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天之道を飛び、高く羽ばたく男

太陽戦隊サンバルカン』感想・第24話

◆第24話「浜名湖ネッシー」◆ (監督:平山公夫 脚本:上原正三
 OP映像が、第二バルカン基地と飛羽の紹介シーンに差し替えられるマイナーチェンジが施され、巨大ロボットになるわけでもなさそうな純然たる基地の可変ギミックがこれだけフォーカスされるのは、シリーズでもかなり珍しい印象。
 ……まあ勿論まだ、最終決戦が巨大ヘルサターン総統vs嵐山長官操るバルカンベースロボになる可能性はゼロではありませんが。
 ちんどん屋に扮した矢沢が、スナックサファリ、カレーが100円の広告を(勝手に)配り歩く一方、浜名湖では河童騒動が起こっており、河童は光線なんか吐かない!
 げふんげふん。
 すみません、よくある発作です。
 気を取り直しまして、新聞記事を見ながら、揃ってネッシー踊りを始める鮫・豹・美佐の姿が、何かの束縛から解き放たれたかのような振り切れぶりなのですが……あれ……もしかして大鷲……長官の居ないところでは物凄い強権でメンバーを押さえ付けていたりしたの……?
 嫌な疑惑が浮上する一方、自由な風を感じている3人と距離を取ってカウンターに腰掛けるニューリーダー飛羽は、とんでもない部署にトばされてしまったのではないか、と内心に生じる疑念から必死に目を逸らそうとしていた。
 「ひょっとしたら、ブラックマグマの機械生命体かもしれませんね」
 ……長官以外のメンバーから自発的にブラックマグマの関与を怪しむ発言が出たの、もしかすると第24話にして初では……!?
 いやまあ、流石に前半戦でも一回や二回ぐらいはあったかもですが……太陽戦隊の体制に新風を巻き起こす飛羽は河童騒動の調査の為に単身浜松へと出張すると、妙に気取った調子で喋る支配人から写真について聞き取り調査を行い、開始2分少々で、これまで今作に欠落していた要素が物凄い勢いで組み込まれていきます(笑)
 浜名湖を見つめる飛羽は、三角に開けたシャツの胸元から首飾り(恐らくドッグタグ)をチラチラとさせ……あざとい!
 二代名襲名早々に、あざとい……!!
 ボートを繰り出し湖上の人となった飛羽は、水中から飛び出したタガメモンガーの強襲を受け、ハードな船上バトルで対ブラックマグマのデビュー戦となると、諸共に浜名湖へと転落。
 いきなり水中での殴り合いから、地上ではガールズ率いる戦闘員部隊の銃撃に曝され、前半が前半だったので心配されましたが、まずは戦闘シーンで飛羽をフォーカスする、極めて順当な作り。
 苦境に立たされた飛羽は、そういえば変身できた事を思い出すと、バルイーグル!
 宙返りそして3方向から見せるカット割りで二代目襲名を印象づけると、バルカンスティックを刀へと変形させ、シリーズ史上初となる剣レッドがここに誕生。
 OPでは剣道シーンが描かれている新バルイーグルは、「秘剣・流れ十文字」の構えから次々と戦闘を切り裂き剣の使い手として先代と明確な差別化が図られ、レッド交代・基地爆破により心機一転、第2部開幕といえる今作ですが、二代目イーグル初陣の扱いは『ジャッカー電撃隊』におけるビッグワン登場に近い、シリーズ後年における追加戦士ポジションの作劇となり、別時空からやってきたヒーロー感さえ漂います(笑)
 そして、凄い勢いで太陽を背負いまくるので、お婆ちゃんの言葉を引用しそうに見えてなりません。
 「お婆ちゃんは言ってた。空には垣根も国境もない。自由な雲と風とがあるだけ、てな」
 太陽を背に羽ばたく二代目バルイーグルが必殺の一撃――飛羽返し(「牙返し」? 苗字入りだとなかなか凄いですが、飛羽新陰流とか家伝の技でしょうか)を放つと、周囲の戦闘員4体が同時に爆発する圧巻のデビュー戦となり、別に大鷲が嫌いだったわけではないのですが、就任早々にこれを見せられてしまうと、よろめかずにはいられません(笑)
 タガメ部隊が慌てて撤収するとイーグルは追跡に入り、このままでは番組名が変わってしまう……! とネッシー踊りしている場合ではなかった鮫島と豹も慌てて出撃。
 お馴染みの中田島砂丘を進むイーグルだが、突如として、和装の女性が少女を看病している場面に出くわし……BGMといい、転がっている日傘といい、この後爆発する人形といい、妙に小林監督風味(笑)
 和装の女性の正体は、殉職したゼロワンから変装路線を引き継いだ銀河無宿アマゾンキラーであり、スペース忍法・カラクリによりドール爆弾の罠にはまって大ダメージを負った飛羽は、必死の抵抗をするよりも虎穴に入らずんば虎児を得ず、と敢えて捕縛される事でブラックマグマの目的を探ろうとする、バルカン忍法・風見先輩の術を使用。
 太陽基地では嵐山長官が唐突に「我が嵐山家に代々伝わる古文書」を紐解くと、そこには奥浜名湖に沈められた約2兆円(現代換算)の財宝の存在が記されており、ブラックマグマの目的は!
 またも!
 組織の運営資金でした!!
 古文書の説明として、豊臣方vs徳川方の伝奇忍者アクションが挿入され、映像が暗くてわかりにくいですが、恐らく、嵐山親子が忍者役を演じている模様。
 ……なお、この後の展開には全く関わらないので、一種のサービスシーンみたいな扱い(笑)
 ブラックマグマは順調に湖底の千両箱の回収を進めてアマゾンキラーが有能さを見せつけ、敵の目的を掴む事には成功した飛羽だが、特に脱出の算段は立てていなかった。
 鮫と豹が浜名湖に到着すると既に戦闘服になっている仕様は前半戦から変わらず、増援の到着を知ったブラックマグマは、飛羽の処刑を執行。
 時限爆弾を乗せたモーターボートにくくりつけられた飛羽を助けようとシャークとパンサーもボートでこれを追い、70~80年代によくあった船上アクションとなり、毎度ながら画面の動きが目まぐるしいだけで見栄えはもう一つなのですが、サンバルカンがれっきとしたモーターボートなのに対して、それを妨害しようとするタガメ部隊がエンジンを積んだだけの小舟で挑みかかるのが、ちょっと面白かったです(笑)
 わざわざ妨害に出てきたのに、ボートぶつけられたらブラックマグマの方があっさり転覆して吹き飛びそう。
 「くたばってたまるか!」
 仲間達の救援も間に合わず、小島に衝突目前、実質的な活動初日に、ふつーーーに二階級特進の危機に陥る飛羽だが、火事場の馬鹿力で鎖を引きちぎると間一髪で脱出に成功し、ロケーションをそのままミニチュアにした結果、小島の神社近くにボートが直撃したのがちょっと気になります……。
 軍資金を入手した上、二代目バルイーグルの抹殺にも成功した筈、とジープに乗って撤収を図るブラックマグマだったが、その前に立ちはだかるバルシャークとバルパンサー。
 「ブラックマグマ!」
 「あれを見ろ!」
 青黄の示した先では、わざわざ改めてモーターボートに乗り込んだ飛羽が湖上を滑るように走っており、これはもう、神輿のノリ。
 「地獄の底から帰ってきたぜ!!」
 物凄い好待遇で爆殺回避から戦線復帰を果たした飛羽は、ドン・ドン・バルイーグル!
 新生サンバルカン初の揃い踏みとなり、イーグルの新ポーズ以外はバンクですが、この機会に最後の合成太陽バック映像(何度見てもいまいち……)は、新規に変えても良かったような。
 「輝け! 太陽戦隊!」
 「「「サン・バルカン!!!」」」
 二代目が「秘剣・流れ十文字」からの「飛羽返し」で次々と戦闘員を血祭りにあげていく一方、急速にお供化が進む青と黄タガメモンガーの変身攻撃に苦戦。
 イーグルダイビングで助けに入った赤は刀を構え、これまでバルカンスティック・バルカンボール・生身の打撃が主体だった世界に、急に抜き身のポン刀を持ったキャラが出てくると、殺意が際立ちます。
 一騎打ちでタガメの武器を破壊すると、太陽電撃剣(地面スパーク技)で弱らせた所に初めてのバルカンボールが突き刺さり、気合いの入った必殺バンク映像だった事もあり、ここは先代のアクションを踏襲。
 初めての「ジャガーバルカン、発進!」から、初めての合体グランドクロスに成功すると、タガメモンガーの薙刀攻撃を弾き、タガメビームを太陽スクリューで跳ね返したサンバルカンロボは、初めてのオーロラプラズマ返しで胴を薙ぎ、タガメモンガーを撃破するのであった。
 ラストは美佐も含めてボートで浜名湖に繰り出すと、「命を助け(ようとはしてくれ)る」イベントの達成により、ちょっぴり絆ゲージの上がった新生サンバルカンの姿で、つづく。
 二代目バルイーグルのデビュー戦ながら、夏の地方ロケ企画回みたいなサブタイトルが不安を誘いましたが、〔調査・生身バトル・変身・人助け・拘束・絶体絶命・脱出・クライマックスバトル〕のフルコースで一貫して飛羽にスポットを当て、UMA物から埋蔵金物への飛躍が特に面白くならないとか、脱出が文字通りの力技といったストーリーの雑な部分は惜しまれるものの、先代としっかり差別化した剣術アクションも効果的となり、新ヒーロー登場編として見応えのある一本で良かったです。
 後の『超力戦隊オーレンジャー』は、初期シリーズオマージュ要素が強い中でも、特に(『ゴレンジャー』は大前提として)『サンバルカン』への意識が強かった節が前半戦より窺えましたが、成る程、オーレッドの元ネタ(という言い方も変ですが)は二代目バルイーグルだったのか! と、30年越しに個人的納得を(笑)