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夏休みしょうぎ大会

大戦隊ゴーグルファイブ』感想・第29話

◆第29話「眠りの街の恐怖」◆ (監督:東条昭平 脚本:松本功
 平和な家庭をいきなり襲うハエモズー(ほぼそのままの巨大化で、凄く嫌)!
 「ハエモズー、眠りガス!」
 デスダークは、市内全域にガスをばらまいて人々を昏睡状態に陥れると、実質無人と化したガソリンスタンドや銀行を襲って次々と現金をかっぱらい……ジンドグマみたいになっていた風評被害)。
 この成功に気をよくしたデスダークが次に狙うのは東京都民一千万、デストピアからシーン変わると遭遇の成り行きさえスキップされて、いきなりの集団戦でハエモズーとゴーグルVの一当たりが描かれ、粘着弾を顔面に受けてのたうち回るゴーグルVがハエモズーを取り逃す、いつもの。
 コンボガの激励を受けてハエモズー捜索に闘志を燃やすゴーグルVから、伝書鳩を訓練中の少年コンビへと話が急に飛ぶと、少年コンビは山奥でマゼンダ一行を目撃し、近くの廃工場では、眠りガスの量産が急ピッチで進められていた。
 好奇心から工場を覗いた少年コンビがデスダークに見つかって逃げ出す一方、黒田と桃園は川縁で少年コンビを待つ少女と出会い、場面転換の度に新たな人物が登場し、あっちへこっちへ話の筋が飛んでやたらと落ち着かない作り。
 「マズルカ! 子供たちに手出しは許さん!」
 伝書鳩に託されたメッセージから少年たちの危急を知った黒田が山奥に駆けつけると、風を切る将棋手裏剣をゴング代わりに黒田アクション祭に突入するが、ハエモズーの落石攻撃から少年コンビをかばった黒田はブレスレットを破壊され、通信&返信不能の大ピンチに陥って……なんだかこう、思いついたものを端から詰め込んでいるような展開(笑)
 少年コンビから秘密工場の場所を聞いた黒田はデスダークの目論見を知ると、ガスを運搬しようとするトラックの荷台に飛び乗り、運転席を強襲。
 走行中のトラックの上で戦闘員と激しい肉弾戦を繰り広げ、気がつけば夏休みアクション祭パート2。
 ハエモズーとの取っ組み合いの末、眠りガスを受けて吹き飛ばされ敢えなく落下……かと思われた黒田が咄嗟に空中でロープを放つのは大変格好良く、鉄橋にぶら下がって川落ちを免れた黒田は、デスギラーの念入りな目視もかわしてみせ、これが赤間だったら、デスギラーに見つかって川に落とされるところでした。
 ロープの反動を使って復帰した黒田は、将棋拳法・香車走りの術でトラックに先回り。
 「どうした? どうやら変身ができんようだな」
 「俺にはゴーグルも武器もなにもない。だがこの体がある! 全身を武器に戦い、必ず食い止めてやる!」
 啖呵を切って戦い始める姿は格好いい、格好いいのですが、一人だけなんか路線違い感が凄い(笑)
 将棋拳法を駆使して大暴れする黒田は、銃を奪うと眠りガスをドッカン大爆破。怒りのデスギラーとハエモズーの猛攻を受けるとたっぷりと斜面を転がり落ちてピンチをサービスするが、仲間達が駆けつけ新品のブレスを受け取ると、ゴーーーグルブラック!
 5色の爆発からの戦え大戦隊で完全に黒田官平アワーとなりましたが、赤青黄の生身がほとんど出てこないあたり、スケジュール調整の関係などあったのかもしれません(『バトルフィーバー』『デンジマン』でも、JAC所属の大葉健二だけ他の役者より出しやすそう、みたいな回がちらほらあり)。
 眠りガス一辺倒かと思いきや、フラッシュ爆発や空中に浮き上がっての複数の蹴り技など、意外と多芸なハエモズーに苦戦するゴーグルファイブは、ゴーグル殺虫剤で撃墜から、ビクトリーフラッシュ。
 ハエコングはこれまた滑空キックでゴーグルロボを苦しめ、先日のテラノモズーよりも飛行アクションが多彩なのがご愛敬ですが、今度はハエ叩きで撃墜されると、銀河斬りで真っ二つにされるのであった。
 デスダークの眠りガス大量生産は失敗に終わり、眠りに落ちた街は元の活気を取り戻し(まあ、相当額の金品が強盗されましたが……)、少年達はハトを空に放ち……え、なんか、命の恩人への礼として野生に返す、みたいな扱いになっていますが、伝書鳩ってそういうものなのですか?!
 小一時間後には家の飼育箱に戻っていそうな気がしないでもないですが、ラストシーンだけ赤間たちも出そろって、河川敷で5人が青春ダッシュを決めて、つづく。 
 前半は、あっちにこっちに視点と題材が飛び回りすぎてどうなる事かと思いましたが、中盤以降は黒田の生身アクションにフォーカスが一定して落ち着き、とにかくスピード感とアクションで引っ張り倒す、同期の『宇宙刑事ギャバン』みたいな一本。
 やっている事は3話前とほぼ一緒でしたが、黒田生身アクション回としては充分に満足のいく出来でした。
 次回――観光タイアップコスプレ回で、これはまたバード星人の仕業(持て余したマジックアイテムの不法投棄案件)なのか……?