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必殺! 振り飛車龍星拳!

大戦隊ゴーグルファイブ』感想・第42話

◆第42話「暗殺! サソリの罠」◆ (監督:服部和史 脚本:酒井あきよし)
 見所は、幼稚園児を襲うナパーム!
 ゴーグルファイブを殺人サソリ人間に変えようと企てるデスダークにより、黒田の幼馴染み・サヤカの乗った幼稚園バスが、黒田をおびき寄せる餌として襲われてしまう。
 一度は協力を拒むサヤカだが、サソリ毒針を受けたバスの運転手がサソリ人間にされてしまうと、園児たちを助ける為にやむなく首を縦に振り、顔に逆さまのサソリを張り付ける羽目になった運転手さんの姿が、この当時たまにある、《仮面ライダー》の移り香風味(笑)
 「俺は神隠しなど信じない……これはきっと、デスダークの仕業だ! 必ず見つけ出してやる!」
 遠足の途中、消息を絶った園児たちを探す黒田は、山腹に倒れていたサヤカの姿を発見すると、熱暴走のあまり無駄に崖からダイブし、第26話―第29話に続く、黒田アクション祭パート3。
 サヤカに案内された洞穴でサソリモズーの奇襲を受けた黒田は毒針に刺されるが、刺された箇所をナイフでえぐり取る事で毒を排出。だがその怪我の為に変身不能となってしまうと、生身のままサヤカ&園児たちを連れての逃走を余儀なくされ、燃える黒田が、殴打・回転・咆哮を繰り返しての大暴れ。
 「黒田官平、命のある限り、子供達を、守ってみせる!」
 園児たちが先行する時間を稼ぐ為に足止めの戦いをし続け、果ては戦闘機の爆撃から園児たちを守り、相変わらず黒田の戦闘力が人間離れしているのですが……未来科学研究所はストロングスーツを回収して、黒田に着せるべきだったのかもしれません。
 幼稚園児1クラス同行、という難しい画ながら、守るべき存在を常に視界に収めつつ、なるべくスピード感を殺さないようにした演出には目配りがあり、黒田&サヤカと共に園児たちが落石をどかそうとする姿で“戦う”姿勢を見せたのも、良いアクセントになりました。
 デスダークの激しい追撃により絶体絶命に追い込まれる黒田だが、ゴーグルシーザーが戦闘機部隊を撃墜すると仲間たちが合流。そのままだと変身できなくて困るので、レッドルビー光線により黒田の負傷は回復し、なんか凄いぞレッドルビー光線!
 過去にゴーグルシャワーの例があるので神聖魔法の所持に一定の説得力はあるのですが、あまりのザックリぶりに仰天しました(笑)
 園児たちがシーザーに逃げ込むと、仕切り直しで戦え大戦隊となり、黒とサソリモズーの一騎打ちからゴーグルクラブ、そしてゴールデンスピアー!
 ……「スピアー」「スピアー」の大合唱が無い分、いつもよりほんのちょっと短い!!
 サソリモズーが金色の槍に貫かれてサソリコングが出撃すると、今回は大盤振る舞いのデスダーク航空戦力はシーザーミサイルで撃墜され、サソリコングのチェーンアームもシーザーミサイルが粉砕し、大竜巻から電子銀河斬り。
 怪人としては、逃避行シチュエーションを生むのが目的であって、これといって特殊能力の発揮しようが無かったのは、残念なところでありました。
 思いがけない暗黒サバイバル大爆破遠足をくぐり抜けて生還した園児たちには笑顔と平和が戻り、園児たちと楽しく遊ぶゴーグルVで、つづく。
 アクションの熱量はあったし、園児たちの使い方も悪くなく、一人クレジットのゲスト(サヤカ先生)をフォーカスしすぎて筋が歪むような事も無かったのですが、足し算が上手く掛け算にならず、もう一つ距離が伸びない、といった印象。
 突き詰めていくとそれは、今作における「『ゴーグルV』とは何か」「どうすれば『ゴーグルV』になるのか、の方法論」の不足といえそうですが(あまり良くない意味での「『ゴーグルV』らしい組み立て」は存在するのですが……)、そろそろ本当にクライマックスを盛り上げる仕掛けが欲しいデスダーク、今からでも遅くないので、総統タブーはハリボテで、全てを裏で操っていたH博士登場! とかでも。