東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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仮面ライダー(新)』感想・第15-16話

◆第15話「恐怖 アオカビジンの東京大地震」◆ (監督:山田稔 脚本:平山公夫)
 ネオショッカー科学班さえ恐れる改造人間アオカビジンが誕生し、毒カビ胞子が強力すぎる為……カプセルに入れられて移動(笑)
 「関東大地震計画の、司令官です」
 ……な、何故?!
 どこからどう見てもバイオテロ要員なのに、ちょっと地震起こしてこい、と命令を受けているアオカビジンですが、この後、カビによって地盤を溶かす事で大規模な地震を発生させ、カビと地震がまさかの接続……!
 「私は、仮面ライダーを倒す為に、改造されたのです」
 それはそれとして、つい先日、仮面ライダーのパワーを計算して作られた筈のハエジゴクジンが連続パンチでノックダウン寸前に陥っていたので、大変、不安です。
 SHCから喫茶ブランカへと根城を変えた洋は、相次ぐ地震が怪しい、と調査に乗り出し、新体制に合わせて番組の雰囲気も更に変えていく狙いだったのか、前回ぐらいから3人娘の芝居が「はしゃぐ」方向に振り切れているのですが、これがまた辛い……。
 地震研究所に岡田博士を訪ねた洋は、震源地と思われる新宿の地下へ向かおうとするが、ネオショッカーはその動きを察知し、陽動の為に自らバイクに乗って市街地にカビをばらまいていくアオカビジンが、ちょっと格好いい(笑)
 広がるカビによってビルが倒壊し、市民が次々と飲み込まれていく惨劇が、初期『イナズマン』の新人類帝国ばりの大規模被害として描かれ、結構なエキストラを投入してのスペクタクルが展開する中、バリスタの沼を加えたブランカメンバーのリアクションが、全体的に脳天気で、辛い。
 炎に弱かったアオカビジンは谷のラッキーヒットで逃走し、今度は洋の前に出現。
 「貴様がライダーか」
 「如何にも、仮面ライダーだ」
 カビ地獄でスカイライダーを責め立てるアオカビジンだが、鉄骨倒しを受けると逃走し、
 「カビで物を溶かすのは、恐ろしい奴だ」
 と、スカイライダーは割と敵の特殊能力を讃えていくスタンスを見せます(笑)
 新宿の高層ビル街の地下にカビをばらまき、関東大地震計画を一気に進めようとするアオカビジンだが、カビ地獄に倒れた岡田博士から最後のメッセージを受け取った洋と再び激突。
 洋が柱の陰で瞬間変身を見せると、アオカビジンはまたも逃走し……うーん……大規模なカビ破壊など、映像のスペクタクルで見せてくる部分は見所があったのですが、戦闘 → 逃走を短時間に繰り返す事になったのは単調でテンポが悪くなってしまいました。
 幸い、そこから更に間延びする事は回避され、そういえば今作ここまでなかった気がする怪人@バイクをスカイライダーが追撃すると、荒野を階段を走り抜け、崖を飛び越え川の中へもまっしぐら、となる趣向で、映像面で手を変え品を変えあれこれと仕掛けてくるのは、面白いエピソードとなりました。
 バイク戦闘員部隊を蹴散らしたスカイライダーは、カビの増殖を阻止する為にアオカビジンの追跡を続け、起伏のあるオフロードで仮面ライダーばりのバイクアクションを見せるアオカビジンが、変に格好いい事に(笑)
 逃亡を続けていると見せて逆にスカイライダーをカビ地獄の死地に追い込むのは、どこか伊上脚本テイストで、高所を取った怪人の放つカビ地獄により、遂に地割れに飲み込まれるスカイライダーだが、勿論、セイリーングじゃ…………あ、あれ、バイクで、垂直の崖を上った?!(笑)
 スカイライダー最大の能力を発揮しない驚愕の脱出方法から、油断していたアオカビジンをバイクで轢いたスカイライダーは反撃を開始するが、カラータイマーの光ったアオカビジンの爆弾攻撃をくぐり抜けるも、接近戦を挑んだ事で全身にカビをつけられ溶解の危機に陥ってしまう。
 「苦しんで死ねぇ、仮面ライダー! 俺は東京大地震を見届けてくる」
 勝機に奢ったアオカビジンがスカイライダーに背を向けると、そこに現れた谷(とガールズの一人)が弱点が火である事を伝え、ガソリンの詰まったドラム缶を戦場に投入。
 燃えさかる炎を前に恐慌に陥ったアオカビジンを抱え上げたスカイライダーは、業火の中に放り込んで焼き殺そうとするも失敗するが、体表面のカビは焼却する事に成功。体の自由を取り戻すと、逃亡するアオカビジンの背中にスカイキックを打ち込み、アオカビジンは大爆発!
 かくして関東大地震計画は妨げられ、大規模カビ攻撃やバイクアクションの思い切りが良かったのは見所となり、没個性の危惧された谷にひとまず、怪人に向けてドラム缶を投げつけた男の実績が付いたのも、良かったです(笑)
 次回――「よぉ! 元気で見てるか!」
 やたらハイテンションな洋に続き、凄く嫌な敵が姿を見せるぞ!

◆第16話「不死身のゴキブリジン G(ゼネラル)モンスターの正体は?」◆ (監督:山田稔 脚本:伊上勝
 ゼネラルモンスターは、とうとう大首領から最後通牒を突きつけられると、対仮面ライダーの研究を続けるプロフェッサー・ドク(教授・医師……?)の元へ足を運び、どうやらハエジゴクジンとアオカビジンは、ドクの研究成果であった模様。
 スカイライダーの能力を再計算したドクの設計により、今度こそ仮面ライダーのキックに耐える力を持ったゴキブリジンは、赤いマントをたなびかせて走り回りながら殺人ゴキブリ軍団をばらまき、ゴキブリの素早さを表現するのに、“マントを広げた怪盗ムーヴ”を用いるのは、今回の面白いアイデア
 「恐ろしい相手だ」
 スカイキックを片手で防がれたライダーは、背後から首をひねって殺そうとするも眷属ゴキブリ軍団に阻まれると今回もネオショッカーの怪人を讃え、折角なので、カウントしておけば良かったと後悔しています(笑)
 少女の目の前で母親が溶かされるトラウマ案件をはじめ、殺人ゴキブリの被害は死者30人を数え、怪しいトラックを追った洋は、落とし穴に……落ちた!
 「筑波洋よぉく来た! ゴキブリ地獄で死んでしまえ」
 穴の中で爆弾ゴキブリの絨毯爆撃を受けた洋だが、腕組みスカイライダーで爆発に耐え抜き、これは多分、三好流・不動の構え(1ターンの間、防御力+800。あらゆる状態異常を無効)。
 殺人ゴキブリ育成施設を破壊したスカイライダーはスローモーションで戦闘員を薙ぎ倒していくが、ゴキブリジンとの一騎打ちではスカイキックがやはり通用せず、連続パンチからの投げ技も、フライングクロスチョップも効果なし。
 劣勢に陥るスカイライダーだがその時、謎の爆発が両者の間を遮り、姿を見せる新たな改造人間。
 「誰だ貴様は!」
 「敵か味方か?!」
 「……おまえの味方ヤモリジン!」
 背後に戦闘員を並べたヤモリジンは、味方だと告げたゴキブリジン諸共スカイライダーを始末しようとヤモリ爆弾を投げつけ、そのまま放っておけば勝てそうだったのに、余計な手を出して台無しにする完全な改造駄目人間ムーヴ。
 OPクレジットで正体はわかっているので、最後通牒を受けて余裕が無いなど情状酌量の余地はあるものの、幹部自ら、配下の足を最悪な形で引っ張ります。
 爆弾を投げるだけ投げてヤモリジンが姿を消すと、ゴキブリジンがはおり続けていたマントこそが弱点(というか防御の要)だと気付いたスカイライダーは、マントを掴んで背中に連続チョップを浴びせる鬼畜アクションを見せ、怪盗ムーヴの小道具だと思われていたマントが実はゴキブリジン最大の特殊能力であった、のはまんまと騙されるトリックでした。
 容赦ない打撃を浴びて朦朧とするゴキブリジンは、無防備な箇所にスカイキックを叩き込まれて爆死。
 姿を隠していたヤモリジンは、勝利の余韻にひたるスカイライダーに不意打ちをしかけるが全弾命中せず、なぁに今のはほんの小手調べ、とゼネラルモンスターの姿に変わると見得を切って姿を消し、目を覆わんばかりの駄目幹部ムーヴを見せて、つづく。
 ……基本的に、前線向きではないのでは、ゼネラルモンスター。
 次回――決戦ゼネラルモンスター! 戦いの時は今!!