東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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力の1号・技の2号・策の3号・カナダの4号

ワールドトリガー』(葦原大介)28巻、感想

 まだまだ続くぞ閉鎖環境試験!
 遂に表紙になった若村11番隊にスポットが当たり、長らくどんよりしていた若村、ヒュースの連続クリティカル攻撃により、更にどんよりするの巻(笑)
 ここから次巻、若村の奮起なるかが一つの焦点になりそうですが、試験後まで若村に焦点が合うのかはともかく、「チーム離脱(の可能性)」というカードを切ってきたのは面白く、「構築された人間関係の面白さ」→「それをシャッフルする面白さ」と来て、「その流動の可能性による変化や成長の提示」を那須隊・弓場隊を前振りに、ある種の馴れ合い感の強かった香取隊を使って描いてくるのは、相変わらず鮮やかな手並み。
 そして若村でやりたかったのはつまり『山月記』(中島敦)だったと明らかになりましたが、コミックスおまけページによると作者も思い入れが割とある分、ちょっと厳しめになっているという若村の扱い、葦原さんにも『山月記』の刺さった頃があったのでしょうか。
 カナダ時代の師匠を踏まえて発言に説得力を持たせつつ、「この選抜試験に臨むにあたって、チームメイトの今期の試合は全て見てきた」ヒュース、真面目だな……! で、ヒュースの好感度確保とキャラの補強を行っているのも、実に手堅い(B級試験の頃よりアピールはされているヒュースの“真面目さ”って、なかなか表現しにくい感じなので)。
 ……ところで以前からうっすら思ってはいたのですが、作者には、“男の濡れ(下ろした)髪”へのこだわりを感じてなりません。
 あと今回は、これまで以上に一風変わった試験内容において、あまり目立たなかったメンバーが活躍し、“環境の違いの中で生まれる成長”を描いているのが、この先への布石としても鮮やか。
 で、毎度ながら今作の恐ろしいところは、この先の大きな目玉として“大規模遠征”がある事が明示されており、迅のサイドエフェクトによると、どうやらその間に居残り組の方でも事件が起こる可能性が示唆されて、次の舞台に進んでからの期待感を大きく持たせたまま、閉鎖環境試験で延々と面白い事で、この先、本格的にA級が参加しての戦闘試験が待ち受けている、いわば前振りの前振りの状況なわけですが、どこまで面白さを積み上げてしまうのか。
 長期連載におけるモチベーションの確認として、ここでレプリカ先生を押さえ、それを“修の立場”に繋げていくのもさらっと上手かったなと。
 近いところで気になるのは、若村隊を中心にしつつ最低限のカメラは各隊に向けた中、1巻丸々出番の無かった古寺6番隊。
 成功するかしないかは別になにか逆転の策を練っていてもおかしくなさそうですが(ここに香取隊の三浦が居るのも面白い)、閉鎖試験入ってから絶好調の諏訪さんも、そろそろ足下を掬われそうなタイミングでもあるかなと(笑)