『大戦隊ゴーグルファイブ』感想・第16話
◆第16話「レッド! 危機一髪!」◆ (監督:服部和史 脚本:曽田博久)
「ヒトデはエネルギーを感じたら、空へも飛ぶ!」
「はぁ?」
あらゆるエネルギーを吸収し尽くすメカヒトデが海城市全域に放たれると、火力発電所の機能停止によって起こる大停電。
海城市に急行するゴーグルファイブだが、バイクやジープにヒトデが張り付くと動力が停止してしまい、そこに姿を見せたヒトデモズーと砂浜で一当たり。
ヒトデモズーには、リボンスパークもイナズマロープも通用せずにエネルギーを吸収反射され……どうして2回連続で、手元が繋がっている攻撃をしますか(笑)
ヒトデ軍団に張り付かれた5人は、スーツが機能停止に陥る危機にやむなくマシンを捨てての一時退却を余儀なくされ、デスマルク大元帥、デビュー戦でゴーグルファイブに圧勝の快挙。
「凄い! 電気は消え、工場も止まり、交通機関も止まり、まさにパニックだ。更に侵略を進めるヒトデ軍団。日本列島を制圧するのも夢ではない」
あっという間に腰巾着ポジションが板に付いた将軍、なんか生き生きとしています。
「さすがだな、デスマルク大元帥」
「2000年の長きにわたって、総統の睡眠教育を受けたお陰です」
大元帥は大元帥で即座に総統タブーを讃え、下が上を持ち上げる事で上役の株価を粉飾し、皆で幸せになろうとするシステムが急速にデスダークに構築されつつあった!
〔戦闘員 → マズルカ → デスギラー → デスマルク → タブー〕
麗しい社会の縮図です。
一方、今回から一同夏服となったゴーグルファイブは、空さえも封じられた海城市停止現象の影響により、貴重な輸血用血液の輸送が滞っている事を知ると、手術を待つ子供の為に、その輸送を請け負う事を決断。
「こうなったら、持って生まれたこの体だけが頼りだ」
……という台詞の割に場面変わると変身しているのですが、この辺り、変身後のスーツ姿=公のヒーローとしての制服、という『サンバルカン』文脈をまだ引きずっているのが感じられます。
「ゴーグルファイブだ!」「やったー!」「ゴーグルファイブなら、必ず、届けてくれる」
医療関係者や警官、車で立ち往生していたら人々から完全に“御存知公認ヒーロー”扱いを受けるゴーグルVは、血液を手に病院へ急ごうとするが、それさえもデスマルク大元帥の計画の内であった……!
実はデスマルクはこの血液輸送に合わせて、ヒトデモズーによる海城市停止作戦を発動。ゴーグルVが血液の輸送を請け負う事を見越し、あらゆるマシンを使えずに自力で走るしか無いゴーグルVを輸送ルート上で叩く、必勝の陣を準備していたのであった。
「恐ろしい。デスマルク大元帥とは、なんと恐ろしい人だ……」
今回もローカル情報にやたら精通した暗黒科学ネットワークをフル活用し、拡散の準備も万端、ゴーグルVが血液輸送中に壊滅したとなれば社会的にも影響大、とその後の人間社会の反応まで見越した二段構えの作戦に戦慄するデスギラーですが、街の有様を見る限りでは「電気は消え、工場も止まり、交通機関も止まり、まさにパニックだ。更に侵略を進めるヒトデ軍団。日本列島を制圧するのも夢ではない」路線を進めていた方が良かった気がしてなりません(笑)
……まあ、メカヒトデ軍団の持続性などに問題があり、元より本命に繋ぐ前提だったとも解釈はできますし、話の狙いとしては、大パニックの中でも小さな命を蔑ろにしないゴーグルV、のヒーロー性強調だったと思われますが、血液輸送にゴーグルファイブ5人ともがかかりきりになってしまうのは、さすがにバランスが悪くなってしまいました。
名実ともに行動隊長ポジションとなったデスギラーは作戦通りにゴーグルVを待ち伏せするが、大戦隊は偽物を手に散らばる事でデスダークを攪乱し……デスダークの目的は「血液輸送の妨害ではない」ので、これ幸いとゴーグルVを各個撃破してもいい筈なのに、どういうわけか「本物の発見」にこだわってしまい、ままあるといえばままありますが、デスマルク大元帥が視野の広い周到な策を打ち過ぎたせいで、実働の段階になって両陣営の迷走が続きます(笑)
デスギラー将軍が青とも黄とも一騎打ちして大忙しの中、本物を手にしていた赤間は、ミニヒトデがスーツのパワーに反応して追いかけてくると気付くと自ら変身を解除し、生身で動く理由を作りながら個人のメイン回に持ち込むのは、なんだかようやく、この後のシリーズへ繋がる“味”が出てきた感じ。
途中離脱した4人がヒトデ対策を練る一方、赤間の前にはデスダークの戦闘員が二重三重の包囲網を強いており、何かあると、とりあえずロープにぶら下がってみる癖のある赤間だが、今回も敵兵に見つかると銃撃を浴びて派手に川落ちし、もはや、ロープ=落下フラグになりつつあった。
タイムリミットが迫る中、起死回生の一手としてハングライダーを活用しようとする赤間だったがマズルカの奸計にはまって追い詰められると、デスギラーも再び立ちはだかり、爆発爆発また爆発。
いよいよ絶体絶命のその時、ゴーグルシーザーが現れると地上にミサイルを発射して赤間を助けて仲間たちが降り立ち、メカヒトデが空を飛んでくるからゴーグルシーザーで強行突破はできないが、4人を降ろしてオートコントロールで帰還するのはOK、というのはどうにも強引かつ台無しとなり、これなら、孤立した赤間が機転を利かせてハングライダーで包囲を突破した方が面白かった気はします。
ゴーグルスーツに群がってくるミニヒトデ軍団は、黒田のひらめいたエネルギー発振器によって退けると、炸裂するレッドルビー鞭から、Vフラッシュでヒトデモズーは焼却。
デスダークの恐るべき待ち伏せ作戦を突破したゴーグルVは無事に血液の輸送に成功し、道中のアクションシーンがやたら長いな……とは思ったのですが、ダブル博士リストラ後の新体制作りがまた出来ていないのか、巨大戦無しで、つづく。
デスが増えてその内デス間違いしそうなデスダークでは、デスギラー将軍が前線に出過ぎると立ち位置に対して格が下がりがち問題が、更なる上司の投入により相対的に将軍の格を下げる手法でアクロバットに解決され、デスギラーが現場指揮官ポジションに落ち着いたのは組織構造がスッキリ。
一方のゴーグルファイブについては個別のキャラへのスポット強めの作りは良い傾向だったのですが、道中のアクション以外の要素が、色々と大雑把なのが残念なエピソードでした。
次回――…………そ、そうか……河童……河童に目をつけてしまったか……(過去の幾つかのトンチキ河童回を思い出しながら)。