東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   X/Twitter→〔X/Twitter/gms02〕

2024年を振り返る:読書編

読書メモの悩み

 年末恒例振り返り企画。
 今年もスイッチのオンオフが激しい読書状況でしたが、後半に入って、『阿津川辰海読書日記』(阿津川辰海) → 『米澤屋書店』(米澤穂信) → 『クライム・マシン』(ジャック・リッチー)と繋がって、ジャック・リッチーに出会えたのが大収穫でした。
 『クライム・マシン』は、切れ味鋭くひねりが効いてクスリとさせる、粒ぞろいの作品集で、今年のベスト短篇は、所収の「日当22セント」。
 長篇のベストは、『録音された誘拐』(阿津川辰海)。
 探偵が誘拐されたところから始まり、縦にも横にも広がっていく物語と、探偵サイドと犯人サイドの虚々実々の駆け引きが綺麗に収束する、鮮やかな一作。
 他に、『ヴァンプドッグは叫ばない』(市川憂人)が、右肩下がりの出来になっていた《マリア&漣》シリーズで久々に面白く、キャラクターは魅力的なだけに、今後の続刊に期待させてくれる内容でした。
 毎度書いている気がしますが、シリーズ第1作『ジェリーフィッシュは凍らない』は、現実世界とは別のある科学技術が発達し、ちょっとだけ様相の違う1980年代U国という設定の使い方が巧くて、大変お薦め。
 それから、『ストーンサークルの殺人』(M・W・クレイヴン)がなかなか面白く、こちらもシリーズ続刊を読んでみたいところ。
 ……毎度思うのですが、ミステリの感想は、ここまで書くとネタが割れてしまうのでは……? と気にかかって結局ほとんど内容に触れられず、自分で後で読み返した時にも、これはいったい、何を言おうとしていたのだろうか……と思う事がしばしば。なんというかこう、予断を一つ潰すだけで、ならあっちのパターンか……? となってしまうと申し訳ないみたいな気持ちになって。
 これが映像作品だと、映像そのものではなく文字情報なので……? と、分解して文章にする事への抵抗感が薄いのですが、書籍だとそこに心理的なハードルが生じやすいのは、性格みたいなものもあるのでしょうが……まあ映像も、あまりにも筋そのままを書きすぎないようには、一応、気をつけてはいるのですが、順に追っていく事で霊感が降りてくる事もあるのが悩ましいところで、それはそれとして、何年経っても、読書紹介文が上手くならないのでありました(典型的悪文)。
 本に限らないのですが、できる限りネタバレ無しで、何かを興味深そうに紹介出来るスキルが欲しいと常に思っています。……もう少し、そういう練習をする丁度良い文章企画を立ち上げたいなとは常々。
 後まあ逆に、ネタバレを断った上で、好きな本を読み解いてみるのもそれはそれでたまにはやってみても良いのかなとは思うのですが、これはこれで修練が必要なので、要修行。
 ……なにより、ジャンルが偏りすぎなのではないだろうか、私よ。