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岡本太郎式特撮活劇『TAROMAN』感想2

 〔第4話「同じことをくりかえすくらいなら死んでしまえ」・第5話「真剣に、命がけで遊べ」〕

 サブタイトルが物凄い第4話、奇獣・駄々っ子を前に、巨大ヒーローとして勝利するのが当然、という人々の思念を感じ取ったタローマンは、戦意を喪失してしまう。
 「もうこうなったら、タローマンは、意地でも負けようとするでしょう」
 タローマンは謎の光線を自らに撃ち込むなど、奇獣を前に自滅行為を繰り返し、特撮ヒーローパロディにおいて、その定型を破壊しようとするメタ作劇ながらあまり厭らしさが無いのは、その理由が「同じことをくりかえすくらいなら死んでしまえ」という強烈な創作の精神――タローマンの行動原理らしきもの――に裏打ちされているからで、巨大ヒーロー特撮パロディ×岡本太郎により、戯画化と破壊行為の中に、確固たる精神が貫かれているのが、今作コンセプトのお見事なところ。
 遂には大地に倒れ伏すタローマン、果たしてこのまま、最終回を迎えてしまうのか……と思われたその時、タローマンの前に、タローマンと同じ星で生まれ、同じ能力を持つタローマン2号が現れると、差し伸べられた手を払いのけたタローマンは、2号と奇獣をまとめて芸術は爆発する、壮絶な展開(笑)
 ただ模倣に堕する事が許されないのは、タローマンも例外ではないのだ!
 大爆笑させられました。
 トークコーナーでは、駄々をこねて幼少の時に買って貰いました、とゲストがタローマンフィギュアを取り出し、とことん、虚構の狂気が貫かれて素晴らしい!
 第5話の見所は、
 ナレーション「タローマンは、気軽な趣味のようなお遊びを許さない。遊びとは、真剣に、命の全てをぶつける行為なのである。片手間に、自分を危険にさらさないで楽しむ、そんな事で、本当に充実して生きられるのだろうか。そう、岡本太郎も言っていた」
 凄まじい理屈で、日曜画家を狂気に追いやるタローマン(笑)

 岡本太郎と70年代特撮ヒーローパロディを融合する事で、こんなぶっ飛んだものが生まれてしまうのか……と、残り5話も楽しみです。