※配信の入れ替えタイミングを勘違いして、『ゴーゴーファイブ』第3-4話を見逃しました。後々、補完するかもしれませんが、ひとまず第5話から。
『救急戦隊ゴーゴーファイブ』感想・第5話
◆第5話「ヒーローになる時」◆ (監督:長石多可男 脚本:武上純希)
「いつまで奴らに邪魔立てされるのか!」
第5話にして早くもストレスが美容に悪くなっていた災魔一族では、
「兄上! これを見てくれ。大地震を起こし、あのダムを破壊すれば、ゴーゴーファイブが居る首都を、洗い流せる」
数々の悪の組織が挑戦を繰り返してきた、極めて古典的な作戦に辿り着いていた。
……なお近年、悪の組織のダム破壊作戦を目にすると、「壊したダムを逆再生で元通りに修復する出鱈目なヒーロー」をセットで思い出しがちなのは、イナズマンの責任です。
チェストーーー!!
超力目つぶし招来はさておいて、コボルダが地の属性のサイマ獣(兄妹それぞれの属性で色分けされている模様)クエイクロスを呼び、その活動が始まっているとはまだ知らぬ巽家では、朝食の席で新聞を広げてオヤジくさい……と批難を浴びるもどこ吹く風のマトイ兄さんが、黒鷲山で起きた2件の行方不明事件を気にしていた。
「ん……匂うな」
「な、調べてみる価値あるだろ?」
「いや、薔薇の香りだ」
初メイン回と思われた第3話を見逃してしまった為に確証が持てませんが、風貌や第1話の言動から、恐らくこの戦隊のクール系参謀枠を希望している(……頑張れ)と思われるナガレが地固めに励み、恐らく持ち歌ネタで薔薇の花束を手に食卓に立っていたのは、巽モンド。
第2話に登場したスペースシャトルのパイロット・速瀬京子の来訪を心待ちにしてめかし込んでいる色ボケ親父は無視して、朝食の途中で席を立ち、黒鷲山の調査に一人向かうマトイだが、いつの間にやら後部座席に潜んでいた速瀬京子のNASA式アームロックにより同行の許可を余儀なくされ……速瀬京子を演じるのは、当時抜群の人気だった(頃だと思う)声優の宮村優子さんですが、なまじアニメのアフレコ慣れしている為なのか、実写の当人にアニメ調のアフレコをしている、みたいな違和感がどうもあり、慣れるまで少し時間がかかりそう。
マトイ兄さんはマトイ兄さんで、如何にもまだアフレコ慣れしていない辺りも、印象に拍車を掛けます。
黒鷲山ではマトイの危惧通り地震サイマ獣が登山者を襲っており、冒頭の「4人の人間を木に変えるだけで充分」とは何かと思ったら、特定の星座生まれの人間を人柱に使った呪術を用いようとしていたのは敵組織の特色になって良かったところ。
山に入り込んだマトイと速瀬は、人柱として樹木化された父親に水をかける少年に気付くと事情を聞き出すが、最後の人柱にふさわしい魚座の女に速瀬がピタリ該当し、災魔一族を前にマトイは着装!
ちなみに<レスキューポリス>第1弾『特警ウインスペクター』(名作!)の変身コードが「着化!」なのですが、意識があったのかちょっと気になります(※「着装」は、実際の消防隊員が用いる言葉から来ていると思われるとの事)。
速瀬と少年を逃がすゴーレッドだが、ジャミングにより兄妹と連絡が取れずに孤軍奮闘を余儀なくされ、見事な崖&川落ち。
サイマ兵士に追われる速瀬は、少年を守りながら木ぎれ一本で怪物に立ち向かうアストロノーツ魂を見せ、第2話でギャーギャー喚いているだけだった印象がかなり悪かったので、少年を前に心身を鍛えている大人の面を見せてくれたのは良かったです。
とはいえ多勢に無勢、災魔一族に捕まってしまう速瀬だが、少年にメッセージを託して逃がす事には成功し、黒鷲ダム一帯のジャミングに気付いたベイエリアからは、ライナーが発進。
勇気を出し、懸命に山を下りていく少年はゴーゴーファイブとの合流に成功するとマトイと速瀬の危急を伝え、速瀬の樹木化は阻止する青緑黄桃だが、サイマ獣に苦戦していたところをターザンキックで救ったのは――崖下で少年に拾われたマトイ。
「貴様、死んだ筈だ!」
お婆ちゃんが言ってた。
崖から落ちたヒーローは、死体を確認するまで安心してはいけないってな!
「災魔一族の最後の一匹がこの世から消えるまで、俺は何度でも甦るんだ!」
見逃した2話の間に何かあったのか不安になる、前のめりな皆殺し&不死身宣言と共にマトイは再び着装し、5人のゴーゴーファイブが揃い踏み。
「人の命は地球の未来! 燃えるレスキュー魂!」
「「「「「救急戦隊!!!」」」」」
「ゴー! ゴー!」
「「「「「ファイブ!!!」」」」
「出場!」
さすがに前口上が短縮されていましたが、代わりに、赤が一人で連呼する「ゴー」がくどくなっていました(笑)
締めの「出場!」は、戦隊としてのモチーフが活かされていて、好き。
役者が揃ったところで主題歌インストバトルとなり、ロープで動きを封じたサイマ獣に連続射撃を浴びせると、ダメージによりジャミング解除。ライフバードを召喚してカラミティブレイカーが叩き込まれ……先端のドリルがメガレッドの個人武器そっくりで気になって仕方有りません。
ベイエリアの規模が規模なので、資金などの面でアイネット(電磁戦隊メガレンジャーの背後組織)と繋がっていても不自然ではありませんが(笑)
木っ葉微塵となった地震サイマ獣はピエールの遠隔再生カードで巨大な死霊として復活し、緊急合体……早々、思い切り地割れに落とされるビクトリーロボの一方、少年が地割れを跳び越えて速瀬と合流する姿が描かれると、Vロボはハシゴ脱出からVプロミネンスでさくっと成敗し、少年の見せ場に出番を持って行かれる巨大サイマ獣でありました。
クエイクロスが完全消滅すると、樹にされていた人々は元に戻り、平和の戻る黒鷲山。
父子が再会を果たすと、マトイ兄ちゃんと速瀬が少年の勇気を讃える美しい大団円で、つづく……かと思われたが、速瀬の押しかけゴーゴーファイブ宣言に、一同逃げだし、Mission Complete
…………マトイ兄さんがNASA式卍固めの餌食となり念書にサインを強要されるまで、あと3分。
次回――三男坊、家出。