『大戦隊ゴーグルファイブ』感想・第40話
◆第40話「秘密基地が危ない」◆ (監督:東条昭平 脚本:曽田博久)
冒頭、珍しくゴーグルサロンでの楽しいひとときが描かれる一方、学校帰りに世界的コンピューター学者・オオイズミ博士を訪れていたコンボーイ・タツヤは、博士と共にデスダークに追われており、池から飛び出したセイウチモズーにより冷凍保存されてしまう!
緊急通報を受けアカギランドを飛び出していく5人、というこれまた珍しいカットが描かれて遊園地を背にサブタイトルが入る趣向となり、現場へ駆けつけたゴーグルVはデスダークと一当たり。
デスギラーが久々に《ここは俺に任せて先に行け》を発動すると嵐のように剣を振るい、その間に運搬されていく博士と少年。冷凍ガスを前にゴーグルVの個人武器も次々と凍ってしまうと、ブルーとイエローもまとめて冷凍され……なんか、真っ正面から戦っても勝てそうだぞ(笑)
セイウチブリザードを浴びた赤黒桃が怯んでいる内にデスダークは博士の拉致に成功し、基地に戻って青黄の解凍作業に、これまた珍しく白衣の中年男性が登場して、秘密基地に焦点を当てるエピソードという事で、未来科学研究所のディテールが普段より書き込まれます。
青黄の解凍作業が進められる一方、デスダークの狙いは冷凍催眠状態に置いた博士に記憶抽出装置をかけて優れた知識と情報を盗み取る事だったが……それに巻き込まれたタツヤ少年の記憶を例しに抽出してみたところ、不思議な言葉に触れるデスギラー。
「コンピューターボーイズ&ガールズ……?」
かくして4クール目にして、ゴーグルVをサポートするコンボガの存在を知ったデスダークは、またまたまた珍しく、タツヤを連れ去った冷凍トラックを自発的に探し歩いていたコンボガ4人を狙うが、冷凍危機一髪のところに赤黒桃が駆けつけて撤収。
もはや博士そっちのけ(この後、最後までそっちのけ)でタツヤからゴーグルVの情報を引き出そうとするデスダークは、無意識にも秘密を守ろうとするタツヤに対して間接的な質問で下校してからの足取りを追っていき、その企みを読んでシスター・マゼンダを尾行する赤黒桃。
オモチャ屋に顔を出したかと思えば団子屋で道草を食い、マップにマーカーで赤線を引きながら、赤間らからの「ここ……なに……?」という疑問に「あー、それはですね……ハイ、いやマジであいつがすみません……」と気まずそうな表情になるコンボーイが、今回のハイライト(笑)
散々、振り回された末にとうとうアカギランドに迫るデスダークだったが、かくなる上は実力行使でストップ・ザ・バトル寸前、冷凍催眠を維持するための極低温施設がアジトなのでは、と閃くと、ゴーグルシーザーによる広域調査からゴーグルブレイクで逆カチコミを仕掛け、ヒーローとして赤間の思いつきになりましたが、コンボガの存在を強調する(出番も多い)回としては、コンボガの側で思いついた方が趣旨に沿っていたのでは、とちょっと勿体なく感じたところ。
赤が少年とおまけの博士を救出すると、解凍に成功した青黄も加わってゴーグルV反撃の勢揃いから……どういうわけか場所も流れも全く合わない、港湾部で苦戦を繰り返すカメレオンモズー回の集団戦が流用され、戦闘員を全く蹴散らさないまま、セイウチモズーとの戦いに移行する謎編集。
この時代、過去の戦闘シーン再利用や、攻撃に怪人のリアクションだけ挟み込んだ切り貼りは珍しくないですが、それにしても、だいぶ不可思議な編集となりました(なにしろ、普段あまり気にしない私が、明らかな違和感に引っかかるレベル)。
セイウチモズーの冷気攻撃に苦戦するゴーグルVだが、倉庫の中で回転しながら飛び上がるとゴーグル大車輪でブリザードを跳ね返し、
「ゴールデン・スピアー!」「スピアー!」「スピアー!」「ゴールデン」「「「「スピアー!」」」」
ゴールデンスピアー先生に清き一票を!
「「「「「殺った! ゴールデンスピアー!!」」」」」
……はまあ、今回は無かったのですが、セイウチコングが出撃し、ゴーグルロボを襲うデスダーク戦闘機をシーザーミサイルが撃墜すると、ゴーグルサンダーから今日も一人で地球剣電子銀河斬りにより、セイウチモズーは両断されるのであった。
定番の「秘密基地を探せ」が、もののついでに瓢箪から駒の形でデスダークに転がり込むと、今作では珍しい街中での追跡行などはひねりが効いて面白かったのですが、一時離脱していた青黄の見せ場が後半にあるわけでもなく、コンボガへのスポットは散発的に終わる、といった辺りは今日の目線からはどうにも物足りずに惜しいところでありました。
次回――スーパージャイアンツ?!