東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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『スマイルプリキュア』フィーバー!

スマイルプリキュア!』感想2・五つのリズムが五人を変える

●第2話
 まさか、主人公自ら、プリキュアにならんか?」をやってくるとは(笑)
 中学2年生にしてジャンプサーブが放たれ、息を合わせた2枚ブロックが行われる体育バレーのレベルが高い……!
 そして、早い、早いぞバッドエンド。
 狼の人がぐちゃあとやった途端にみんな落ち込んでいて、若干、面白いシーンに。
 キュアハッピーが怪物相手の恐怖心を完全に克服していないのは丁寧な流れで、そこから、はじめてのとびげり。
 肉弾戦が解禁される一方、気合いシャワーは不発に終わり、ピンチに陥ったところで関西弁イケメン枠が太陽の戦士・キュアサニーへと覚醒し、なんだか、変身バンクが主人公より格好いいような。
 エピソードのテーマである「努力」と「友情」に関しては、率直に雑な内容でしたが、プリキュアのネガとして悪役がそれを否定した関係により、バッドエンドには友情も努力も存在しない! と力強く断言した狼さんにはつまり友達が居ないという哀しすぎる真実が明らかに。
 パワー担当らしいサニーがバレーボール怪物を気合いで投げ飛ばすと火の玉アタックでトドメを刺し、最も印象に残った事は、狼には友達が居ない。

●第3話
 学級会における他薦……この人道無視のシステムよ。
 趣味でこっそり絵を描いているやよいは、絵描きの繊細な心理とかには縁の無いみゆきとあかねの推薦によりポスターを描く事になるが、他クラスはそれぞれヤバい人材を抱えていて勝負にならないと尻込みし、何故かいきなり勝ち負けの話になっているのですが、校内美化推進ポスター、別に争いの道具ではないのでは。
 いやまあ、ここも東映時空なので、組(クラス)のメンツがかかっとるんじゃあ! 半端な事したら、オヤジ(担任)に顔向けできんぞ! 的な責任が肩にのしかかるのかもしれません。
 弱気な少女の本当の気持ちを友が引き出し後押しする、という形になり、抗争に参加する覚悟を固めるやよい。
 「やよいがその気なら……」
 「私たちも手伝うね!」
 つまり……
 まずはどいつから絵筆の握れない体にしてやりますか姐さん!
 ……モデルでした。
 みゆきがモデルとして体を張り、あかねは実家の店舗からお好み焼きを差し入れし、冒頭のクラス会風景ではどうしても若干感じが悪くならざるを得なかったので、クラス委員の青い子がちらっと様子を確認する姿が入ったのは、気配りを感じて良かったところ。
 一方、友達の居ない狼さんに代わって、篤い友情の匂いをかぎつけた赤鬼幹部が学校に現れると、努力賞に終わった絵を更に美術部員にけなされて打ちひしがれるやよいに追い打ちをかけ、白紙の未来を黒く塗りつぶすオニ!
 「……もうおしまいだ」
 「夢も希望も無いわ」
 相変わらず、早い(笑)
 赤鬼の作り出した掃除アカンベェに立ち向かうハッピーとサニーだが気合いフィニッシュがいずれも不発に終わり、やはり必殺技はダブルチョップや大車輪投げで敵を弱らせ平衡感覚を奪ってから撃つべき。
 前回、「努力」と「友情」要素がざっくり気味だったのは、今回も同じテーマを続ける為だったからのようで、ハッピーとサニーが地球からお掃除されようとしたその時、勇気を振り絞って恐怖に打ち克ったやよいは、雷の戦士・キュアピースへと覚醒。
 元々スーパーヒーローに憧れていたやよいはプリキュアへの順応が早く、名乗りポーズに、まず両目を潰すという強い殺意を感じます。
 古式ゆかしい、いやーぼん体質だったピースは、ライトニング目つぶしでアカンベェを撃破し、みゆきとやよいが下の名前で呼び合う仲となって、一件落着。
 ポスター抗争に参加する各組織のヤバい奴の中では、女の子の美化した似顔絵が得意でモテモテのナルシマくん(ナルシマくんなのに……)がちょっと面白かったので、いずれエピソードゲストとして出てきてほしです(笑)

●第4話
 中庭でお弁当をつついていたみゆき達は先輩に絡まれ、前回の美術部長(&取り巻き)に続き、この学校の上級生はなぜ無駄に感じが悪いのか。
 あかねも劣勢のその時、そいつはちょいと筋が通らないんじゃありませんかねぇ、とこれまで接点の薄かった緑の子が参戦し、鞄の引っかけ方が、既に男らしい。
 それはそれとしてモブ上級生の作画にやたら力が入っているのですが、そこに爽やかイケメン生徒会長が通りすがって丸く収まり、青い子が、「無駄な殺しをせずに済みました」みたいな笑顔で、全てを見ていた。
 このご時世に上級生相手にも仁義を通そうとするとはてぇしたもんだ、とプリキュアセンサー(というかもはや、単なる美少女好きなのでは……)がきゅぴーんと反応し、緑の子の家に押しかけて「プリキュアにならんか?」をしようとする、みゆき。
 「君は、風力発電で家計を助けるキュアマーチ。そして、バッドエンドを倒すのだ」
 将を射んとせばまず馬を射よ、とパワフルな弟妹の多数居る緑一家と友好を深めるみゆきであったが、そこに赤鬼が襲来。みゆき達は変身し、掟破りの変身バンク差分で手を広げ、まず喉を握り潰すもとい、ぴかりんじゃんけんを宣うキュアピース……割と根性が太麺なのでは。
 ネットを翼のように広げたサッカーゴールアカンベェの爆撃から緑一家を守るプリキュアは苦戦を強いられ、今回のお題は、絆。
 「何が絆オニ! 仲間? 家族? そんなもの、最後はぜーんぶバラバラになるオニ!」
 対してやたら力強く否定を突きつける赤鬼さんは、湿り気の残った洗い立てのパンツを愛好するあまり、妻子に逃げられ、友人一同にも見限られた悲しい過去でもあるのでしょうか。
 「家族はバラバラになんかならない! 私たち家族の絆は、永遠に切れない!」
 バッドエンドから自力回復した緑の子は家族の前に立ってその絆を力強く断言し、ちょっと低めの声質で、啖呵を切るのがやたら様になっているのですが、声優が井上麻里奈さんで成る程納得。
 「あんた達がどこの誰かは知らないけど、もし私たち家族の絆を断ち切ろうっていうのなら――あたしが戦う!!」
 その瞬間、覚醒の光が身を包み、妖精の言うがままにスマイル化粧をした緑の子は、プリキュアへと覚醒。
 「勇気凜々! 直球勝負! ――キュアマーチ!!」
 ……ちょっと、頭が悪そうになった。
 プリキュアと見込んだ人材の身辺に貼り付き、バッドエンドを誘発する事でプリキュアの素養を確かめ、あわよくば覚醒を促す、これぞプリキュア友釣りの秘計に引っかかり、髪がもふもふになったマーチ(行進……? 3月……?)はダッシュが早すぎて橋脚に激突し……ちょっと、頭が悪そうになった。
 知力の代わりに得た暴力! とアカンベェの砲撃をかわしたマーチは、垂直壁登りジャンプからの打ち下ろしキックで過激なリングデビューを飾ると、妖精の指示を受けて、気力をセット。
 「えぇ?! なにこれ?! 力が抜ける!」
 うん、やはり、怖いですよねそれ……。
 本来必殺技に必要なエネルギーの数倍を余分に吸い取り、絵本王国の復興資源としてチャージしているのではないか……? と疑念が募り、「くるっくるっくるっ、もう君たちの役目はおしまいだクルー。まったく人間は、勇気とか希望とか幸せとか、耳障りのいい言葉にすぐ飛びつくいい養分だクルー」とバッドキャンディ(唐辛子味)が誕生しないか心配になってきますが、とにもかくにもマーチはプリキュア疾風シュートでアカンベェを撃破。
 「なおちゃん! 私たちの」
 「みゆきちゃん、あたし達、いいチームになりそうだね」
 戦いが終わると、みゆきの勧誘を皆まで言わせずにサムズアップを決め、徹底して男前の緑川なおであった。

●第5話
 ある朝、学園の花壇に水をやっている青い子を目にするみゆき。
 「青木さん! とっても綺麗! 水の妖精さんみたい!」
 「え?」
 ナチュラルに、女の子の方を褒めるみゆき、青木さんも今間違いなく、(花は???)と思っているぞ!
 みゆきの美少女センサーはともかく、我が軍には今、SupercoolでPerfect……はまあいいとして、頭脳派が足りない! とチームプリキュア一同、弓道場に押しかけて一同平伏により、軍師に、なにとぞ軍師に就任していただきたく……! と参謀ポジション不在のヒーローチームの悲惨さを懇々と訴えるが、答はノー。
 家庭の事情でもあるのかと思ったら、目前に迫った学校行事の為に生徒会副会長として純粋かつ単純に忙しかった、のは少々拍子抜けでありましたが、君も今日からスーパーヒーローにならんか? とお願いされたら、「あ、今、ちょっと手が離せない用事があるので」と返すのが普通の反応ではあるのか(笑)
 だがまわりこむ! と前回ちらっと出てきた生徒会長が風邪で倒れて緊急事態にみゆき達は協力を申し出、責任感が強い代わりに他人に頼るのが下手、みたいな要素がほのめかされるも、今回単位では明確に拾われず。
 無事に迎えた読み聞かせ会に、バッドエンド第3の幹部ダワサ魔女が姿を現すと、ミラーアカンベェを繰り出して分身の術を用い、大きな舌を出している基本デザインの為、完全に『ドラクエ4』のベロリンマンです(笑)
 キュアピースが拳を固めてまず肝臓を殴ると示すと、必殺技で端から倒そうとするプリキュアだが、一人一殺の為に大変エネルギー効率が悪く苦境に陥ったところで、踏みにじられた紙芝居の人形を目にした青い子が立ち上がり、床に転がるプリキュア4人を守るように仁王立ち。
 「あなたがたが、どこのどなたか知りませんが、今すぐお引き取り願います」
 てっきり4-5話もセットでテーマを掘り下げてくる作りなのかと思ったら特にそういう事もなく、プリキュアに至るテーマ的な飛躍は弱いまま、ど真ん中のヒーロームーヴと合わせて啖呵の格好良さで強引に押し切る形となって、氷の戦士・キュアビューティが覚醒。
 これはこれで格好良かったのですが、全体的に、今後のキャラ回を上手く構成していけるのかには、やや不安が生じます。
 第2-5話のプリキュア招集編は意図的に同一の構成にしたのでしょうが、その中で「よくわからないけど、やってみる」的な台詞や素人丸出しの戦術など、パターンを繰り返す狙いが上手く面白さになってはいたので、次のステップの面白さが出てきてほしいところ。
 「ビューティ戦うクルー」
 そして妖精野郎は、これだけの戦力があればバッドエンドの連中からシノギを取り返せるってもんよ、と笑顔でお気楽だった。
 ミラーアカンベェの分身をあっさり見破ったビューティーは、強烈な空中回し蹴りで華麗なリングデビューを飾り、自分で「ビューティ」言い出した時はちょっと不安になりましたが、残ってて良かった、知性!
 ビューティが退学ブリザードでミラーアカンベェにジャッジメントを下すと、魔女は撤収。読み聞かせ会は無事に終了し、みゆきは貴重な作戦参謀を手に入れるのであった!
 「私で、いいんですか?」
 「青木さんがいいの!」
 「え?」
 「だって私…… 学内最大の美少女ハーレムを作りた  青木さんのこと……れいかちゃんの事、大好きなんだもん!」
 みゆきは下の名前呼びのイニシエーションを完遂し、主人公特性強めのキャラが仲間を順々に集めていくスタイルが4人続くと、どうしても、たらし属性がつきがちではあります。
 その中で、転校生として登場したみゆきが、クラスメイトとの距離感を友人のものへと変えていく姿と、プリキュア集めの過程を重ね、その変化を呼称で象徴したのは、上手い作りでした。
 後、二枚目男子系+スポーツ得意、で赤と緑が被り気味ではと懸念していたのですが、赤の子は関西弁を活かしたツッコミポジションへと移行し、ちょっと忙しそう(笑)
 次回――誕生! 決めポーズ!