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忍道サバイバル

人造人間キカイダー』感想・第19話

◆第19話「死神獣カブトガニエンジ参上!」◆ (監督:畠山豊彦 脚本:長坂秀佳
 見所は、伊香保の地でチャージしたニンジャエナジーを消費し、ダークロボットに不意打ちのパンチ、更に正面からの脳天チョップを決める服部半平。
 ダークロボット・カブトガニエンジが巨大なエメラルドを求めて宝石店を訪れるが、探知機に反応していたのは売り物ではなく、店員の女性が身につけていた母の形見の指輪! 一応、人間の紳士に変装していたので売り物だったら正規ルートで購入する気もあったのかもしれないカブトガニだが、求めるエメラルドが売り物ではないと知ると問答無用で女性に襲いかかり、助けに入った男性店員を無残にも殺害してしまう。
 その隙に逃げ出した女性が通りすがりの半平に助けを求めると、必死に逃げようとする女性とダークロボットに気付かない半平のやり取りがBGMも合わせて完全にコメディとして展開し、1分ほど前に惨殺された男性店員がちょっと浮かばれませんが、これはもはや、半平の魔界忍法・笑劇時空――この空間が発生している限り、拙者は至近距離でダイナマイトが爆発しても、髪がちりちりになるだけで済むのでござる。
 これまた通りすがりのミツ子とマサルが巻き込まれてアンドロイドマンが繰り出されるとそこに響くギターの音色……の前に、カブトガニの吐き出した麻酔泡を浴び、ぐったりする一同。
 ちょっと遅れて現れたジローが高いところから、とうッと飛び降りて戦闘開始となり、アンドロイドマンを叩きのめしたジローは気付いた。
 ゲスト女性を「頼む」と託した半平が車で首尾良く逃げおおせたのはいいが、ミツ子さんとマサルくんが泡の中に放置されていることを!
 口を開けて(ええ?!)みたいな顔になったジローはカブトガニアタックを受けて吹き飛ばされると、きりもみジャンプ変身し、その背後では、通りすがりの中年紳士が地面に倒れるミツ子とマサルを助け起こし……
 「……お父様……」
 「お父さん? 可哀想に……姉弟で家出でもしてきたのか。……よっぽど疲れて倒れてしまったのか」
 ミツ子の譫言を聞いて、真逆の解釈に辿り着いていた。
 ダークロボットにしては比較的真っ当に怪人らしいデザインといえる一方、ボディの臙脂色よりも下半身の黄色が目立つカブトガニエンジは、キカイダーと空中で交錯するとその両足を吹っ飛ばされ、上半身がどさっと地面に投げ出されると、這いずりながら逃げていくのがなかなかなショッキング映像。
 闘争本能の赴くまま、ミツ子とマサルを捨て置いてサイドマシーンを走らせるキカイダーの猛追をなんとか逃れたカブトガニは基地に戻って修理を受け、振り返ったキカイダーがミツ子とマサルの姿が消えているのに気付く、みたいなシーンは無い割に、カブトガニの足の接続シーンに尺が割かれるのは、この時代の見せ方でありましょうか。
 お陰で何を求めてどこへ向けて爆走しているのかよくわからなくなったキカイダーですが、カブトガニが巨大なエメラルドを求めていたのは、そんな正義の戦士、対キカイダー用の死神光線銃を完成させる為であり、レンズ部分に理想のエメラルドを用いる事により、光線銃はただの破壊光線を越え、照射した対象を爆弾に変える呪術兵器へと進化するのだ!!
 カブトガニはエメラルドを求めて出撃し、指輪のガードを請け負い、シャワーを浴びる半平の背後にダークロボが迫る『サイコ』展開(笑)
 ニンジャエナジーが全身を駆け巡っている半平は、シャワーそして女装、とサービスシーンを連発した末、預かり物の指輪を投げ捨てる暴挙に出るも失敗すると、再会したミツ子に指輪を押しつけるフォロー不能の腐れ外道ぶりを見せつけ、卑劣に徹してこそ忍びよ!
 どうにか指輪の処理に成功した半平はカブトガニに脅されると、現在の持ち主はミツ子、とよく回る舌で簡単に明かす最低ぶりを見せつけ、指輪を返そうと女性の家を訪れた姉弟に迫るダークの魔手。
 「うまく逃げてくれよ……しばしの我慢だ。必ず、必ずお助け申すぞ! ミスター・ジローが」
 本当に最低だった。
 「ああ危ない! ミスター・ジロー! 貴公は何をしてるのだ本当に! 危ない! 右だ、右だ! 右へ逃げろ! 危ない!」
 物陰に隠れながら、追われるミツ子たちに身勝手なエールを送る半平、果てしなく最低なのですが、なんとなく、台詞回しに『ドンブラ』風味を感じます。
 追い詰められたミツ子たちにカブトガニの毒針が迫ったその時、風を切る真っ赤なギター!
 握りしめて標的の後頭部に叩きつけるも良し、いざとなったら投げても良し、一家に一台アコースティックギターがあれば、急にダークロボットに襲われても大・丈・夫!
 そっちがギターならこっちは超兵器だ! と死神光線銃が火を噴き、更に響き渡る悪魔の笛の音。
 (負けるものか……!)
 「ふふふふ、苦しむがいい、人造人間。それが良心回路を持って生まれた貴様の宿命だ。俺が今その宿命を終わらせてやるぞ!」
 ジロー危うしのその時、身を潜めていたミツ子たちが飛び出すと、地面に落ちていたマンホール……じゃなかった、光線銃が吹き飛ばしたカーブミラーをジローに向けて転がし、その鏡面で破壊光線を反射したジローは、爆発音で笛の音から逃れるとスイッチオン!
 一騎打ちはさっくり片付いてカブトガニはデンジエンドの藻屑となり、エメラルドの指輪は無事に回収。母の形見の指輪と、父を探すミツ子たちの要素が重ねられて、幸せを掴むのはいつの日か……。
 久々に序盤の下衆っぷりを剥き出しにした半平が、最近上昇気配だった株価を自ら崖下に落として靴の踵で踏みにじる大暴れで、帳尻合わせの機会も与えられないままフェードアウトするのはなかなかビックリでありました(笑)
 途中、謎の家出紳士(光明寺)により病院に運び込まれたミツ子とマサルをジローが見舞うシーンが挟まれ、二人の無事を確認するや、指輪の件が心配だ、とささっと別の女の元へ向かうジロー。
 「ジローったら!」
 「ジロー、姉さんの気持ちわかってんのかなぁ」
 「なま言うんじゃないの」
 と、ミツ子×ジローのロマンス要素が長坂さんの手によってじわじわ盛り込まれていきますが、果たしてミツ子さんは、光明寺博士のヒロイン力を打ち破る事は出来るのか。果てしなき、ヒロイン争いの道はつづく――。