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救急戦士に夏休みはいらない

救急戦隊ゴーゴーファイブ』感想・第24話

◆第24話「ちびっ子救急戦士」◆ (監督:長石多可男 脚本:山口亮太
 夏だ! 海だ! リゾートだ!
 俺達の夏休みは……夏休みは……逃げ水のようなもの……生者必滅締切厳守……青空に残された私の心は夏模様……るるるー。
 「大魔女の寵愛を受けるのは、この私だ!」
 ドロップの繭が妖しく輝き、敵愾心を燃やすディーナスが母上降臨を前に地球を聖地とする戦功をあげようと動き出す中、巽一家はモンドのコネにより海辺のリゾートホテルで浮き世の憂さを忘れる夏のバカンス…………ではなく、そのホテルで行われるグランドクロス対策会議の警備要員として駆り出され、現地に着くまで、一切の説明をしていないモンド、計算尽くの鬼上司なのか、単なるコミュニケーション不足なのか判断し辛いですが、個人的には後者のような気がします(笑)
 プールサイドに悠然と水着で現れたディーナスを追ったナガレらはインプスの待ち伏せを受け、マトイのガードしていた会議室はサイマ獣ザイレンの襲撃を受け、ザイレンの放つ音波魔法を受けた会議の参加者たちと巽兄弟は、揃って幼い子供にされてしまう!
 「身も心も子供に戻ってはさしものゴーゴーファイブも無力。死んでもわらうわよ」
 唯一残ったマツリが着装して孤軍奮闘すると、ディナースの剣をVメランで受け止めて反撃し、Vメランを細かく活用してくれたのは、良かったポイント。
 桃の窮地にマトイがジャケットを投げつけて攪乱すると、桃と巽ブラザーズは逃走し、巽兄弟のユニフォームといえるオレンジジャケットを巽キッズに着せておく事で、“子供化した兄弟”をわかりやすく示す記号になると共に、サイズの合わないジャケットを着て歩く少年たちの可愛げを生む効果を出しているのは、衣装の上手い使い方でした。
 「みんな、飛び込むぞ」
 子供ながらも土壇場で思い切りのいいマトイの先導で一同は海ダイブして追っ手を撒き、小さい頃から長男坊のマトイと、泣き虫ダイモンの両サイドを起点にして子供時代の巽兄弟の在り方を描くと共に、いつもは最年少のマツリが、一時的に最年長となって兄弟を守る立場となる逆転の構図は、面白い状況設定と5人の掘り下げになりました。
 「俺たち力を合わせれば、どんなピンチも乗り越えられる。信じ合うのが――」
 「信じ合うのが、家族です」
 記憶と精神が少年期まで戻ってしまい、目の前の女性をマツリだと認識できずに不在のマツリを心配する4兄弟は、“母の言葉”を唱和するマツリの姿に驚き、不在の母親を象徴するこの言葉を、兄弟の心の支えであり家族を繋ぐ拠り所として繰り返し印象づけているのは、今作の非常に手堅いところ。
 モンドを含む会議キッズを人質に取ったディーナスはマツリを呼び出すと、顔に傷を付けられた恨みを晴らそうとチェーンデスマッチを開始。
 1クール目中盤からジルフィーザ編に突入した事もあり、割と押し出しの弱くなっていたディーナスがたっぷりとサディスティックに描かれている間に、マツリを救いだそうとする4兄弟は、地球の子供なら当たり前! の《投石》スキルと《挑発》スキルを組み合わせると、まんまとおびき寄せた見張りのインプスを巽家伝来のロープ術によるブービートラップで海底に葬り去り、良い子は絶対真似しちゃダメ!
 解放した学者キッズの中にマツリの姿が無かった事に困惑する4人は、海岸線でディーナスと戦い続けるマツリの姿を目撃。
 「いつまで逃げられるかな?」
 「あなたには、絶対負けない!」
 「なにぃ?」
 「今の私は、甘えん坊の末っ子じゃない!」
 その姿に、あのピンクの女性こそ妹のマツリである気付いた背後の兄たちから声援を受けたマツリは、ディーナスの斬撃を利用してチェーンから解放されると、一蹴り入れて着装に成功。
 形勢不利となったディーナスがザイレンを呼び出すと、人質キッズの中でただ一人だけ、冷静というかマイペースにサイマ獣の分析をしていた子供モンドがその弱点を伝え、乾長官の台詞で言及されているだけだった“神童・モンド”が具体的に描写されると同時に、それと気付かないままでも“家族の共闘”に収束されるのは、前回と打って変わって美しい組み立て。
 ザイレンの魔力器官である耳がゴーピンクによって破壊されると、こども光線を浴びていた者たちは元の姿に戻り、記憶が不明瞭で状況はよく把握できていないけれど、人の命は地球の未来!
 Vモードを発動すると光の正拳突き、そしてファミリーフォーメーションでVモードピンクが投げつけられ、信じ合うのが家族 投げつけられば力。
 「どう? これがあたし達、兄妹の力よ!」
 トドメのビッグVバスターが炸裂し、ひとまず、必殺武器としての立場は安定してきました。
 忘れかけていたゴレムカードが出てきて(そういえば、カードの模様が違う気がする伏線もあり)、ゴレムザイレンが生み出されると、人魚モチーフから半魚人モチーフの全く違う姿に変わるのは豪華仕様で、ゴレムなのでとグランドライナーの出番も確保されるが、もはや安定して通用しなくなっているグランドファイヤーが夏の幻になりかけると、マックスライナーが召喚され、ダイビングキック。
 「お待たせいたしました、ライナーボーイ、只今到着!」
 じゃあ、おまえの仕事は鉄砲玉な、と末っ子のライナーボーイはさっそく投げつけられ……た途端に撃墜されて意識不明に陥ったジルフィーザ戦のトラウマが心配されましたが、見事に克服すると連続キックをサイマ獣に浴びせ、戦いに不都合なメモリーは再起動に際して消去されましたロボットだからマシンだからダダダ!
 倒れたサイマ獣はグランドストームの砲火を浴びて藻屑と化し、一仕事終えてホテルのプールに繰り出したゴーゴーファイブは束の間の夏期休暇を楽しむが、緊急警報緊急警報。
 俺達の夏休みは一瞬だ! と会議室へ駆けつけた5人に告げられたのは、巨大マイナスエネルギー体の急加速であり、地球到着まで――あと10日。
 「すなわち、グランドクロス完成の日だ」
 地球に迫る大魔女グランディーヌの姿が映像で捉えられると、ヘビを思わせる光彩も不気味な笑顔がディスプレイ全面に浮かび上がり、大魔女様、顔怖い、でつづく。
 前回は怪談で今回は海、といかにも夏休みを思わせるエピソードがジルフィーザ退場後の緩として効果的なインターミッションとなり、一度緊張感を緩めたところから、次回、苛烈なる死闘の幕が再び上がる――! のは、盛り上がる流れ。
 予告内容が過積載で目移りしますが、
 ・モンド、ドスを握る
 ・MVロボ、早くもピンチ?!
 ・大魔女様、超顔怖い
 辺りが特に気になります。