『仮面ライダーカブト』感想・第23話
(※サブタイトルは本編中に存在しない為、筆者が趣味で勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆23「迷宮のひより」◆ (監督:田村直己 脚本:米村正二)
「この間変なのに襲われたんだ。そしたら変なのが助けてくれた」
は、今作世界における一般人視点のワームとライダーへの認識として納得度が高かったです(笑)
ひよりから厳しいジャッジが下るしばらく前、田所のカシラの姿は、7年前の渋谷隕石落下跡の中でも、ZECTが厳重に警備体制を敷くエリアXの中にあった。
田所はその奥に封印された何かを三島に見せられて戦慄の表情を浮かべ……最近ちょっと、みっしーから嫌がらせを受けている疑惑もありますが、みっしーも面倒な上司の相手でストレスが溜まっており、今、二人の間に必要なのはきっと、酒。
「なぜ私を、エリアXに入れたんですか?」
「ガタックを得た事により、マスクドライダー計画は次の段階に入った」
「……次の段階?」
「そして多分――ワームもだ」
第1話から長らく、性質にしろ目的にしろ謎が多い、というより謎しかないワームの行動にそろそろ変化が見えるだろう、という物語の新展開を示す前振りとして格好いい言い回しとなり、それを裏付けるかのように、ひよりを襲撃するムカデっぽいワーム。
よく道ばたに忘れられがちなヒロイン力を発揮したひよりの危機を救ったのは、ヒロイックな光とBGMを背負って現れたガタックで、その頭上に輝くのは――真昼の月。
今の俺はキャンペーン中だぜ!
とガタックはライダーキックでムカデワームをあっさり撃破すると、物陰でひよりが見つめる中、さっさと飛び去っていくガタックゼクター。
「……よっしゃーーー!! 強いぜぇ、俺ぇ!! ……っっし、やっと俺の時代が来たな。いや、時代が俺に追いついたんだ」
……前回の格好良さはどこへ置いてきたのか、中身の方は相変わらず調子に乗りやすい気質全開ですが、高校球児の頃もこんな具合で浮き沈みが激しかったのかもしれません。
ひよりが加賀美の身につけるライダーベルトに厳しい視線を向けていた頃、みっしーは神代家に対してサソードとの契約打ち切りを一方的に通達し、打ち切る前に倒した分は払わないと駄目では? みたいな企業倫理はZECTには存在しません!
「この際、剣くんにも教えてあげるんだな」
金なら売るほどある、と踵を返す神代とは裏腹に、お代官様どうかご慈悲を……とじいやは三島に契約延長を訴え、神代家、やはり既に、経済的に破綻していました。
天道兄妹はラーメン屋台を訪れ、食べる前に香りから出汁の吟味を始める面倒くさすぎる客・天道総司だったが、一口すするや驚愕……なんと屋台の主は、小銭稼ぎに励むじいやだった!
「人類の宝に、こんな事をさせるわけにはいかない」
腰を痛めたじいやを気遣い、妹とひよりをアシスタントに天道がラーメンの道に入る一方、加賀美はガタックとしてワームを屠り……ガタックゼクターさんの離脱が早すぎて、正体を隠している暇がありません。
ガタック活動の帰りに偶然ラーメン天道に寄った加賀美は、屋台の片付けを手伝わされた際に、ライダーベルトについてひよりから追及を受けると下手な誤魔化しで亀裂を広げ、両親の墓に花を捧げるひよりは、天道と加賀美を信じたいが、7年前の記憶がそれを邪魔する心情を吐露。
――7年前、渋谷隕石の落下地点でひよりが見たものそれは、ベルトの少年による両親殺害であった。
海辺の墓地(風が物凄くて、白いドレスのひよりが大変そう)でひよりの事情を聞いた加賀美は、「ベルトだって、最近出来たものだ」と否定しようとするが、何故か出てきた時からベルトを持っていた奴が、身近に居た。
少女ひよりが7年前に目にした光景・天道の持つベルト・7年前の話になると露骨に話を逸らす天道、といった序盤からの布石が繋がり始める中、ひよりを含め、ムカデワームに襲われた人間が共通して持っていた緑の石は、渋谷隕石の一部だと判明する。
「この件は、我々の手には負えんかもしれん」
神代がラーメン屋における天道の行為を決闘の申し込みと誤解する一方、加賀美は再び狙われたひよりの前でガタック変身。
二刀の刃を内向きに合わせ、ハサミ状にして放つガタックチョッキンでワームを撃破し、二刀オリジナルのフィニッシュブローがあったのは良かったですが……だいぶ、思ってたのと違う方向性でした(笑)
ガタックの活躍が、ライダーキック・二刀流・バルカンで幼虫殲滅・ハサミフィニッシュ、と4パターンの攻撃でワームを片付ける大盤振る舞いで描かれる一方、天道は神代の思い込みによる割とどうでもいい決闘の相手をさせられており……結構、本格的にどうでもよくて困ります(笑)
じいやが物陰から双眼鏡で見守る中、決闘に完敗した坊ちゃまは乱心するとサソードに変身し、やむなくカブトも変身。
神代については「面倒な奴」で誤魔化していますが、サソードも出しておかなくては、と感情的な言いがかりから殴り合いに入る、典型的なライダーバトルの為のライダーバトルになってしまったのは、残念。
サソードが、ライダー忍法・チューブ伸ばしの術でカブトの動きを封じると、あ、頭の尻尾が動いた?!で、つづく。
……軟質パーツだったのか、それ。