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夏のさっくり『ゴーグルV』

大戦隊ゴーグルファイブ』感想・第23話

◆第23話「シャボン玉大作戦」◆ (監督:服部和史 脚本:酒井あきよし)
 見所は、ビル壁にVの字で並ぶゴーグルV。
 屋上に立つ桃と黄はともかく、非常階段の“外側”に張り付いてポーズを取り台詞も喋る赤黒青がなんだか凄い事になっています。
 新川浄水場に出現したカニモズーがブクブクシャボンで水源を汚染する事により街は水不足で大騒ぎとなり、その光景を見てほくそ笑むデスダーク首脳陣。
 「人間どもにとって、水は何より大切なもの」
 ……え、いや、あなた方、「人間」ですよね……?
 劇中ここまで出ている情報だと、デスダークに所属する暗黒科学者も普通の人間だと思われるのですが(むしろ、普通の人間の中に居るからこそ“悪”の意味がある系)、どういうわけか自分たちは「人間ではない」みたいな物言いをしており、ゴーグルVが時に公務員戦隊のような扱いで話が進む事があるのと同じく、デスダーク側もちょくちょく宇宙や異世界からの侵略者めいた物言いが手癖でそのまま通っている感じがあるのは、引っかかるところ。
 ……まあ、背後の総統タブーは「捕まった宇宙人」みたいな見た目なので、デスダーク上層部は地球に暗黒科学を伝えた宇宙人、という可能性もゼロではないですが。
 「ぬわははは! 面白い! やれ!」
 そしてその総統は、なんだかいつもと違うテンションの笑い声をあげており、声も微妙に違うような気がして気になります。
 カニモズーと一戦交えるも逃げられたゴーグルVは、未だかつて無かった名指しによるレッドの指示を受けてブルーがその後を追い、先日のいきなり敬語で通信に続き、このまま、隊内におけるブルーのヒエラルキーが下がっていくのでしょうか(笑)
 カニモズーを見失った青山は、父親が浄水場の責任者である事からイジメを受けている少年を助けて無事にスポットが当たりましたが、少年と特別な繋がりも生まれなければキャラの個性の掘り下げにもならず、ただゲスト少年とメインで絡む役回りにしかならなかったのは残念。
 「俺は元アイスホッケー選手として、氷、すなわち水の質には人一倍こだわりがあるんだぜ」ぐらい、言ってくれても、良かっ…………た……?
 強化改造を受けたカニモズーが、腹部からメカカニをばらまき、デスダークのシャボン玉バイオテロが更に拡大していく一幕を挟み、ダムを汚染しようとするカニモズーからブルーが少年の父を助けると、一同駆けつけ、戦え、大戦隊!
 青がダブルリング技を初披露する一方、黄はすっかりメイスを振り回し、シャボン玉攻撃に苦しむゴーグルファイブは、ゴーグルリングをVの字に並べる返し技で形勢逆転すると、ゴーグルビクトリーフラッシュ。
 「えぇぇぇい、カニコングしゅつどぉ!」
 本日も気合いの入ったポーズでデスギラーがカニコングを出撃させて結びの一番となり、立ち合いにシャボン攻撃からの突っ張りを受けるゴーグルロボだが、ゴーグルフラッシュで反撃すると一気の銀河斬りであっさり寄り切り、合体バンクの方が長い巨大戦でありました。
 「僕たちも自然と平和の為に戦っているけど、お父さんのように自分の街を愛する人々が増える事を、心から願ってるんですよ。それがこの地球を救う事なんだぜ」
 一人一人の小さな愛が、世界を救う大きな力となるのだ、と最後はやたら綺麗にまとめて、つづく。
 キャラ描写が薄味傾向の今作においても、特に不憫枠になりつつあった青山メインで話が進んだのは良かったですが、これといった青山の掘り下げには繋がらず……青山はもう、実は大富豪、ぐらい生やしてもいいのではないでしょうか。