東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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見つけなければ生き残れない

20年ぶりの『龍騎』メモ・第25話

(※サブタイトルは本編中に存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第25話「理外」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹

  • 浅倉威の生き別れの弟、浅倉・アキラに、平気で「暁」の字をアテるの、本当に性格悪いな、と思うのですが、いったい誰が本丸なのか……(※1996年に萩野崇さんが演じた『超光戦士シャンゼリオン』の主人公の名前が、「涼村・暁(すずむら・あきら)」)
  • 「本当に暁が生きているなら……」「生きているなら?」「俺は……変われるかもしれない」……浅倉は、火事の時に弟を守ろうとして怪我を負った事を令子に語り、弟捜しに本腰を入れる令子。
  • 令子とも真司とも連絡が取れず、「ヘッドハンティングなのでは?」との呟きに超動揺する編集長、は大変面白かったです(笑)
  • 打ち切りを回避したければ優衣を探せ、と告げられた真司と蓮は、旧神崎邸で発見した情報を元に大洗海岸へ向かい、砂浜で黄昏れていた優衣を発見。
  • 真司と蓮がミラーモンスターに襲われて一時的に身を潜めている間に、突然、コート姿で海の中に立っている神崎士郎の図が、なんとも言えないインパクト(笑)
  • いつもの登場と比べるとイレギュラーなのですが、やはり他界の側――水中(水上)の領域――にしか姿を現せない事が窺えます。
  • 文字通りに悪魔の所業を繰り返している士郎だが、優衣には優しい眼差しを向け、改めて、事件の中核としての優衣の存在もクローズアップ。
  • それにしても、言行全てが謎めき、ひたすら思わせぶりな事を言うだけ言って姿を消し、キャラクターとしての人間的愛嬌は加えようがなく、所業の大半は腐れ外道、の神崎士郎、基本的に言いっ放しの為、憎悪を向けられる対象にさえならない、のが演じるのが実に厄介そうな。
  • 士郎の宣言通り、真司も蓮もライダーとしての力を取り戻すが、神崎士郎が何をさせたかったのか、優衣を探す必要がどこにあったのか、この時点では全く不明。
  • ここしばらくの優衣ちゃんは、何かを見たようなリアクションをしたり、鏡の中に奇妙に歪んだ姿で映ってみたり、衝動で思い出の大洗海岸に向かったり、よくわからないけど何かあるよ! な描写が続きますがよくはわかりません。
  • 人間を変える事で自然にライダーバトルが無くなるようにする! と新たな指針を得た真司は再び動き出し、実質ダブル主人公体制を活かして、真司と蓮、それぞれの「停滞」と「再起」を繰り返し描いていくのは、特徴的な構成。
  • 浅倉弟を説得し、一同揃って浅倉の元に向かうが……「俺がおまえを助けた? 馬鹿かおまえは。あの家事はな、俺が火をつけたんだよ」と、真相を明かした浅倉は、弟との再会を機に真人間として人生をやり直そうとするどころか、弟を蛇でぱっくんちょ。
  • 犯罪者を「理解できる」と思い上がった末に、その申し出に協力した結果として被害者を出す、という取り返しの付かない大やらかし案件となり、どこまで全体オーダーかわかりませんが、井上脚本は令子さんに厳しい。
  • 「あいつは昔からウザかった……どうしようもなくな」「信じられない……おまえ……おまのような人間が居るなんて」「だったらどうする? やるか?」……許せない悪を相手なら殺し合いを出来るのか? を真司は突きつけられ、社会性に縛られるヒーローに、社会性を逸脱した悪人をぶつける、性格の悪い展開。
  • 00年代初頭、“現代におけるヒーローをどう描くのか”において、「法とヒーローの距離」は避けては通れない命題ではあったのでしょうが、『クウガ』→『アギト』→『龍騎』と、さすがに寓話性とリアリティの間のチキンレースが限度に達した感はあり、今作以後は、少し距離を置くテーゼとなる印象。
  • 「悪徳警官」「不良弁護士」と、象徴的に法の側に立つ人間が、積極的に“法を曲げる者”となり、仮面ライダーとして立ちはだかるのも、かなり意図的であったのかなと。まあ勿論、司法や権力の側に悪が存在する、というのは伝統的な物語作法の一つ、ではありますが。
  • 「城戸。奴は人間じゃない。――モンスターだ」……蓮が代わりに戦いを買って出てナイトと王蛇がミラーワールドへと突入すると、ゾルダも参戦。
  • 「結局……結局こうなるかのよ」と真司も変身して両者の後を追うが、ガゼルモンスターの襲撃を受けてモンスターを担当する事となり、いつも以上の刺身のツマ感で、吊り橋ライダーキックによりモンスターを撃破。
  • ミラーモンスターの扱いの雑さは今作の短所といえますが、徹底して怪人から「名前」を剥奪する路線だった前作『アギト』以上に、「個」の意味さえ無いような扱い。『アギト』における「名無し」である事には、物語上の意味がそれなりに存在していたと思うのですが、今作における「ただの怪異」である事には、意味が出てくるのかどうか。
  • 3対1となって崖っぷちに追い詰められる王蛇だが、乱入してきたミラーマンタとも契約すると、ヘビ・サイ・エイが融合してキメラモンスターが生まれる衝撃の展開で、この引き何度目だーーー?! と、大爆発で吹き飛ばされる3人。
  • 次回――ライダーは、助け合いでしょ?