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ヒロイン・エクスプロージョン

人造人間キカイダー』感想・第41話

◆第41話「壮絶ジロー空中分解!」◆ (監督:畠山豊彦 脚本:長坂秀佳
 「俺はダーク破壊部隊・アカ地雷ガマ! このダーク道路を見た者は、生かしてはおかん」
 道路建設の工事中、地図に無い道を発見してしまう作業員。地中から出現した巨大ガマ(可愛い)に襲われ、70年代スピリットを発揮してスコップを振り上げる作業員だったが、ガマの腹からばらまかれた地雷と打撃のコンボにより、次々と爆殺!
 仲間の仇だ! と70年代スピリットを高ぶらせた最後の一人がブルドーザーで突っ込んでいくが、ガマに触れた途端に大爆発!
 「へへへへへ、驚いたか。このアカ地雷ガマの体は、体全体が巨大地雷になっているのだ。俺にぶつかってくるものは、バラバラになるのだ」
 …………その場合、ガマ自体も、バラバラになるのでは……?(笑)
 どうやら自身にも理屈のよくわかっていない忍術によってブルドーザーと作業員を消し飛ばしたガマが、プロフェッサー・ギルよりキカイダー抹殺を命じられる一方、ミツ子とマサルには光明寺姫のブロマイドが送りつけられ、罠と承知でジローが地図の場所に向かう事に。
 その直後、口笛を吹き成らすサブローが樹上に現れると、ハカイダーである事を改めて見せつけてからバイクでジローを追いかけ、個人の目的意識が強すぎて、組織の思惑や、周辺関係者にどう見られているかがさっぱり消え失せるのがホント、東映悪のライバル……!(笑)
 しばし、チェンジしたキカイダーとそれを追うハカイダーの空中チェイスが展開し、
 (よし……まいてしまえ!)
 徹底的につれないキカイダーはきりもみ急降下で離脱を図るが、ハカイダーに時間を取られている間に、サブローに焚き付けられたミツ子らは問題の場所へと向かってしまい、更にハカイダーがその眼前に立ちはだかる。
 「いつまでこそこそ逃げ隠れする気だキカイダー。どこか行きたければ、俺と勝負を済ませてからにしろ」
 まあハカイダーからすると、自分なりに正面から戦いを挑んでいるのに運命のライバルは全く振り向いてくれず、粘着質になる気持ちもわからないではありません(笑)
 ミツ子とマサルはあっさりとガマ部隊に捕まり、基本前のめりに生きているダークの女とはいえ、罠の危険性は重々承知していた筈が全くの無策で正面から乗り込んで、「わー、まさかだーくがまちぶせしてるなんてー」みたいになってしまったのは幾らなんでも雑に過ぎましたが……ヒロイン力か! 捨て身でヒロイン力を高めるつもりなのか!
 ミツ子が決死の大逆転を狙う一方、二人をあっさり見捨てた半平は、今日も清々しいまでに勢いよく、屑鉄鉄置き場にヘッドスライディングでダイブを決め、生き残る為なら試合放棄になんの躊躇もなかった。
 「冷たいようだけど、吾輩、一度しか無い青春、もっと楽しみたいもんね!」
 道ばたに止められていた車のトランクに身を隠す半平だが、その車はダークが誘拐に使う為に用意していたものであり、まんまとダークのアジトに向かって運ばれていく形に笑劇時空が作用した事で因果の輪に半平が囚われていた頃、ハカイダーと殴り合いを続けていたキカイダー光明寺流忍術の奥義を次々と受けるが、咄嗟の反撃を浴びせたハカイダーが斜面を延々と転がり落ちてしまい……


 「あ……」
 大爆発。
 「しまった……。秘密を守る為に自爆してしまったんだ」

 と、某後輩みたいな反応をしながら、幸い火花と塵に還らなかったハカイダーの安否確認よりもミツ子らの後を追う事を優先し…………結局、割と短いハカイダー天下でありました。
 ミツ子らを乗せた車は偽装された行き止まりの先に伸びるダーク道路へ入るとアジトへと向かい、ここで出てくる穴ぼこだらけの岩壁では、同期のバロム・1がアンドマンと戦っていたような覚え。
 ジローはあっさりとダーク道路の偽装を見破り、行き止まりをこじあけると先に道が伸びているシーンの映像が、なかなか良く出来ています。
 ダークのアジトに運び込まれたミツ子とマサルは牢屋に閉じ込められ……これよ、今まで私に足りなかったのはこれなんだわ! と内心固く拳を握り、白馬のジローを待つ構えに入ろうとするミツ子だったが、ギルの不気味な笑い声が響くと、壁の中から牢屋に滑り込んできたのは、脳を奪われ、懇々と眠り続ける光明寺姫。
 お父様ぁぁぁ?! お父様は、そこまでして、私の真ヒロインへの道の前に立ちふさがるのぉぉぉ?!
 ミツ子の瞳に憎しみに炎が宿る!
 今だミツ子さん! 光明寺の首をへし折るんだ!
 ……という事態にはなりませんでしたが、ちょっと捕まったぐらいでは小揺るぎもしない光明寺姫の牙城にミツ子さんが拳をわなわな振るわせていた頃、アジトに潜入したジローは、アカ地雷ガマの襲撃を受けていた。
 「かかったなキカイダー。そのおまえの無様な姿を、俺たちの仲間に見せてやろう」
 と言って出てきたのがアンドロイドマンなので、ガマは、アンドロイドマンに仲間意識を持つ、いい上官なのではもしかして(笑)
 ガマの舌に締め上げられたジローはダークで流行中の火炎放射であぶられ、眼前の炎、足下の地雷、響き渡る悪魔の笛、と三重の殺意に追い詰められる。
 そういえば今回はギターを弾いていないので、これはもしかして、口笛吹きながらサブローが出てきしまう流れ?! と思ったのも束の間、僕にヒロイン力は必要ない! とジローは自ら火炎放射の中に頭を突っ込む事で笛の音をカットし、捨て身のスイッチオン!
 ダブルマシンが地雷を踏み、アンドロイドマンも地雷を踏み、ギルがその瞬間を今か今かと待ち受ける中、ダークのテーマで迫り来る地雷ガマに向けてキカイダーが回転アタックを放ってしまった刹那、予告詐欺でも性能テストでもなく、ガマ忍法・人間地雷の術により、本当の本当に五体が弾け飛ぶキカイダー
 「ミスター・ジロー……!」
 吹き飛んできたキカイダーのバラバラ死体は毎度お馴染み笑劇時空に引き寄せられて半平の上に降り注ぎ、これまで幾度となく、バラバラになったアンドロイドマンの首などに遭遇している半平、全てはこの時の為の伏線だったのか……(笑)
 キカイダーの生首をかき抱く半平、の笑劇を越えた衝撃映像で次回に続き、自らの体を地雷とする事でキカイダーを吹っ飛ばした上で、別に自爆忍法ではないので平然と行動している地雷ガマが強すぎるのですが、次回――完璧に存在意義を失った悪のライバルは、勝利の雄叫びをあげる事が出来るのか。
 ……いつもは中身がほとんど無いので油断していたら、予告でほぼ全部見せたのでは、これ(笑)