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一ヶ月ぶりの『ゴジュウジャー』(あらすじ付き)

『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』感想・第7話

◆第7話「心ときめけ! 結集、ゴジュウジャー!」◆ (監督:加藤弘之 脚本:井上亜樹子)

-これまでのあらすじ-

 むかしむかしあるところに、いっぴきおおかみをきどる、とおのほゆるというせいねんがいました。
 にしにいってはくびになり、ひがしにいってはくびになり、かみぱっくでそだてている、かいわれだいこんだけがいのちづなです。
 あるひのこと、ほゆるはまちで、きんいろにかがやく、おおきなおおきなきょじんとであいました。
 「おまえのねがいをいえ」
 ……!
 これは、こうみょうにあんしょうばんごうをききだそうとする、あらてのとくしゅさぎにちがいありません。
 だけどだいじょうぶ。
 ほゆるはいっぴきおおかみなので、ぎんこうこうざなどもっていません。
 とられてこまるこじんじょうほうもないほゆるは、けいやくをむすんでゆびわのせんしとなると、のーわんとたたかうことになりました。
 みのまわりにうさんくさいれんちゅうもふえましたが、なにより、まいぞうきんをさがしたりやさいをそだてるのにべんりです。
 ほゆるはいいました。
 「おおやさんおおやさん、わたしはこれからゆびわをてに、なんばーわんになりたいとおもいます」
 おおやさんはいいました。
 「あんた、それよりやちんはらいなさいよ」
 ぐうのねもでません。
 しゃかいのせつり!
 ざんこくなげんじつ!
 かねがなければゆめをみてはいけないというのか!
 おもいのたけをぶつけたえっくすは、「はたらけ」「はたらけ」「まずはたらけ」のりぷらいであふれかえり、だいえんじょう。
 ねっとでびゅーにしっぱいしたほゆるのまえに、ももたろうがあらわれていいました。
 「ほゆるくん、ほゆるくん、もしわたしとおままごとをしてくれたら、このはくまいをあげましょう」
 なんたるくつじょく!
 けれど、はくまいのゆうわくにはさからえません。
 ひとのなさけがみにしみて、ほゆるはじぶんがこどものころかみかくしにあって、じゅうねんほどいせかいにいたことをうちあけました。
 ももたろうはいいました。
 「どっかんだいふんか!」
 ふたりのあいだにはゆうじょうがうまれ、ももたろうは果たして、政界に復帰して銃刀法を改正することができるのか? 人間界にノーワンを放ち、指輪を集めようとするブライダンの目的は何か? 一匹狼・元アイドル・狂信者・偽装高校生・ラグジュ(以下略)……最後に指輪を集めるのはいったい誰なのか? そして黄金の巨人テガソードの正体は??
 てんやわんやが積み重なる中、テガソード黒が弾け飛びそうになるのだが……。

 「あれが……ゴジュウジャーか」
 再生ケーキング&クイーンは、突如現れた謎の巨大ロボ・大獣神に両断されると、巨大化を解除して逃走。「ユニバース大戦」なる名称に触れられ、姿を見せた新たなる指輪の戦士は遠野らの姿を確認すると、巨大ロボと共に背を向けて去っていく……。
 それから数日、探偵のお仕事中の角乃に陸王が絡む一方、テガソード神殿を訪れたのは、その指輪の戦士――大学で戦隊考古学を教えている関西弁で赤毛の男・往歳巡。
 「君たちはスーパー戦隊として、まるでなってない! 俺が鍛え直したる」
 …………とても、面倒くさそうな人だった。
 「かつて、テガソードが終わらせたとされる神話・ユニバース大戦、そしてその鍵となる存在・スーパー戦隊
 戦隊考古学の見地から、過去シリーズが『ゴジュウジャー』の作品世界に取り込まれると、「金のテガソードを持つ五つの獣」として伝えられるゴジュウジャーの特殊性について言及され、吠・竜儀・禽次郎は、巡の持つ指輪を餌にオムライス対決に挑む事に。
 一方、陸王と角乃は、ときめきノーワンとときめき対決の真っ最中で……かたやときめき小芝居、かたやオムライス作りが延々と繰り広げられ、さすがにそろそろ、スタッフの“こういう事を大まじめにやってしまう自分たちに酔っている感”が制限速度を超えて鼻について参りました。
 ……まあ、近年における“《スーパー戦隊》でこういう事をやる”がどうも内向けの思考を感じるのに対して、確固たる意志を持って“《スーパー戦隊》をこういうものにする”のならば、(趣味に合うか合わないかは別に)それはそれでありますが。
 ただ、前作『ブンブンジャー』が、シリーズ初参加の脚本家を複数呼んではみたものの、その脚本陣が(だけの責任ではないとはいえ)凄く「閉じた世界」で話を作ってクオリティを激しく落とした印象なので、シリーズ全体の指向性に対して、個人的信頼感が極めて低下しているというのはあります。
 その辺りを抜きにしても、3人バラバラにオムライスを作っているところに大家の息子が口を挟んで、協力してチームワークだ! は積み重ねが足りなすぎて全く面白くありませんでしたし(ここに内在するメタ要素に関しては、特撮ヒーロー物でしばしば繰り返される要素でありますが)。
 一方、ときめき対決には陸王が勝利し、対決の中で「根も葉もない噂を流されてアイドル業界を追放された」と、どこかのマンガ家みたいな過去が明かされるのですが、傍証の無い「本人談」なので鵜呑みにはまだしづらいところ。
 陸王、今のところ特に好感はありませんが、基本常に“張り付けたような笑みを浮かべている”のは、役者さんが芝居を頑張っているな、と思います。
 あと対決の最中、ときめくヒロイン役を押しつけられた角乃がずっと、(こいつらを殴り飛ばして帰りたい……)顔をしていたのは、今回の数少ない良かったところ。
 ナンバーワン対決がいつものように暴力の巷に飲み込まれようとしたところでオムライス組が合流すると、指輪をちらつかせた巡の要望により5人は「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」を名乗り……恐らく、“この次の段階”を既に準備してはいるのでしょうが、第7話まで来て、メンバーが一通り揃ったところで内部から自発的に辿り着くわけでなく、実質メタ知識の持ち主による外部からのお仕着せでチームを名乗るのは、大変がっかり。
 「これぞ古文書に記されし、伝説の戦隊名乗り! 最高やぁ!!」
 一応、伝承の再現、という形で劇中における理由は付けましたが、メタ視点丸出しの台詞も辛く、名乗り自体も劇的な場面で格好良くやるわけでさえなく、雑な流れから照れたり合わせきれなかったりで描くのも好みから遠く外れてしまい……ええまあ、なんというか、私の苦手なパターンに直撃してきました、ハイ。
 ……まあここから、“やらされる”のではなく“やる”にシフトしてくる可能性はありそうですが、それにしても、前段階を捏ね回しすぎだと思いますし。
 ブライ団を蹴散らすゴジュウジャーだが、勝利の喜びも束の間、背後からの凶弾にティラノレンジャー・巡が倒れ、頭にピストルつけた銀色の戦士が姿を見せて、つづく。
 次回――新にして急展開?! どうも、上げて、下げて、また上げるのが本命、といった雰囲気ですが、今回が全く肌に合わなかったので、挽回の目が見える事を期待。

 ちなみに冒頭の与太あらすじは、今回のエピソードを見る前に準備運動として書き始めたのですが、概ね、


 ももたろうはいいました。
 「どっかんだいふんか!」

 が書きたかっただけです、ハイ。