『電子戦隊デンジマン』感想・第27話
◆第27話「赤いカブト虫爆弾」◆ (監督:小林義明 脚本:高久進)
「ヘドラー将軍! あのカブト虫の、どこが秘密兵器じゃ!」
「まあ、ご覧下さい、女王様」
余裕たっぷりのヘドラー将軍は高性能カブト虫爆弾のデモンストレーションを披露すると、子供達が好きな昆虫を爆弾とする事で、子供達の心にトラウマを植え付けると共に、昆虫を恐れた人類自らの手により森林破壊を引き起こさせ地球ベーダー化を進行させるのです! と、環境問題を取り込みつつミクロ(子供目線)からマクロ(地球規模)までを一気に繋げ、今回の見所は、いつもよりシャツのボタンが一つ多く外れている気がする緑川です!(あれ?)
ちょっと珍しい気がする青梅と緑川のセットで進み、隣に立つ青梅に対抗したのか、緑川もいつもより肌が露出しているようなしていないような。
この状況を覆すには、赤城はもう、諸肌脱ぎのさらし巻きとかで出てくるしかないのでは(着流し、超似合いそう)。
…………そろそろ正気に戻りますと、風が吹けば目薬が売れるぐらいの勢いで地球酸欠作戦を始動したベーダーは、トイレの窓から抜け出して授業をエスケープするアグレッシブな悪ガキコンビに、ジーンズルックのミラーとケラーが接触。
内部に爆弾の内臓された赤いカブト虫を拡散させるも早々に電子戦隊に把握されてしまうが、カブト虫爆弾の危険性が世間に認知されると、今度は主婦に混ざって噂をばらまく事で森林伐採を進めさせ、寓話的性質が強いにしても、早い、展開が早い……!
小規模に始まった作戦があれよあれよと転がっていき気がつくと大ごとになっているパターンは時に思わぬ面白さを生み出しますが、最初から小さく始めて大きく広がる前提になっていると、中間の飛躍が激しくなりすぎて露骨に無理が出るなと(笑)
前者の場合は無茶も含めての面白さになりますが、後者の場合は無茶を通す道理が必要になるといいますか。
ミラー&ケラーが珍しく飛び回り、悪ガキ2人は木ラーに追われるとスケボー爆殺地獄の刑に処され、デンジブルーは手近の切り株に手当たり次第に暴力を振るい、思い出して、デンジスコープ!
アトラクション的な方向性が強いにしても小林監督の場面転換と話の繋ぎが全体的に荒っぽく、高久先生の脚本も相応なので、事が森林伐採まで進行すると、扱いの宙に浮いた悪ガキコンビ及びカブト虫爆弾を生産していたらしい木ラーが終始ドタバタ要員にされるのですが、実質チンピラの2人と、Aパート中ずっと切り株に擬態していた怪人では面白くなりようもなく、起伏としては概ね空回り。
率直にノリにくいエピソードでしたが、デンジロボ・アクション! と共に、超格好いい挿入歌「戦う電子戦隊デンジマン」が流れ出して、私のテンション急上昇(笑)
巨大戦のテンポに合っているかどうかはともかく、やたらハードな歌詞と、やたらテンションの高い曲調に、成田賢さんの歌唱がピッタリはまり、初めて聞いた時から脳天に突き刺さっている大好きな挿入歌です。
ダイデンジンが木ラーを一刀両断すると、空を行くデンジタイガーと地をマシンで走るデンジマンによる大変珍しい基地帰還シーンとなり……
ダイデンジン、棒立ちで置き去り。
そこでオチかと思ったら、全く反省しない悪ガキコンビが電子戦隊に赤いカブト虫のトラウマで驚かされるコミカルな一幕が最後に入って、つづく(まあこれ、根本的な反省には全く繋がっていない感じなので、ヒーローの処置としてはだいぶ中途半端な感じでありますが)。
次回――青梅に続いて緑川までも! 夏の魔力で攻勢に出る男性陣に危機感を覚える桃井は、必殺のトラブル呼び込み体質で逆襲に打って出る事が出来るのか?!
私としましては、ゲスト:中田博久が大変気になります。