『大戦隊ゴーグルファイブ』感想・第20話
◆第20話「死の花 毒サボテン」◆ (監督:山田稔 脚本:鷺山京子)
街中に突如としてにょきにょき生えてきた謎のサボテン。その花粉は、人々を溶かす恐るべき毒花粉だった!
「見たか! サボテンモズー、毒サボテンの威力」
冒頭から無惨な人死にが描かれる一方、飛び出してきた怪人がボール紙で作ったみたいなギターを抱えているのが気になりますが、テキーラ片手に東京メキシコ化計画を進めるデスダーク。
「見事な毒サボテンの森を、早く見たいものじゃあはははははは!」
未来科学研究所は、東京都内に増殖を続ける毒サボテンを駆除する為にサボテン研究家のテレサをミス・サボテンの名目で来日させ、恐らくこういった偽装工作や関係各所への根回しなど寝業のたぐいは、驚愕の隠居発言で表舞台から姿を隠した本郷博士が秘匿回線Hによって行っているものと思われるので(むしろ、そのぐらいの仕事はしていると思いたい)、つまり偽装のセンスは本郷博士のセンスです。
だが暗黒科学ネットワークはその動きを捉えており、来日早々にテレサがデスダークの襲撃を受けると、ゴーグルVはサボテンモズーと一当たり。
毒サボテンが一斉に開花するタイムリミットが迫る中、メキシコに単身赴任中の父親から幼い兄妹に送られてきたサボテンが毒サボテン駆除の切り札になり、兄妹への思いやりからそれに気付くテレサの株は上がるのですが、警護も付けずにテレサをさらわれてしまったり、ついでのようにスポットライトの端っこに照らされる桃園はさして活躍できなかったりと、ゲストへのフォーカスがゴーグルVの魅力上昇に繋がっていかないのが、物足りないところ。
テレサらの救出に向かったゴーグルVはギター銃・サボテン花粉・サボテンミサイル・ソンブレロカッター、と多彩な攻撃を繰り出すサボテンモズーに苦しめられるが、唐突にピンクが催眠光線を放つとダンサーコスプレで踊り出して隙を作り、ビクトリーフラッシュ!
前回に続いて序盤レベルで戦闘シーンが長いのですが、持て余した尺を更に潰す為の仮装タイム、といった唐突具合であり、前半にサボテンモズーがギターをかき鳴らしてダンス戦法で攻撃してくるくだりがあったので、どうせならサボテンがギターを鳴らしたところでそれを逆に利用して反撃する、ぐらいの工夫は欲しかったところです……そこで催眠光線だと、いつでもなんでも良いわけで。
いっそ、女性メンバー七変化回に理屈はいらない! で強行突破するわけでもなく、ゲストと桃園でスポットライトが分散してしまったのが(しかも大部分はゲスト)、非常に中途半端になってしまいました。
巨大戦では、巨大サボテンミサイルがゴーグルロボの装甲をあっさり貫き、軽い調子で赤青黄が殉職しかけるが、シーザーの支援ミサイルからゴーグルフラッシュで反撃すると、地球剣電子銀河斬りでバッサリ両断し、そこから特に逆転の面白みが出たりはしない、いつもの巨大戦でありました。
次回――魚が、化石……なんだか凄く覚えがあるのですが、マズルカが唐突に落盤の下敷きになったり、赤間が宇宙飛行士にスカウトされたり、後楽園球場が爆発してしまったりするのでしょうか?!