『ひろがるスカイ! プリキュア』感想・第6話
◆第6話「伝えて! ソラの本当の気持ち」◆
(脚本:守護このみ 絵コンテ:志水淳児 演出:ひろしまひでき 作画監督:沼田広/ジョーイ・カランギアン/レジー・マナバット)
暮らしの中に修行あり。
新学期が始まり(新学年? な気はするのですが、ましろ側にもこれといったアクションはなく、《プリキュア》時空では気にしない方が良いのか)、ましろが学校に行っている間に家の掃除その他をこなすソラはお祖母様に前回の態度を謝り、こういう部分で手抜かりが無いのは、作品への信頼感が上がるので嬉しいところ。
お祖母様から買い物を頼まれたソラは街であげはと再会し、あっさりとソラの背後を取り首に手をかける女・聖あげは、いったいどんな暗殺拳の使い手なのか……。
そう、達人は、いつあなたの暮らしに紛れ込んでいるかわからない。
「つまりソラちゃんは、ましろんと一緒じゃなくて、寂しいんだ」
「……え? そう、なんでしょうか……」
「わかるよ~。ましろんの優しさって、お日様のぽかぽか陽気みたいでさ~。側にましろんがいないと、途端に寂しくなる」
なにやら浮かない様子のソラを見て、お姉さんモードを発動したあげははパフェをおごり、この人はこの人で、だいぶましろに甘やかされて育った気配がします。
「そうなんです! 今日はなんかいつもと違うなーって思ってたけど、それはズバリ、ましろさんと一緒に居ないから、だったんです!」
そしてソラは、「寂しい」という感情を、今初めて理解したっぽいぞ(笑)
若干、ヒーローサイボーグじみてきてはいるが、ましろに直接伝えるのは気恥ずかしいとうつむくソラを、あげははメイクアップ。
「メイクはさ、ただ美しくなれるだけじゃない。ちょっとの勇気が足りない時、力を貸してくれるんだ」
販促要素の一つというコスメショップを利用しつつ、“背中を押す勇気の翼”として、「メイク」と「プリキュアの力」を本質は同質のものとしたのは、虚構と現実の接続として、今回の良かったところ。
メイクのパワーでテンションの上がったソラはましろの元へと爆走し、その道中、歩道橋で老婆を助け、雑なヤンキーの喧嘩を圧倒的な力で止め、でも、社会のルールは守らない、それが、ヒーロー!
……まあ、看板がカバトンお手製だったので、「社会」のルールかは微妙ですが、そもそも通行止めの理由がさっぱりわからず、ただ単に「ルールを突き破る」シーンを描きたかったように見えなくもありません(笑)
「馬鹿な! 国家権力の壁をぶちやぶるとは!」
そう、ジョージ真壁もプルプルしていた。
数々の試練を乗り越え、ましろの元に辿り着くソラだがカバトンの邪魔が入り、工事現場で稼いだ資金でカロリーを補給したカバトンは、お呼びでないと罵られながらもヘルメットボーグを召喚。
装甲と粉塵目くらましに打撃を阻まれるユニット名:ひろがるスカイ!プリキュアだが、
「たとえ邪魔されたって!」
「そんなの、飛び越えれば解決です!」
と大きく跳び上がると合体技を発動し、必殺コールの際、一度マイクを放り上げてからぱしっと受け止めるプリズムさんが、妙に男前。
手と手を合わせて二人が召喚したUFOによりヘルメットボーグはアブダクションからシャイニングされ、カバトンは撤収。
帰路、ソラがましろに「もっと一緒に居たい」と告げるとましろも同意するくだりはこれといった面白みはなく(ソラが自分を押し込めがちだった、対人関係の入出力に難があるのは前回だいぶ時間をかけたので)、予定調和ともいえる入学編を前に、異世界出身者としての段取りに1話かけたのは丁寧といえば丁寧ですが、前回あれだけやっておいて悪役サイドに変化があるわけでもなく、冒頭2分ぐらいの勢いで済ませる事も出来そうな要素を1話にうすーく引き延ばしたようなエピソードになってしまいました。
ただ、ましろ不在の場面でソラとあげはが接触し、ましろの友人なら可愛い妹分、といった関係性が描かれたところは良かったです(むしろこちらが本題だったというか)。
そして、買えました、戸籍。
お祖母様の手回しによりソラはましろと同じ学校に通えるような事になり、私立校には寄付金という制度があって、転入試験の結果も買えげふんげふん。
次回――嵐を呼ぶ転校生。そろそろこの辺りで、「プリズム誕生」や「合体技誕生」といったイベント抜きで、一跳ねが欲しいところ。