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夏休みじごくのキャンプ

仮面ライダースーパー1』感想・第37話

◆第37話「巨腕コマ怪人! 灯台の死闘!!」◆ (監督:山田稔 脚本:伊上勝
 来たぜ行川アイランド!!
 というわけで早速フラミンゴをはじめとして動物の姿からポリネシアンショーに突入し、プールもあるぞ行川アイランド!!
 「こら! 遊びに来たのと、ちゃうぞ!」
 ……え、なにしに、来たの……?
 「合宿訓練よ」
 「ばっちりしごいてあげるからね!」
 観光は二の次で地獄のライダーブートキャンプが宣言され……ハルミとマサコは、どうしてここまで、ライダー隊の活動に前のめりなのか。
 谷も一也も現地に居ないだけに、謎ばかりが募ります。
 その頃、地方支部のライダー隊隊員が東京から来た本家の一行を出迎えに行こうとする途中で、海岸でスーパー1@黄色いマフラーとドグマファイターが戦っているのを目撃するのが、なかなかひねった入り。
 戦闘員を蹴散らすスーパー1@なにやら駆動音がおかしいだが、地中から姿を見せた怪人コマサンダーは冷熱ハンドに全く動じず、右手のハンマーを振り降ろすと、スーパー1の頭部が砕けてもげる、ショッキング映像。
 「スーパー1が……」
 「死んじゃった……」
 「逃げろ!」
 「ご覧の通りだ、鬼火司令!」
 「はははははは!!」
 実は海の戦士だったのか、無駄に派手な爆発と共に鬼火司令が姿を見せると、“黄色いマフラーは偽物の証“でオチが付き、「逃げろ!」と言っていた割には一連のやりとりを全て見ていた二次団体・勝浦組の2人が本家に連絡を入れ……スーパー1を死んだと思い込んだ勝浦組の二人から行川アイランドのハルミ達に情報が伝わり、スーパー1敗北の情報が錯綜して一騒動、みたいな事にはならずにちょっと残念。
 個人的には、後からのんびりバイクでやってきた一也が現地の状況を知り、(あれ……俺、なんか死んだ事になってる……?)と困惑する姿を見たかったです(笑)
 二次団体の構成員から報告が入ると、谷とチョロが会員番号をチェックするくだりが入り、かつての少年ライダー隊よろしく着々とスパイネットワークを拡大していくジュニア・ライダー隊から連絡を受けた一也は、バイクで勝浦へと急行。
 ハルミとマサコも本家の兵隊を集めて回り、観光中の隊員をピックアップする形で、行川アイランド各所の映像を挟み込む、実にスムーズなタイアップ(笑)
 一方、コマサンダーの性能を確認した鬼火司令は、岬の灯台を占拠。それを目撃した勝浦コンビが消されそうになると、悲鳴をあげてスーパー1に助けを求めてみろ、と煽る怪人はなかなか面白く、ご期待通りに姿を見せるスーパー1!
 「コマサンダーに会ったのが運の尽きだ!」
 「どうかな? 運の尽きはコマサンダー! おまえではないのか!」
 逃げる少年たちは本家構成員の投石に救われるが、スーパー1はコマサンダーのコマと関係ないハンマー攻撃に苦戦。……実は神話怪人が融合されており、サンダーだけにトールハンマーなのかもしれませんが、ダブルキックも跳ね返されると、連続コマ爆雷を受けて海の藻屑に……?!
 と完敗を喫し、いつの間にか「スーパー3」に改名されていそうな芸風を身につけつつあった。
 「スーパー1はくたばったぞ! ぬふははははは」
 何故か現場にのんびり戻ってきたハルミらは鬼火司令に拘束され、大喜びの鬼火司令がホームルームに顔を出したところに悪魔先生がやってきて、起立・礼・着席。
 ジンドグマの目的は、占拠した灯台より石油タンカーをコマ爆雷で撃沈する東京湾火の海作戦と明らかになり、灯台には大量の爆雷が運び込まれていた。
 なんと、1人首から1個、の贅沢な割り当てで処刑されそうになっていたライダー隊(仮に一斉に起爆していた場合、火の海作戦どころではない騒ぎになってしまうのでは……)はファイターに変装した谷とチョロによって救出され、折角の遠征回で谷とチョロはモーターショップに座っているだけはあんまりにしても、ここで救出に現れるのも随分と唐突なのですが、ライダー隊の規模が拡大していくごとに、何者かの手によって催眠学習で谷の中に仕込まれた、立花藤兵衛のスキルがアンロックされていく仕組みなのかもしれません。
 今の調子で順調にいけば、4クール目の終盤あたりには、谷が一也に特訓を付けられるようになる筈。
 いずれ殺気を感知してレーザー光線を回避できるようになれば、概ね完成です。
 つまり、立花藤兵衛も永遠なのだ!!
 一也もまたファイターに成り代わっており、大変楽しそうな笑顔を浮かべ、手にした爆雷で怪人を脅迫する辺りには、どこかの先輩たちの悪影響を感じます。
 良くも悪くも伊上脚本が増えると、客演要素が無くても、先輩たちの気配が漂ってくるなと……(本当に良くも悪くも)。
 ライダー隊が逃げる時間を稼いだ一也は、生身のまま戦闘員を次々と蹴散らすと、タンカー爆破を狙うコマサンダーを止めるべく、変身スーパー1。
 いつの間にやらハンマーを無くしていた怪人がコマドリルでスーパー1に迫ると、火炎放射も冷凍ガスも無効化するが、ボディプレスに失敗してひっくり返ったところをジャイアントスイングされると月面キックの餌食となり、ジンドグマ自慢の偽スーパー1を倒して大威張りの図には不安しか無かったものの、意外や口だけではなく本当に強い怪人だったので、倒し方にもう一工夫あれば、というのが惜しまれます。
 「負けた……」
 最後は妙に潔かったコマサンダーは、いつもより3割増しぐらいの爆発で弾け飛び、なんだか妙に、景気良く爆発するエピソードでありました。
 「みんなの力が、ジンドグマの作戦を破ったんだ」
 スーパー1は会心のヒーロー仕草をキめて仮面の下で感動に打ち震え、予定に戻ったライダー隊が合宿を再開する一方、鬼火司令の遠吠えタイムに他の3人が乱入して、今日も楽しいジンドグマ。
 恐らく、慰労会か何かでキャスト一同が行川アイランドまで来ていたので、折角だからみんな出してみた感が漂いますが、和気藹々としたジンドグマ四天王のやり取り(口では悪口を浴びせているものの、どうにも気心の知れた関係のじゃれ合い感)に約1分使われたまま終わるのはさすがに回避され、プールサイドで一同ポリネシアンショーの見学から、そういえば去年は鬼と河童に襲われたな……と感慨にふける谷らがプールに突き落とされて、つづく。
 後半戦、ほぼ2話に1回ペースの伊上脚本による今回も老舗の定食メニューでしたが、演出の派手さもあり、間延びしなかったのは良かったところ。
 一つ気になったのは、冒頭で破壊された偽スーパー1が大事そうに灯台に運び込まれる場面が描かれるも特に活用されなかった事ですが、本物vs偽物を交えるのはくどいのでやめた、などあったのでしょうか。
 恐らくメガール将軍の研究資料を引き継いだものと思われますが、最終盤、偽スーパー1軍団が一也を囲むも、今回もレーダーハンドを重視していなかったが為に敗北する未来が見えるような見えないような。
 次回――今度は冷蔵庫が吸い込むぞ!
 ……予告された怪人の名称からすると、土筆脚本でしょうか(笑)