東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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ギターケースと風切るメイク

仮面ライダーカブト』感想・第11話

(※サブタイトルは本編中に存在しない為、筆者が趣味で勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆11「メイクアップ! 1・2・3!」◆ (監督:田崎竜太 脚本:井上敏樹
 「女は花……せめてあと少し、花でいろ」
 都心のど真ん中ながら再開発の気配が見えずに封鎖されており、これまで謎だった渋谷隕石落下区域の内部は荒廃した世捨て人の領域になっている事が明らかになり、ワーム云々などの関係で封鎖していたところに勝手に人が入り込んでそのまま放置されている、といったところでしょうか(まあ、モデルはエリア51でしょうし、ZECTの本拠地とかはありそうですが)。
 そこに現れたハンチング帽の青年は、恐らくは何かの病気により瀕死の女性に美しい化粧を施すと、ニット帽の少女の手を引いて去って行き――予告の「合コン」からそんな予感はしていましたが、前作『響鬼』で後半の大手術を執刀した井上敏樹が参戦。
 天道邸では旬のタケノコづくしの朝食が振る舞われ、樹花に言われてタケノコを手にビストロを訪れた天道だが、そこでは、俺たち実質夕陽の河原で殴り合ってわかり合った「強敵」と書いて「とも」と読む仲だよな?! と、篤いを通り越して熱い友情の眼差しを向けてくる加賀美が待ち受けていた。
 「いいか。過去・現在・未来全ての時代において俺は最も完璧な人間だ。そんな俺と、おまえのような凡人との間で友情が成立すると思うのか」
 そんな加賀美に対し、天道は頑強にして執拗なまでに、友情、の存在を否定し、「過去・現在・未来全ての時代において俺は最も完璧な人間」は大日如来を念頭に置いた台詞だと思われますが、朝からフルスロットルだった。
 「俺はあんな奴の為にザビーを捨てたのか……」
 「……何があったか知らないけど、あいつはあいつなりに加賀美の事を考えてる。タケノコだって、ちゃんと3人分入ってる」
 ひよりのフォローに気を取り直す加賀美だが、戻ってきた天道はタケノコを一本回収すると、
 「加賀美……おまえは大事な事を忘れている」
 と思わせぶりな一言を残して残して去って行き……タケノコ片手に街を歩く天道の前には、変な効果音(今回、全体的に過剰SE路線)で岬が姿を見せる。
 一方、公園で寝っ転がっていたハンチング帽の青年とニット帽の少女は、強盗事件を目撃。人質にされたのが女性と知るや走り出した青年が、メイク道具を投げつけて強盗の逃走を阻止し、フェイシャルマッサージで強盗を沈め、人質の女性に美しいメイクを施してみせ……前回までだいぶ殺伐としていたので、新キャラ登場に合わせて一息入れる意図もあったのかもですが、
 ●キャラの背後に広がる花だったりイラストだったり書き文字だったりのマンガ的なイメージエフェクトの連発
 ●全体的に素っ頓狂な効果音
 ●万事に大袈裟すぎるリアクション
 と苦手項目がズラリと並び、今回単位では徹底しているとはいえますが、演出が終始きっつい。
 全体でこの方向性に突き進まれると辛いので勘弁してほしいのですが……新たなる二枚目・風間大介は、女性に優しくキザで紳士的な一方、歯の浮くような褒め言葉を最後まで言えずに助手の少女・ゴンに助け船を出される事を繰り返し、どこか奇妙な欠落を漂わせる男に。
 ……ギターケースを常備(中に化粧道具が満載されているのは面白いアイデアでした)していますし、なにか体内の不完全な回路に電流火花が足りていないのかもしれません。
 「要するに、一匹狼を気取りたいわけ」
 「そうじゃない。俺の器が大きすぎるんだ」
 岬さんから改めてスカウトを受けるも拒絶した天道は、割り込んできた風間と一悶着を起こすが、仕事が入って風間はゴンに引きずられていき……ZECTについては、入社を断ったら、「じゃあ死ね」とヒットマンを差し向けてくる組織に、またスカウトしてくる方が正気ではないと思います!!
 まあこの辺り、岬先輩については情報の分断が起こっているのかもですが……対ザビー戦でもそうでしたが、天道の反応の方が正気に見えるというのが、凄い組織だZECT。
 天道が家に帰ると、詫びの気持ちで家の掃除をしていた加賀美と一緒に、加賀美友人に代わって合コンに繰り出す事となり、屋形船で? やるの? 合コン?
 まだ日も沈まない内から? グラスで乾杯して? 舟盛り並べて?
 この状況設定そのものがギャグなのでしょうが、撮影の都合も含めた映像そのものがぶっ飛びすぎて、ある意味、今回の一番面白い場面でした。
 料理に一口箸を付けるや不満を抱いた天道は、厨房に乗り込んでいくと自ら天ぷらを揚げ始めて好評を得るが、そこに現れたのは何故か船に乗り込んでいた風間とゴン。
 「通りすがりの者ですよ。だが、あらゆる合コンに参加するのが、私の主義なんです」
 通りすがりの合コンマイスター風間大介はその場で女性陣を風間流奥義、アルティメット・メイクアップしていくが、船上のブルーシートがめくれると泡まみれで溶けかけた死体が転がっており、参加者の一人がワームへと変貌。
 天道はカブトに変身するが、実はワームはもう一体……どころか合コン相手は全てワームだったのは、面白いオチでした。
 カブトがワームと戦う中、現場にトンボのゼクターが飛来すると幼虫ワームを弾き飛ばしていき、それを目に留めたのは、風間大介
 「またあいつか……仕方ない」
 風間がグリップのようなものを突き出すとトンボゼクターがそこに止まって銃のようになるのは面白いアイデアで、風間は新たなるアーマードライダーへと変身。
 トンボの尻尾部分を思わせるチューブが口から伸びて胴体と繋がっているガスマスク顔(……というかヤゴだけにシュノーケル?)で、今回はちゃんと(ちゃんと?)あまり格好良くないアーマーモードでした(笑)
 それを目にした加賀美が衝撃を受ける中、謎の新ライダーが幼虫ワームに銃を向けて、つづく。
 サブライターとして井上敏樹が参戦し、ザビーに代わる新たなライダーが登場し、ここまで“天道総司を成立させる”事を中心に回っていた物語がそろそろ次のステップへ……といった気配の見えるエピソードでしたが、キャラがどうとか筋がどうとか以上に、演出が肌に合わずに消化が難しい内容でした。
 一応、加賀美に絡む真面目な要素も展開してはいるのですが……果たして、色々な意味で、ここからどう転がるのか。