20年ぶりの『龍騎』メモ・第40話
(※サブタイトルは本編中に存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第40話「供宴」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:小林靖子)
- 「浅倉さん、一緒に裁判で勝ち取りましょうよ……有罪をね」……森本弁護士を罠にはめ、浅倉と接見する北岡先生が、大変いい芝居(笑)
- 「だってお兄ちゃん……ちっとも幸せそうじゃないから」……たとえそれが理解できないものだとしても、他人の“正しさ”の前に立ちはだかる権利が自分にはあるのか? 東條ショックで心身ともに大きなダメージを受け、迷える真司に対して、優衣は兄の“正しさ”を止める決意を語る。
- 「俺は…………まだわからない」
- 「香川……おまえが英雄になるチャンスを与えてやる」……一方、神崎士郎は香川の妻子にモンスターを張り付け、デッキを捨てるか邪魔を続けるかの選択を迫る、ド外道ぶりを発揮。
- 「多くを助ける為、一つを犠牲にする勇気……だったな」……思えばこの言葉、神崎士郎の行動目的の裏返し、でありましょうか。
- 「神崎……貴様」「神崎くん、そんなの無駄な脅しだよ。香川先生は、英雄なんだから」……そこに蓮と東條が姿を見せ、フルフェイスのメット被ってバイクで走ってきて、やりとり聞こえているわけはないのですが……これは、ライダー聴力なのか(笑) そして、こいつ本当にヤバい……と把握する蓮。
- 「一つの犠牲だよ。それぐらい、いいと思うけど。ね、先生」「答は出てるんですよ! 最初からね」……身勝手な「英雄」へのこだわりから全方位を煽りにいくタイガとナイトが戦闘に突入すると、香川もオルタナティブに変身し、優衣を殺す覚悟を持った人間として、妻子を犠牲にする覚悟を見せるのは、強烈な展開。
- 犠牲を受け入れる事が英雄なのか――? それとも、犠牲を出すまいと足掻き続ける事こそが英雄なのか――?
- オルタナティブバイクが召喚されて、人型モンスターからバイクへの変形が妙にこだわって描かれるのですが……電人ザボーガーだったのか(笑) そしてグルグルスピンアタックでナイトバイクと相討ちに。
- 『龍騎』ライダーのファイナルベント、《平成ライダー》としては、近年のムービー系必殺攻撃のはしりともいえそうですが、当時の表現技術の関係で、ギャグすれすれになりがち。
- 「ここか……祭の場所は」……森本弁護士を利用して拘置所から脱走を果たした王蛇が到着すると、こいつに殴られた気がする、とタイガをロックオン。
- 「結局じっとして黙ってられないみたい」とデッキを手に再び動き出した真司が立ち上がるところにBGMをかぶせるのは、非常にヒロイックな見せ方。
- ミラーワールドでの戦いには大量の角型モンスターが乱入し、久しぶりな気もするゾルダも姿を見せて……やあやあやあ! 祭りだ祭りだ! 武器振り合うも多生の縁! 拾ったデッキも縁の端くれ! 共に殴れば繋がる縁! この世は戦場! ライダーなんざぶっ飛ばせ! 戦え戦え!
- 「久しぶりに格好良く決めてみようか」……そして、踊る阿呆たちに加わらず、遠距離からまとめて消し飛ばそうとするゾルダ(笑)
- と思ったら、モンスターにはたき落とされるゾルダ(笑)
- 浅倉の件といい令子さんの件といいライダーバトルといい、相手の土俵に乗らずに勝ち抜けを図るが、なんだかんだあって最後まで決めきれない北岡のスタイルが完成した感。
- 「香川さん……あんたの家族、無事だよ」……駆けつけた龍騎サバイブはドラゴン火球フィーバーでモンスターを蹴散らすと、既に香川の妻子を救った事を告げ、悩める真司のヒーロー性を最大限まで高めたところで、時間切れにて全員撤収。
- 一方、島田が偶然撮った写真の解析から、OREジャーナル組は、鏡の中に居る何か、の存在を知る。真司、よくいえば「考える前にとにかく動く」、悪くいえば「問題先送り体質」のところがあるのですが、令子さんらがとうとう外堀を埋めて城壁に手をかけ、『クウガ』『アギト』との大きな違いであった、「官憲や世間に認知されていないモンスター」の存在に民間の報道組織が触れる事に。
- “怪人と世間の認識”については、曖昧に「ハッキリしない」にしがちだったところから、「その存在が社会にパラダイムシフトを起こす」『クウガ』、「そこまでではないが警察が対応すべき存在として認識している」『アギト』、と来て「怪事件の裏に人知れず怪異が関わっている」としたのが今作となりますが、OREジャーナルがどういう役割に着地するのかは、全く覚えていないので興味深いところ。
- そして、インパラモンスターの乱舞と共に、新たな仮面ライダーが姿を見せて、つづく。