『仮面ライダー(新)』感想・第31話
◆第31話「走れXライダー! 筑波洋よ死ぬな!!」◆ (監督:山田稔 脚本:江連卓)
「おまえ達には、罰として、この根性棒の制裁を与える!」
描写はコミカルなのですが、冒頭から進学塾におけるケツバットで幕を開ける昭和仕様で、タケシ、誰……?
一方、スカイライダーに連戦連敗し、そろそろ椅子が冷たくなってきた魔神提督は、大首領の怒りを静める為に魔神峠に大神殿を建設しようとしており……残り少ない日本支部の予算を、駄目な方向に使おうとしていた。
「大神殿を、何者にも破れぬ、堅固な大要塞にするのだ。そして、ネオショッカーの支持者を全てここに集め、日本制圧の、新たな作戦を始めるぞ」
だがそこは腐っても魔神提督、大神殿を日本支部の一大拠点とする一石二鳥の策を練っており、塾の鬼教師の正体は、大神殿建設に必要となる生贄の少年を選りすぐっていた、モンゴル平原の使者・トリカブトロンと判明。
……トリカブトだけに、頭が鳥。
ブランカガールズの一人ナオコの弟だったタケシは、落ちこぼれ仲間の3人と共に、文通相手の誘いで魔神峠に向かってしまい、その行方を追う洋は毒矢怪人を自称するトリカブトロンに奇襲を受け、先祖はモンゴル騎兵だったのか、普通に火矢を射かけてくるのは怪人としてはだいぶ珍しい攻撃パターン。
魔神峠に辿り着いたタケシらが地元の文通相手サブローの案内で峠へ向かう一方、それを追う洋を襲ったのは、物陰から連続で飛んでくる、薪!
「出てこい! 何者だ?!」
「……すまんすまん。悪かったな。ちょっと腕試ししただけだ」
誰?
……となったら面白かったのですが、
「神さん」
「腕を上げたな洋」
物陰から姿を見せた青年――誰あろうX先輩こと神敬介と洋は、いつの間にやら二人とも互いの素顔を知っているのみならず腕の上がり下がりを語る関係となっており……恐らく第28話と第29話の間に、魔神提督のリフレッシュ休暇中、洋の方が世界に飛び出して各地の名産品を手土産に先輩たちの間を巡り歩く語られざる1クールほどの戦い――《筑波洋世界漫遊編》――とかが存在していたのかと思われます。
「いやぁ、神さんやみんなのお陰ですよ」
そして、敬語になった(笑)
新章開幕して早々の客演は、とうとう過去ヒーロー本人出演となり、改めて、神敬介(速水亮)は声が格好いい。
……なお、一部で心配されていた頭髪はスッキリとしており、年月の経過によりマーキュリー回路の副反応が収まってきた模様です。
「何かあったのか?」
家出少年らの捜索中と返す、ややのんびりした洋(そういえば、セイリングジャンプ、は……)に対し、働き手の全て消えた村を調査しにきていた敬介は、魔神峠の近辺にネオショッカーのアジトがあるらしい事を伝え、二人は、馬に乗って走る怪人の姿を目撃。
それこそ、サハラ支部よりやってきた世界忍者、じゃなかった、改造人間・黄金ジャガー。
「待ちかねたぞ! ネオショッカー最強の戦士と謳われたお主なら、仮面ライダーなど、ただの一突きであろう」
その名の通り、黄金の鎧兜を身に纏った獣面漆黒の怪人が大神殿建造予定地に現れ、これまで、モチーフとなった生物の意匠を取りこみながらも人間の頭部を模し、内部の“人の目”を見せる事にこだわってきたネオショッカー怪人ですが、今回の二体は共にフルマスクとなり、魔神提督登場辺りから少しずつ変わってきてはいましたが、そろそろ怪人デザインも完全な路線変更がされそうでしょうか。
各話の敵としての“魅力”はともかく、人の形を意識させるシンプルさ故に“怪人”らしさを強く感じさせる、初期ネオショッカー怪人の路線は個人的には割と好きでした。今作自体がそうといえますが、この後のリブート的な作品でもシンプルデザインの怪人には定期的に回帰が試みられている印象ですし、“怪人”という存在の、一つの理想図ではあるのだろうな、と。
「て、提督、仮面ライダーなど、俺様一人で充分です」
「お主では到底無理だ!」
巨大なクチバシと赤い顔のモチーフが、どうしても変身忍者・嵐を思い出すトリカブトロンは黄金ジャガーに対抗心を燃やすが、一瞬の槍裁きで実力差を見せつけられ、降参。
父と姉を救う為にネオショッカーに協力していたサブロー少年が、合図の狼煙をあげるとタケシ達を捕まえるが、そこに洋が姿を見せる。
「貴様たちは人間の敵だ! 許せん!」
スピア戦闘員を蹴散らしていくスカイライダーだがタケシたちは連れ去られてしまい、更にそこへ、馬にまたがり山林の中を駆けてくる黄金ジャガーが現れるのは、強敵怪人にふさわしい強烈なインパクトとなりました(訓練された馬、凄い)。
黄金ジャガーはスカイライダーに一騎打ちを挑んで馬上から槍を繰り出し、それをしのぐライダーの姿を、背後から敬介が見ていた。
(一対一の決闘じゃ手を出すわけにいかんな)
真面目だった。
(……大丈夫だ。スカイライダーはもう昔のライダーじゃないんだ)
どうやら、先輩ライダー7名揃って、スカイライダーは俺が育てたと思っているようですが、背後で敬介が腕組みしながら弟子の活躍を見守る中、弓矢を構えたトリカブトロンがこっそりと忍び寄り、当人たちの思惑はともかく、ヒーローアクションの中で騎兵と弓兵が一つの場面に収まっているのは、なかなか面白い図。
スカイライダーと黄金ジャガーの戦いは、滝の上から吊り橋へと移り変わり、やや押され気味となっているスカイライダーは、形勢逆転を狙って放った飛び蹴りをかわされると吊り橋から落下寸前の危機に陥り…………危機に、陥って…………る……?
……た、多分、セイリングジャンプ装置のメンテナンスを本郷先輩か風見先輩に頼んだところ「ライダーなら、走れ!」と一喝されたスカイライダーは、もはや改名の危機に陥ると、背後から放たれたトリカブトロンの矢が肩に突き刺さり、急流へと転落。
「卑怯だぞ黄金ジャガー! 一対一の決闘じゃなかったのか!」
後方師匠ムーヴに徹していた敬介が飛び出して大変身すると、Xジャンプで滝壺へと身を躍らせて、つづく。
スカイライダーの危機で終わった関係でか予告洋の出番がなく、久々にナレーションさんが沢山喋るのですが、映像は何故か今回分の止め絵9割でお届けされ……何か、制作上の問題でも発生していたのでしょうか。
考えてみると、「走れXライダー! 筑波洋よ死ぬな!!」のサブタイトルを、消化しきっていない(笑)
タケシらがさらわれた事を把握していないので仕方が無いのですが、ゲスト一同が生命の危機に陥っている中、スカイライダーの戦いを後ろから観戦しているのもヒーローとしては間が抜けてしまいましたが、次回――「ありがとう神敬介! とどめは俺にまかせろ!!」。
なんかサブタイトルに殺されそうになっている敬介は生き残る事が出来るのか?!
それとも、やりきった笑顔を空に浮かべてしまうのか?!