東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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3/1付けレス

 本日は、『ドンブラ』最終話感想への補足を書きました。

笑う門にはドンブラコ

◆ひろさわさん
 >その迷い・先の見えなさこそリアル、なのかもしれませんが、ちょっと見てるほうはしんどかったりしますね。
迷いとか割り切れないとかを描く事を重視していたのでしょうが、見ている側も段々と、荷物が乗っかるだけで減らなくて辛い、というのが出ますよね……。
 >少なくともウルトラではネクサス以上に行った作品は無いハズ・・・と思います。
共にTVシリーズとしては断絶していた時機がありますが、『龍騎』と『ネクサス』がほぼ同時期、というのは面白いところですよね……アメリカ同時多発テロ事件の衝撃の大きさも思われるところです。
 >ミラーモンスターの名前は、恵まれない子供の神崎兄妹が絵をかきながら付けたってことなんでしょうね。
他愛ない悪の組織ごっこと見るか、神崎兄妹の世界に対する呪いと見るかは、ちょっと考えてしまうところですね……。
 >仮面ライダーの名前はだれがつけるのかは、結局劇中では明言されてなかったと思うのですが
この点は最後まで、誰が名乗るでも無しに何故か知っているし決まっている、で通されましたね……最終的な背景を考えると、神崎士郎の設定メモに基づいているのでしょうか(笑)
 >この法則性・統一性のなさがテーマ(この戦いに正義はない)と直結しているのかもしれません。
今作の内容がマクロなスケールでは「混沌からの創世」であるとすれば、不統一なライダー名には、テーマと繋がったそのイメージがあるのかもですね。
 >ただ、城戸=kid(子供)というところには意味を見出したいところです。なぜならば、「大人になったら死んでしまう」からです。
ああ成る程! これは面白い見立てですね。〔子供-ヒーロー-大人〕というと、小林さんが後に宇都宮Pによる『烈車戦隊トッキュウジャー』で、「子供の自分を乗り越えて変身するヒーロー」を描いているのは、考えさせられるところです。
 >自分は「・・・いや、でも、大人になったら誰だって死ぬじゃないか? 子供の自分が」と、ふと思ったのですが
ああこれ、逆説的に、なぜミラー優衣が二十歳を迎えると消滅するのかといえば、「大人になる事で、現世と異界の両方に存在できる両義的存在ではなくなるから」なのだな、と今、腑に落ちました。通過儀礼の要素も含めて考えると『アギト』『龍騎』は相当、「死と再生」にこだわった作品、とはいえそうですね……『龍騎』はそこに、視聴者の立ち位置を取りこんだメタ要素が増えた感じで。
 >そこから「大人の自分」が誕生するわけですし、大人になっても、子供時代を思い出すことはできる。
この観点で考えると、私が『龍騎』最終盤に乗れなかった理由の一つは、「大人になった真司が切り拓いていく道」を見せてくれなかった事なのかもしれません。
 >最後のモンスターがトンボというのもトンボモチーフのV3から来てるのかもしれません。
V3がトンボモチーフだったとは知らず、ミラー風見志郎としての神崎士郎、というのはそう言われると成る程です。復讐者系ヒーローを現代に再構築するとこうなるのでは、みたいなのがあったのですかねー。
 >半年+半年間、記事をありがとうございました。
こちらこそ、興味深い示唆をありがとうございました。
 >番外編:アギト 水と木の物語
面白い分析記事内での紹介、ありがとうございます! ……尾室、何者なんだ、尾室……(笑) 自分ではなかなかこういう、作品視聴を踏まえた上での考察を書けずにいるので、興味深く拝読させていただきました。
 >以前のほうのブログですが、Gのレコンギスタの記事が、大変参考になりました。
ありがとうございます。あれは、消費カロリーの多さに終盤すっとばしてしまったきりで、すみません。

◆もりみやさん
 >完走お疲れ様でした、楽しませて頂きました!
ありがとうございます!
 >全話を通して一つのきれいな物語を作るべきっていう思想と、週に一回のお祭りごととして毎回が盛り上がればいいっていう思想
これはありますよね……長編指向がいきすぎると「10話先で盛り上がる予定だから」みたいな感じで目の前のエピソードが疑問だらけ、になってしまうような事もありますし、正解が無いだけに難しい問題で。
 >お祭りに特化して前者を捨てる方向性だったのかなあと思います
個人的には中盤ぐらいからその傾向が強まった印象ですが、結果として前年『ゼンカイ』と被り気味になってしまった事と、「あらゆる問題を最終盤にまとめて解決する」のに無理が出てしまった感じですよね……。ステージの裏の後片付けが見えてしまう出来、というのは実に言い得て妙ですね(笑)
 >個人的には、元老院が出てきた時点で、なんか『ダイレンジャー』っぽいなと思ってしまい
私もちょっと思ったので、なんとなくわかります(笑) なんというか、当事者の善とか悪とかとは全く関係ないところで世界が動いている……みたいなのが、白倉さんの中であるっぽいですよね……見えている世界の外側に、違う原理があるみたいな。
 >最終回はなんか見て良かったと思わせる爽やか大団円で、きれいに締める手腕は流石だなぁと思わされました
多少の強引さは承知の上で、みんな楽しいのがいいよね、というエンディングは今回も健在の井上テイストで、ここは気持ちよく終わって良かったですねー。

◆スーファさん
 >白兎神社とは縁結びの御利益がある神社だそうですね。
成る程、そういう含みもあったのですね……ああいう、わかっていても、ぴしっと決まるのは、好きなラストシーンでした。
 >敵との戦いが後半の10分足らずなのも狙って日常感を出しているんじゃないかなと思います。
今作基本的には、日常回、みたいな区別をつけない意図があったかなとは思うのですが、そういう点で、「最終回」だけど「いつも通り」というテイストは恐らく狙っていたのでしょうね。
 >獣人問題のような解決が無理そうな問題が無理やり解決されて、それなりに話し合えばなんとかなりそうな脳人問題が未解決なのは歪な印象です。
どちらかというと道中、獣人方面に人間界を騒がす悪の根っこがあって、脳人の方とは融和路線……みたいな印象で進んでいたので、ソノーズとの合併は描かれたとはいえ、肩すかし感は出ましたよね……456も78も消滅したにしても、脳人から人間への悪意は割とそのまま残った感じですし。
 >肝心のジロウの成長が終始自己完結だったのは残念でした。
ジロウ関係がもう少しきちっとまとまっていたら、その成長からタロウとの代替わりもよりスムーズになっていたとは思うので、やはりジロウの扱いは全体的にネックになってしまいましたね……。

◆ヘイスタックさん
 >少年同盟ノルマや「子供達のヒーロー」路線が、物語に硬直化や無理を生じさせて早くも行き詰まりを見せており
この時代の作品を改めて見ると、子供ゲストと絡めた作りは定番のようでいて、思ったより難しさがあるのだな……と思わされますね。
 >やはりヒーローは理不尽さを極めるとラスボスに近付いていくものなのでしょうか(笑)
だと思います(笑)
 >3話のビルの時といい、ついつい力の加減ができなくてやり過ぎちゃうんですかね……。
ああ、止めるだけのつもりがつい押しすぎてしまった、イナズマンギャグだったのですかね……(笑)
 >何も考えずに高所から博士を着地させて思いっきり足を挫かせたり
その人はミュータントじゃないからな?! は、凄く思いました(笑)
 >「えぇ!?こんな過激な展開にしちゃって大丈夫なの!?」と思わせられた要素は大体大丈夫じゃなく
刺激物で興味を煽っておいて処理はしない、という部分はどうも不誠実になりましたよね……内容が重ければいいわけでは全く無いですが、褒められたやり方では無かったなーと。
 >「《いつもの戦隊のパターン》という檻を破ったら、そこは《いつものライダーのパターン》という檻の内だった」
極端な話、パターン破りそのものは逆さえつけばいい(勿論、作品として成立させる為には色々な工夫が必要ですが)部分があるので、ではその先で何を見せられるのか、という肝心のところで、ブレイクスルーを見せてくれたとは言いにくい出来になってしまいましたよね……。「名乗り」が顕著ですが、そこそんなにこだわるところかな……? という部分に、思ったより制作サイドが拘泥してしまった感じで。
 >「記憶を一新して戦いとは無縁の人生を送るタロウ」が「白黒になったドンモモタロウ」
これ全然気づいていませんでしたが、最終回でこだわった「マンガとしての表現」がそこに繋がるという見立ては、成る程です。前作でもやっていましたが、最終的に、マンガへのこだわりは、石ノ森オマージュ的にもなりましたね。
 >タロウにとっては一方的な罰にしかなってなさそうなリセットが劇中では何故か”救済”のように扱われる
神話構造でいえば「穢れを背負い罰として追放される」のが、メタ的に「ヒーローからの退場を許される」と混在しているのが、作品最終盤のねじれになった部分はちょっとあるかもですね……。
 >つくづく「中途半端なタイミングで2、3回だけ名乗った事がある」としてしまったのは考えうる最悪の選択だったなと。
前半、海賊鬼回でオニシスターが改めて自分が何者かを宣言する場面など意味づけも乗って良かったですし、名乗りに関しては制作側が変にこじらせすぎて、本質とは違うところにこだわって失敗してしまった感じで、これは本当に残念でしたね。