を受け継いだ事による不具合です。
「ゴーゴーファイブ、全員まとめて地獄へ送ってやる!」
メンバー合流して集団戦に突入すると、どこかで見たような記憶のあるウェスタン村の一角で二丁拳銃モードに入った青は、戦闘員を次々と蹴散らし、サラマンデスと一騎打ち。
王者の格好いい戦い方、みたいなこだわりなのか、基本的に「回避」が頭に無いらしいサラマンデスは、余裕綽々で銃口の前に立つがハイパーブラスターの一撃を受けてひっくり返り……これはもう、ジルフィーザの呪いなのでは。
サイマ獣の相手をしていた赤緑黄桃の方が死にかけていたが、青が駆け戻るとブラスターをパスされた赤が二丁拳銃横っ跳びアクションを見せ……ここから『デカレンジャー』辺りまで、東映特撮アクション班で流行っていたのでしょうが、香港警察映画。
天空Vの字落としで消滅したサイマ獣が再生巨大化すると初手からマックスビクトリーするも、全身に触手を巻き付けられコントロールを奪われるMVロボだったが、外へと飛び出した青がゴーブラスターの連打で触手を破壊し、とにかく、ブラスターさん凄い! からマックスノヴァで勝利を収めるのであった。
「フ……なかなかやるな、ゴーゴーファイブ」
そしてサラマンデスは、悪役スキル《敵を讃えて自身の傷を最小限に抑える》を覚えた!
……まあ今回、それ以前の段階で株価が大暴落しているので、アンロックして修得するべきだったのは、ローリング回避だサラマンデス!!
すっかり小惑星グランデの情報を消滅させたつもりのサラマンデスであったが、実は小百合が破壊させたディスクは囮の偽物であり、ゴーゴーファイブは本物のディスクを入手。
その場に漂う微妙に甘酸っぱい空気を感じた弟妹が、焦げ臭いぐらしか気づけないマトイを引きずっていってくれた後、小百合に5年越しの再アタックを仕掛けるナガレ、だが……
「けど私にとってあれは発見じゃないわ」
「え」
「本当の新発見をするまでお互いに頑張ろうね。ナガレ博士」
「う、うん。……小百合……博士もね。うん」
握手から先へ進めずYOU LOSE...とコミカルにオチが付けられる一方、地球に迫る暗黒小惑星の危機はこれからだ! で、つづく。
実質前後編ながら、前編は前編でキャラ回として掘り下げに使いつつ軽めのオチを付ける、という珍しい構成でしたが、Vモードブレスとセットで遊べる事もあってかゴーブラスターが激しく推される内容には、Vランサー売れなかったのか……? と別の心配が脳裏をよぎります。
新展開でキャラ回一巡までしばらくまったり、かと思いきや、不屈の災魔ガッツによる急展開で、次回――ゴーゴーファイブ、宇宙へ。