『仮面ライダーカブト』感想・第7話
(※サブタイトルは本編中に存在しない為、筆者が趣味で勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆07「完全調和の刺客」◆ (監督:石田秀範 脚本:米村正二)
本日もZECT戦闘員は次々とワーム幼虫に薙ぎ倒され、撮影班の加賀美も拾ったマシンガンで戦うが通用せずに殉職の危機に陥ったその時、現場にバイクで突っ込んでくるとワームを……轢いた! のは、新たなるマスクドライダー。
「下がってろ」
バイクから降り立った新たなライダーは、銀と黄色のアーマーを身に纏っており、マスクのゴーグル部分がハニカム構造を模しつつ、恐らく全体でハチそのものの意匠になっているのが、かなり格好いい。
カブトはビートルモードを強く印象づける為にアーマーモードはギャップを意識してデザインしていたのかと思われますが、ことアーマーモードについてはカブトより格好いい印象の新ライダーは、早速キャストオフ。
アーマーパージで群がる幼虫ワームを弾き飛ばすと、前回ラストに顔見せ登場した、黒いボディに金色アーマーのハチの戦士の姿に変わり……これがまた、格好いい(恐らくはスタッフの目論み通りに、失われていく語彙(笑))。
「……本部直轄の精鋭部隊・シャドー。そしてあれは新たなるライダー、ザビー」
ハチの戦士――ザビーに続いて、金色ラインの戦闘員がワラワラと現れ……この発言からわかることは、田所さんの部隊は使い捨ての鉄砲玉の寄せ集めということです! なんか納得!!
組織としては色々と扱いが面倒くさそうな加賀美新が、名誉の殉職を遂げても事故です事故。
ザビーの指揮による統制の取れた連携でシャドーがワームの足を止めると、最後は脱皮前に全てのワームをザビーが撃破し、加賀美・感動。
第1話のひったくり事件における謎のキレ方を見た時は情緒不安定気味で心配しましたが、ここは予想通りすぎるリアクションを見せてくれて、面白かったです(笑)
変身を解除すると顔を見せたのは、田所とは旧知の仲であるエリート二枚目戦士・矢車想で、急浮上するゼクター面食い説。
「戦闘において最も重要な事、それはパーフェクト・ハーモニー、完全調和だ」
暴走機関車・加賀美新は、勇気は評価するがスタンドプレーはするな、とお叱りをうけるもその言葉に深い感銘を受け、矢車にキラキラした視線を向ける加賀美が、やたらめったら面白い(笑)
その頃、天の道を往く男は優雅にモーニングコーヒーを注ぎながら新聞を広げてニート生活を満喫しており、兄ちゃん、今度は小豆相場に手を出してみようかと思うんだ。
「ザビーをこんなに早く投入するとは。マスクドライダー計画になにか変更でも?」
「我々の計画に変更は無い」
「では……ザビーの目的は?」
「君も知っての通り、質問は受け付けない。……だがザビーには、重要な任務がある」
一方、田所のカシラは本家のインテリ眼鏡・三島とサシでやり取りできる立場と明らかになり、表向きの出来事の背後で何やら大きな計画が動いている事を匂わせておくメソッドを展開。
そんな思惑や互いの立場を知ってか知らずか、天道と矢車は一丁の豆腐をめぐって火花を散らしており、二人が至極真剣な一方、合間にやたら大きな高笑いを響かせる豆腐屋の店主が、パーフェクトくどい時の石田(面白い面白くないは人それぞれとして、耳にうるさい……)。
「そこまでいうなら勝負だ」
「……で、料理対決ってわけ? しかもうちの厨房使って?」
ビストロ店長の視線が冷たい中、ひよりを審判にした豆腐料理対決が始まる一方、カメラは教会で執り行われる結婚式へと移り、料理対決スタートのイントロかと思ったら結婚行進曲に繋がるBGMの使い方は面白かったです(笑)
ベールを上げると花嫁の顔は花婿そのもの、の悪夢的映像で教会がワームによる惨劇の場と変わる一方、美男子2人は、黙々と料理を作っていた。
「どっちかうちで働いてくれないかな?」
「……そしたら、加賀美は、クビだね」
そんな加賀美が田所組で事件の調査に励む中、ひよりの選んだ料理対決の勝者は……矢車想の麻婆豆腐!
「料理において最も大事なこと、それはパーフェクト・ハーモニー。完全調和だ」
敗北を喫した天道は、一口食べて勝者を讃えるのかと思いきや……
「……完全調和か。成る程な。それゆえ、素材の個性が引き立っていないなぁ」
潔くなかった。
「負け惜しみか?」
冒頭の戦闘に続いて料理でも並々ならぬ実力者である事を見せつけた矢車は、あくまでも紳士的に振る舞うと約束通り豆腐を半分ずつに分けようとするが、天道は一丁丸ごと持っていく事を促し……どちらにせよ部下に振る舞うには量が足りないように思うのですが、シャドー部隊では〔今週のMVP隊員〕に隊長の手料理と差し向かいでの夕食会の権利が与えられ士気向上に繋げられているに違いありません。
場合によってはふーふーしてもらえます!
出勤早々、豆腐を手に店を出て行く憧れのエリート先輩という得体の知れない光景を見せつけられた加賀美は、親切心もあって、危険を冒してワームに関わるなと天道に告げると、田所からの連絡を受けて店に無断でトンボ返りし、果たして加賀美のクビが2クール目まで繋がっているのか心配になってきました。
天道らが店を出た後で、ひよりの審査の決め手は「暖かい方が好き」だった事が明らかにされ、“総てを司る男”の看板にフォローが入るのですが、自分で選んだ審査員の心も掴めなかった天道の完敗でいいと思います!(笑)
サバ味噌に関しては、ひよりの後塵を拝している事を既に自ら認めているとはいえ、思いの外さっくりと天道の敗北を描いてきましたが、この辺り天道は、“天そのもの”であるよりも、不断の努力により“天であろうとしているもの”といったニュアンスは感じるところ(だいぶ個人的好みの解釈として)。
堂々無断欠勤した加賀美は、ワームの行動予測から岬と偽装結婚式を演じる事になるが、ワームの標的は花嫁花婿ではなく、もっとシンプルに“真っ白な服”であり、いちはやくそれに気付いていた天道は、自らを囮にして背後に迫るワームに回し蹴り。
「やっぱり……白い服を着た者だけを狙うとは、変わった趣味だ」
豆腐対決後のこの流れ、情報やキャラの行動があちらこちらでクロックアップしまくっていますが、良くも悪くも、物語に渋滞が起きそうになると、「天道格好いい!」でガードレールを突き破ってくるスタイル。
敢えて言えばエリマキトカゲっぽいけどワームのモチーフは虫系縛りらしいので多分違うワームは、紫とオレンジの毒々しい配色がなかなかのインパクトで……これは、虫系は虫系でも……ハエトリソウ?
カブトがワームとの戦いを始める一方、シャドーも別個体との交戦を開始し、矢車が劇中初の変身シーンを披露。アーマーザビーの見た目が好み直撃なのですが、キャストオフの際のマスクの割れ方とか最高にツボ。
二つの戦いが交互に描かれ、ワームの毒液を正確無比な銃撃で相殺するカブトに対し、ザビーはボクシングスタイルで回避、とアクションを差別化すると、クロックアップしたカブトが道路を飛び回りながら戦っている内に二体のワームが合流し、シャドー部隊と幼虫ワームも混じって大混戦。
「カブト、クロックアップでワームを一掃する」
「……いいだろう」
カブトとザビーは同時クロックアップで幼虫ワームをまとめて片付け、残るワームはザビーの左腕に装備されたハチゼクターから伸びる華麗なる一刺し・ライダースティングにより粉砕。
「我々は、人類の平和の為にワームと戦っている。君にも、行動を共にしてほしい」
「……それがおまえの言う完全調和か。言っただろ? 俺は天の道を往く」
カブトは伸ばされたザビーの握手をスルーすると天へと向けて指を伸ばし、天道総司が執拗に“天の道”にこだわるのは、天の道を外れた時、天命もまた失われるからではないか……と受け止めていますが、果たしてその天の道とZECTの道は重なるのかぶつかるのか、それとも平行線を辿るのか。
「やはり、君だったんだな、カブトの正体」
カブト=冷や奴の男、と認識したザビーは、逃げたもう一体を追うのが先決と口にするカブトに対し、組織に逆らうのならばと、シャドー部隊と共に毒針を向ける。
「なんの真似だ?」
「カブトを倒す……それが俺の使命だ」
カメラに背中を向けた両者が拳を交差させる格好いいカットで、つづく。
新ライダー登場から仮初めの共闘を挟んですかさず衝突! となりましたが、組織が言うから仕方ないよね、と責任を後方にスライドした上で、第5-6話を踏まえて、“組織の正義vs個人の信念”の構図に落としこむ事により、ヒーローが人間の敵そっちのけで相争う事に関して、一定の脱臭。
またここでも天道は、対ワームに関しては至極真っ当な立ち位置を示す事で好感度とヒーロー性に配慮が与えられており、次回――カブトvsザビー!?