東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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新しい世界(かもしれない)

仮面ライダー(新)』感想・第13話

◆第13話「アリジゴクジン 東京爆発3時間前」◆ (監督:田口勝彦 脚本:伊上勝
 「プラスアルファ爆弾で、今の島のように、東京を消しましょう。一千万の人間どもが、いっぺんにこの地球から減ってしまう。なんとも小気味のよいことです」
 「ふ、ふふふ、ふふふふふふふふふ」
 ゼネラルモンスターが鉄の爪を鳴らしながら不気味に嗤うのは効果的な見せ方になり、下手に前線に顔を出して爆死しかけるよりは、ここ数話のように、出番は減ってもワンシーンでインパクトを出す方が格は落ちないメソッド(笑)
 左腕がアンバランスに大きいのが特徴的なアリジゴクジンは、水爆級の威力を誇るプラスアルファ爆弾を東京に仕掛けるが、作戦に協力していた今井博士が、事の重大さに恐れをなして逃走。警察に駆け込もうとした博士はネオショッカーの追っ手に阻まれて銃撃を受け、通りすがりの洋は、スローモーションで手を回し、ベルトの光るエフェクトが激しくなった新演出で変身。
 「プラスアルファ爆弾が3時に!」
 重傷を負った博士から爆弾の存在を聞かされたスカイライダーは東京タワーへと向かうが、博士の情報とは違ってそこには爆弾はなく……博士が運び込まれた病院ではSHCの面々が東京爆発3時間前! の緊迫感を煽ろうとするのですが、3人娘には荷が重すぎて、トランシーバーに向けて必死に叫ぶ志度会長が空回り気味。
 ナレーション「警視庁は、全機動力を投入し、プラスアルファ爆弾の捜索に、戦力をあげていた」
 そして突然の、警視庁全面協力。
 博士の通報はネオショッカーに阻まれていますし、そもそもこれまでの劇中描写からは、日本の警察権力がネオショッカーについて取り合ってくれるようには全く思えないので、一体全体どういう通報ルートを使えばこうなるのか、凄く異次元の(しかも、これといって意味がない)展開となり、同時期の『ウルトラマン80』ばりの、いきなり別ユニバース風味です(笑)
 空中から爆弾を探していたスカイライダーは、戦闘員を発見するとビルにカチコミを仕掛け、「仮面ライダーを地下室へ行かせるな!」にまんまと引っかかると、閉じ込められた地下室で串刺しの危機に陥るが、筋肉であっさりと突破。
 大筋でタイムリミットサスペンスを仕掛けつつ、スカイライダーが次々と危機を切り抜けていく構成なのですが、蟻地獄攻撃にしろ串刺しトラップにしろ、これといった機転も無く力技で突破していくだけなので面白みに欠けてしまいます。
 意識を取り戻した今井博士から追加の情報を得たスカイライダーは、レーダー触覚により爆弾の在処を突き止めるが、爆発まであと38分……。
 逃亡寸前にスカイライダーに発見される羽目になったアリジゴク部隊は、戦闘員決死隊がスカイライダーの行く手を阻もうとするも次々とバイクに撥ね飛ばされ、爆発まであと6分――スカイライダーの前に立ちはだかったのは、改造人間アリジゴクジン。
 「アリジゴクジン、爆発すればおまえも死ぬぞ!」
 「一千万人の命と引き替えなら死んでも本望だ!」
 スカイライダーがツッコむと切り返してくるのは、人間味の強いネオショッカー怪人らしいやり取りで、燃えろ・変身・命懸け!
 鞭攻撃を受け、フルパワー蟻地獄に引きずり込まれそうになるスカイライダーだが、素早い跳躍でこれを回避すると、遠心投げからのスカイキックでアリジゴクジンを撃破し、ネオショッカー怪人が消滅路線に戻ってしまったのはちょっと残念。
 行く手を阻んでいた怪人を倒すとSHC一行が車で現れ、どう考えても4人の相手をせずにライダーブレイクで爆弾の元へ突入した方がテンポが良かったのですが、割と悠長な会話を交わした後、何故か一同一緒に爆弾の元へと向かい――スカぁイチョぉップ!!
 空手の力により、プラスアルファ爆弾は無事に停止するのであった。
 ……のはさすがにどうかと思ったのか、会長の取り出したドライバーやニッパーを使っての地道な爆弾解除作業が始まり、筑波洋、サンショウウオに関する知識は怪しいが、爆発物の取り扱いには詳しい男。
 「あと2分55秒よ」
 「あと2分51秒」
 「あと58秒よ」
 「あと30秒……!」「20秒!」「13秒……」
 58分とか38分とか6分とか、やたら小刻みにタイムリミットを告げてくるエピソードでしたが、最後は3人娘が煽りまくった末に、スカイライダーは爆弾の解除に成功し、一千万都市をネオショッカーの陰謀から救うのであった!
 元々、変身している時間が長め傾向の今作(村上弘明さんの演技がまだ拙い関係で、スーツに声だけ合わせるパートを多めにして芝居の負担を減らす苦肉の策……?)ですが、洋の登場時間が約30秒なのはだいぶ極端で、スケジュールの問題でも発生していたのやら。
 次回――富士急ハイランドで僕と握手。