『大戦隊ゴーグルファイブ』感想・第24話
◆第24話「見えない敵を倒せ」◆ (監督:東条昭平 脚本:松本功)
闇夜に浮かぶ怪しい影!
誰だ!
怪盗カメレオンモズーだ!
そろそろ資金繰りが怪しくなってきたのか、デスダークは銀行や美術館から金塊や美術品を盗み出して一稼ぎしていたが、暗躍を続けるカメレオンモズーの姿が、たまたま一葉の写真に写ってしまう。
「姿なき怪盗の正体はデスダークの一味だったんだ!」
カメレオンモズーは証拠隠滅の為に写真少年を襲撃するがゴーグルファイブに妨げられ、まあそんな気はしていたのですが、ごくあっさりと、ゴーグルアイに見破られる保護色機能。
この時点でなんだかもう、少年のカメラが怪盗の正体を暴き出した! が半ば以上にどうでもよくなってしまうと、デスダークはカメレオンモズーの用いている保護色エキスを、写真少年とその友人2人に投与。
強い光を浴びると肌の色が任意に変わってしまう体質となった少年3人を脅迫し、悪事の片棒を担がせると共に謎の怪盗カメレオンの身代わりに仕立て上げようとするのですが、手伝いにしても身代わりにしても無理がありすぎる上に話の軸がぶつ切れになってしまい、転がる端から中身が転がり落ちていく、悪い時の《昭和ライダー》みたいな行き当たりばったりの展開が続きます。
せめてゲスト少年を一人に絞っていれば、「写真を巡る騒動」を軸に、心境や人間関係の掘り下げなど、もう少しスッキリしたのではと思うのですが、「撮影した少年」と「被写体の2人」の合計3人をゲスト被害者としたのも、余計な混雑を招く事に。
「あの金塊を奪ってしまえ! 世界の金を一手に制して、世界経済を混乱させてやるのだ」
「我がデスダークの偉大なる力を、全世界の者どもに見せつけてやるチャンスです」
上層部は上層部で、これは資金難ではない、偉大で深遠で高度に政治的な作戦なのだ! 断じて資金難ではない! と理論武装しながら南米より送られてくる金塊の強奪を目論むが、コンボガライダー隊からの連絡によりデスダークの動きを察知したゴーグルVに阻まれ、子供たちの状態異常はゴーグルシャーワー(大体デンジシャワーそのまま)で雑に回復。
カメレオン能力を持った透明戦闘員とのバトルも、前半に同様の趣向で戦っていたのでクライマックスバトルとしての盛り上がりに著しく欠け、やたらにゴーグルVが苦戦して尺が長いばかりで冴えない戦闘になってしまいました。
「ええい何をしておる!」
「ええいカメレオンコング出動!」
今回は椅子に座った元帥が怒りを見せると将軍が横から画面に入ってきてコングを出撃させる、東条監督こだわりの一幕の後、保護色隠れを用いてゴーグルロボを苦しめるカメレオンコングであったが、ゴーグルフラッシュを浴び、チェーンで動きを封じられたところを銀河斬りで一刀両断されるのであった。
第21-22話は、メインの曽田脚本でやや持ち直し加減となりましたが、前回-今回は、サブライターで“いつもの”に戻ってしまい、なかなか上昇気流に乗れないまま、そろそろ、本物の夏が来そう。