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救急戦隊ゴー・ゴー・シックス!?

救急戦隊ゴーゴーファイブ』感想・第21話

◆第21話「6番目の新戦士!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希
 「ろくにんめのせんしっ?!」
 マトイの声が机がひっくり返そうな勢いで裏返り、モンドが密かに速瀬を追加戦士にしようとしている疑惑が巽家を揺るがす中、災魔家では、ジルフィーザが降格の危機に瀕していた。
 (やはり……既に天の星は動き、竜の時代を迎えんとしているのか)
 眠り続けるドロップに視線を向けたジルフィーザが歩み寄ると共に全身が影に隠れ、紅い瞳だけが闇の中に浮かび上がるのが心理描写として大変格好良く、思わずその手に短刀を握りしめる崖っぷちの冥王。
 (……ドロップなどに……)
 骨肉の刃傷沙汰はピエールが顔を見せた事で回避されると、上半期営業目標達成に焦るジルフィーザがグールとジーンをせっついてゴーゴーファイブ抹殺を命じる一方、巽兄弟は追加戦士を巡る疑心暗鬼に揺れており、またも言葉足らずの極道親父……というにはどうにも一方的な早合点で、メンバーを追加しようとするのは現状戦力とチームワークを信用されていないのでは?? と拗ね始める兄妹に、グールとジーンから届く挑戦状。
 あいつらをぶちのめして俺たちの力を証明してやる! と意気込むゴーゴーファイブは挑戦状に応えるも今回も劣勢に追い込まれるが、黄桃が囮となってジーンを引き離すと、取り出し方が格好良くなったVランサーを用い、集団死んだフリ戦法からのVの字落としでグールを撃破。
 自ら地上に出てきたジルフィーザはグールを再生巨大化したのに続き、遊び半分でゲームを気取るジーンを後ろからグッサリ刺殺してこちらも再生巨大化し、シチュエーションは違うもスパイダー災魔と被ってしまいましたが、ジルフィーザのなりふりかまっていられない状況は強調されます。
 「ゴーゴーファイブにトドメを刺すのだ!」
 箱物ロボにしては苦戦の目立つグランドライナーだが、速瀬と基地でなにやら作業を続けていたモンドは、この危機に新兵器の投入を決断。
 「マックスライナー、出場!」
 ベイエリアに追加ドックが浮上すると、発進した新幹線顔のマシンが途中からシャトルに変形して飛行する、今作らしく市街地を背景に組み込んだ大がかりな出撃シーンから、グランドライナーを援護した後、自力で宇宙まで飛び出す派手な演出にナレーションが入り――、
 ナレーション「太陽光をエネルギーパネルに集めた時、ロボットモードに、変形するのだ」!
 「ランナーからシャトル! そしてロボへ! 自律型ロボット、ライナーボーイだよ、よろしく!」
 大気圏突入変形から軽い身のこなしでグランドライナーの背に乗ったのは、パイロット不要で動き回る3段変形の新型ロボ。
 6人目の戦士はロボットの弟だ、と文字通りの隠し子が増員され、一方的な誤解の解けた兄妹は、テンション急上昇。
 「ゴーゴーファイブに、6人目など、必要ない」
 モンドはモンドで5人への信頼を明言し、今回はどうも、追加戦士に怯える5人のふてくされ方が強引になりましたが、親子の間とはいえ(だからこそ)口にしないと伝わらない事もあるとモンドが学び実践する場面があったという点では、物語にとって大きな転機とはいえるかもしれません。
 ……素直すぎて、グランドクロスの訪れとともに退場しないかちょっぴり不安になってきますが。
 タイタンボーイ・テトラボーイタックルボーイ……と、ボーイ系の系譜に従い、縦横無尽の高速機動で巨大ジーンを圧倒するライナーボーイは、俺達の弟になったからには、いついかなる時でも自らが命を救う砲弾になる覚悟を持て! と巽家の通過儀礼としてグランドライナーに放り投げられると、ブラスターシュートでジーンを撃破。
 追加ロボ初登場の高い下駄により、やたら強い飛び道具でグールの足を止めると、怒りの拳が灼熱の嵐を呼び、グールもグランドストームで消し飛ぶのであった。
 「父さん、新しい兄弟をありがとう」
 ゴーゴーファイブの結束と戦力が一段と強まり、虎の子の三魔闘士を失ったジルフィーザだが、意外やその表情は、余裕に満ちていた。
 「これで勝ったと思うなよ、ゴーゴーファイブ。フ、これからが本当の戦いだ。ふふふふふふふ……ははははははははは!」
 教科書に載せたいぐらい完璧な遠吠えタイムで高笑いするジルフィーザの手中には謎めいた3つの宝石が握られており、ネガポジ反転の不気味な顔アップで、つづく(今回は通して、敵を怖く見せよう、という画作りが徹底されていたのは良かったところ)。
 次回――またも深刻な予告で、じ、ジルフィーザーーー?!
 これは予想外の展開で、ジルフィーザの運命や如何に?! どう考えても新合体が待ち受けているけど、せめて前後編にはしてもらえるのかッ?!