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さらっとスカイライダー

仮面ライダー(新)』感想・第51話

◆第51話「ネオショッカー 紅白死の大決戦」◆ (監督:山田稔 脚本:鷺山京子)
 見所は、
 「ベアベアベアベアベアベアー」と「ベアハハハハハハ」
 二種類のベア笑いを使い分ける怪人リングベア。
 草野球を楽しむ子供たちと、そこに出てくる面倒くさそうな野球アドバイスおじさんの和やかなやり取りで始まるが、その草野球おじさんこそネオショッカーの怪人・リングベアであり、おじさんに貰った紅白のハチマキを身につけた子供は、リングベアに操られるまま、互いに掴み合いの喧嘩を始めてしまう。
 運動会シーズンに合わせた……? みたいな作戦ですが、シベリアの森の奥から呼び寄せたリングベアのデザインはちょっと格好いい(笑)
 ……まあ普段、人里離れた場所でこの怪人が何をしているのかは非常に気になりますが、明らかに閑職に飛ばされた怪人を引っ張り出さなくてはならないほどネオショッカーが追い詰められている様相は窺えます。
 「魔神提督、実験は成功いたしました。すぐ作戦開始の、お指図を」
 「んー、だが儂は気に入らん」
 「な、なんと?!」
 「以前にも同じような作戦を行った事があるが、仮面ライダーには通用しなかったぞ」
 上司から今になって全否定を受けた熊は、提督の頭にハチマキを巻き付けると操ってみせ、
 「ベアベアベアベアベアベアー。全ては、このハチマキの力」
 「成る程、見直したぞ、リングベア」
 部下に屈辱的な仕打ちを受けても即処刑と言い出さずに見直す魔神提督、心が広い(笑)
 かくしてネオショッカーのハチマキ大作戦が始まると子供たちが次々とさらわれていき、スカイライダーは熊と一当たり。紅白の角が作戦と関連して面白くはあるが熊っぽさは削っているリングベアは、三日月型のリングブーメランとベアハッグ攻撃により熊っぽさをアピールすると、
 「今おまえを倒しては仲間の恨みが晴れぬ!」
 と余裕を見せて撤収。
 ネオショッカーでは、さらってきた子供達にインスタントな戦闘訓練を施すと、ハチマキ洗脳により筑波洋抹殺の尖兵とし、子供が相手では戦えない! が前回と丸被りになる大事故。
 似たような事例はままありますし、個々の脚本家ではなくプロデューサー方面の問題と思われますが、それにしても中心になる要素が完全に一緒なのは、見ていて意識が虚空を彷徨い加減になります。
 洒落で筑波洋を名乗った沼が袋だたきにあって殉職しかける一幕を挟み、洋はリングベアの待ち受ける地獄ヶ原へ。
 そこでは子供達が紅白に分かれて棒きれを叩きつけ合っている真っ最中で、それを止めようとする洋の姿がしばらくダラダラと描かれると、その牙は続けて洋へと向かう。
 「どうした筑波洋! 子供と戦えぃ!」
 (……俺は負けん。悪の力には負けんぞ!)
 赤ハチマキを巻かれてしまった洋が子供達と殺し合うように仕向けられるのは妙味があり、ネオショッカーの意趣返しとして性格が悪く面白かったですが、その操作に必死に耐える洋が執拗な袋叩きを受けると、あ、ハチマキが裂けた!!(笑)
 敗因:洗脳ハチマキの耐久テスト不足!!
 自由を取り戻した洋は(子供達の前では変身できない)の一線を守ると背後のブロック塀を飛び越え、バイクに乗ったスカイライダーとして登場。
 沼が袋にされた後、ハチマキを巻いている間の記憶が無い旨が語られているので、その場で変身しても問題無かった&テンポが良かったようには思えますが、子供達を飛び越えたスカイライダーは、旗振り役のリングベアの角をスカイキックで破壊して子供たちを解放。
 怪力を誇るリングベアのバックブリーカーで背骨を痛めつけられるが、地面を転がって反撃すると、ライダータイフーン脳天落としでの形勢逆転からスカイキックを打ち込み、島流し部署で共に辛酸に耐え励まし合ってきた関係性からか、駆け寄ってきた戦闘員と共に怪人が散る、大変珍しいパターンで爆死。
 ラストは、子供たちの草野球に混ざる洋が、面倒くさい野球おじさんの素質を垣間見せて、つづく。
 次回――突然出てくる洋の父と先輩たち!!