『太陽戦隊サンバルカン』感想・第17-18話
◆第17話「怪談! お化けの谷」◆ (監督:小林義明 脚本:曽田博久)
センゴク谷で発見されたヘドロガスを吸い、ヘドリアン女王は御満悦。
「見ていろ、再びこの世を、ヘドロガス渦巻く死の世界にしてやる! あはははははは!」
……この台詞だけ取り出すと、「かつて地球はヘドロガスの渦巻く死の世界であったが、デンジ姫とその忠実な臣下デンジマンによりヘドリアン女王が倒された事で、今の美しい世界になったのだ!」みたいな物語があったような気がしてこないでもないですが、今作世界ではそういう設定なのか、改造手術の不備その他によりヘドリアン女王の記憶が混濁しているかのどちらかであると思われます。
その頃、くしくも鮫島は後輩の特訓の為にセンゴク谷に向かっており、なぜ、鮫島を、山へ。
この時点で、キャラ回とエピソードの歯車が噛み合っていない感じが漂いますが、おまけに二人とも似たような身長に似たような髪型の為、少しカメラを離すと区別が付かず、撮っている側も気になったのか、後輩の方は道の途中で帽子を落として帽子の有無で区別がつくように。
ところがセンゴク谷は、ヘドロガス回収の為に人を近づけないよう、ブラックマグマがお化け騒動を引き起こしており……苦手な蛇に驚いた後輩は手榴弾を暴発させて消息不明となり、仮に無事だったとしても、今の内に除隊を勧めた方が良い人材なのではないか。
「ヘドリアン女王の夢は、ヘドロガス渦巻く死の世界を作る事にあった」
後輩を探す鮫島の報告を受けた嵐山長官は、完全に外れてもいないが完全に当たってもいない気がするヘドリアン女王の来歴を持ち出し、とりあえず『サンバルカン』なりにヘドリアン女王の立ち位置を改めてハッキリさせておこう、という意図は窺えます。
後輩の弟が兄を探しにセンゴク谷に入ってしまうと、ブラックマグマのお化けトラップに右往左往。少年を探しに山へ急行したサンバルカンもコスプレ妖怪軍団に囲まれ、やたらとダークQ扮するコスプレ妖怪軍団との戦闘シーンに尺が割かれるのですが、状況が掴めないまま生身で戦うならまだしも、既に戦闘服を着込んでいる『サンバルカン』作劇では、盛り上がりにくい対戦相手。
加えて、日中の山の中で山姥やろくろ首が直接襲撃してきても「怪談」にも「怪奇」にもなりにくく、「少年を脅かすパート」と「サンバルカンが戦うパート」の味付けが違いすぎて一つの料理にならず……これがクライマックスバトルなら、名乗り×主題歌をスイッチにして別の皿に移っても成立したのですが、まだ前半なので散らかるままになっていました。
あと、この前半、雰囲気を出そうとしたのでしょうがカット割りとカメラの動かし方がやけに忙しくて、ちょっと目が痛い。
サンバルカンは本邦初の逆回し太陽ジャンプで囲みを脱し、見所は、樹の幹を駆け上がってのバック宙で、人一人を飛び越えるバルパンサー。
山姥Qと戦っていたシャークは、ガスモンガーの不意打ちを受けて派手な崖落ちを見せ、サンバルカンを一時的に退けたブラックマグマが、少年を人質に確保しつつヘドロガスの運び出しを急ぐ一方、シャークは崖下で意識を取り戻し……崖落ちから意識回復したけど変身したままは、初めて見たかもしれません(笑)
目を覚ましたシャークは無事だった後輩とも再会すると、後輩が目撃していたブラックマグマのアジトに突入し、ガスの影響で白髪になっていた後輩が、山姥コスプレ返しで弟を救出。
蛇への恐怖を克服しての弟らを助けるくだりで、ゲストの「変化」と「兄弟の愛」を描く狙いはわかるものの、そもそも、「山で蛇に驚いて逃げ出した末に手榴弾を暴発させる」時点で無茶がありすぎる上に、「ガスモンガー」「お化け作戦の一貫としての蛇」「妖怪コスプレバトル」が一つとして連動していないので劇的さには欠け、見世物小屋的アトラクションとしても不発に終わった印象です。
サンバルカンがガスモンガーの幻覚攻撃を打ち破ると、「若さはプラズマ」での戦闘となり、妖怪ダークQ部隊をトリプルアタックで撃破すると、バルカンボールで行こうぜ行こうぜサンバルカーン!
巨大戦では、ガス噴射機をバルカンクナイで破壊してから殴り倒し、太陽剣オーロラプラズマ返しで一刀両断。ブラックマグマのヘドロガス回収作戦は失敗に終わり、サンバルカンはひとまず兄弟を麓まで送り届けるのであった。
「でも、その髪、元に戻るかな?」
「ん、ん~……」
「新しい髪が生えるさ!」
つまり、一度頭を丸めてこいという事ですね!
次回――お馴染み、偽スポーツ選手作戦。
◆第18話「びっくり大スター」◆ (監督:小林義明 脚本:上原正三)
バルカンアイを誤魔化す特殊樹脂を開発したブラックマグマは、久々にヘルサターン総統が陣頭指揮を執ると、カメラモンガーを製造。
野球選手、ボクサー、水泳選手、がカメラモンガーに撮影されると写真の中に閉じ込められてしまい、瓜二つの姿で送り出された新型ダークQが世に旋風を巻き起こす。
今日も呑気な大鷲たちに代わって嵐山長官が江戸っ子口調から調査を促し、長屋のご隠居というかベテラン岡っ引きというか風味ではありますが……若干、内心滅茶苦茶怒っているのではないだろうかと思う事があります(笑)
長官噴火の気配を微妙に感じ取ってか、調査に向かうサンバルカンだが、ブラックマグマの計画通り、バルカンアイにメカ人間の正体は映し出されない。
「バルカンアイで透視できないからといって、メカ人間でないとは限らん」
己の直感を信じる長官に調査継続を命じられた3人はボクサーへの接近を図り、借金取りに追われる豹と借金取りに扮した大鷲と鮫島、というコスプレ寸劇を任されるのですが、何故か大鷲と鮫島の衣装が長ランの不良なので豹の台詞と噛み合わない頓珍漢な場面となり、そんな頓珍漢な場面で、ボクサーのパンチを受けて物凄い勢いで吹っ飛んでいき、番組史上最高に死にかける鷲と鮫(笑)
調査を続けるサンバルカンは、妨害に現れたカメラモンガーと遊園地で一当たりすると、スカイゲッターによりレンズを壊されたモンガーは撤収。
ブラックマグマの関与は確定的となり、現場で子犬が消失した事件からサンバルカンが怪人の特殊能力に気付く……き、気付いた!?
驚きの珍事でしたが、シーシーからは凄い勢いで罵倒されました(笑)
「サンバルカン! スーパースターの仮面を暴け!」
長官の格好いい言い回してAパートが終了すると、容疑者が3人なので太陽戦隊が一人ずつを担当するのはスムーズとなり……撮影の都合で仕方が無いのですが、尾行対象のほぼ真後ろを歩いている大鷲! それは相手の影に潜んでいるとかそういうつもりなの大鷲?!
まあ……大鷲だしな、と納得できてしまうのが、ちょっと困ります。
そして最近の大鷲がネクタイ着用なのは、背広組に異動したいアピールなのでしょうか。
大鷲が標的にまかれていた頃、豹は超法規的権限で女子シャワー室に潜入しようとして追い払われ、鮫島と美佐は野球選手を追っている内に子供たちの登場ノルマを果たし、美佐が「新聞記者」である事を普通に受け入れている子供たち、いったい美佐をなんだと思っているのか微妙に気になります(笑)
美佐は球場の地下で調整を受けていたスポーツQ部隊を雑に発見し、グラウンドに逃げ出すも、カメラモンガーとダークQ、そしてゼロガールズに囲まれ、古典的ピンチ要員といえばピンチ要員なのですが、今作の性格上、これはもはや美佐回だった気がしてきて困ります(どちらかというと、ゼロガールズコスプレ回の趣が強かったですが)。
美佐の窮地にサンバルカンが助けに入り、太陽スティック! キック! そしてジャンプ!
スポーツ部隊との激しいバトルとなり、バットを振り回す野球Qと、拳を振るうボクサーQはともかく、水泳Qはどうするのかと思ったら、
「ダイビーング!」
の叫びも高らかに水泳スキルを活かした空中殺法でシャークを苦戦させたのは、ちょっと面白く(笑)
しかし所詮はダークQ、サンバルカンのアニマルアタックを受けると次々と消滅し、時空を操るカメラモンガーの撮影攻撃に翻弄されるサンバルカンだが、太陽シャワーで反撃すると、太陽ジャンプによる包囲から回し蹴りを浴びせ、スタート時点の距離が長いバルカンボールでフィニッシュ。
巨大モンガーに対しては、太陽スクリューでレンズを破壊すると、これまでのお返しとばかり執拗に顔面に打撃を与えてからのオーロラプラズマ返しで真っ二つにするのであった。
カメラモンガーの爆死と共に、撮影されていた選手たちは元に戻り、後は地球守備隊が手を回して事態の収拾を図りつつブラックマグマの脅威を訴えるプロパガンダに利用します!
「やはり私の知恵が必要じゃな。サンバルカンを倒す為には」
作戦参謀ポジションへの就任を目指すヘドリアン女王が存在をアピールし、子供たちと草野球に興じるサンバルカン。メカ人間になるよりは三振王で結構だ、から美佐の大人げないランニングホームランで、つづく。
次回――「死んだ父へのなりすまし」「死んだ娘の身代わり」と来て、「もう一人の自分自身」現る。