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ノーコンティニューの向こう側

仮面ライダーエグゼイド』感想・第23話

◆第23話「極限の dead or alive!」◆ (監督:山口恭平 脚本:高橋悠也
 「君たちに大事な通達がある。一両日中に、檀黎斗の陰謀を阻止できなければ、君たちドクターをCRから除名、仮面ライダーの資格を剥奪する事が決定した。理由は二つ。衛生省の指示を無視して、檀黎斗を取り逃した結果、ゲンムコーポレーションを占拠された事。そして、貴重なゲーマドライバーを一つ、破壊された事だ。立場上、私も君たちをかばう事はできない。わかってくれ」
 失脚寸前ですからね!
 10話ぶりに登場した日向審議官が、冒頭から事態の責任を全て永夢と飛彩に押しつける事を力強く宣言するのですが、「ゲンムコーポレーションを占拠」されたのはそもそも衛生省が放置していたからであり、「ゲーマドライバー」が貴重なのは衛生省が開発者に裏切られたからであり、いずれも身から出た錆の上、「仮面ライダーの資格を剥奪」とか「貴重なゲーマドライバー」とか言われても、「過去にCRを除名された上に普通の医師免許すら剥奪されている花家先生が直接ゲーマドライバーの買い付けを行っている」時点で、ちゃんちゃらおかしいや、以外の言葉が出てこず、江戸っ子がへそで茶を沸かしながら鼻で笑いそうです。
 無限ゲンム軍団に完敗を喫したドクター達が、最強最大の敵を前に立場を超えてCRに結集しているの図は話を盛り上げてくるのですが、前回、そもそも紐付きの筈の衛生省とCRが「最低限の連携が取れていないどころか、ろくに情報共有されていないとしか思えない」最大級の地雷が火を噴いた直後に「存在感アピールの為に強権だけ発動してくる」ので、“無能な上層部”の戯画が度を超えすぎて、もはや衛生省の存在自体が、冗談みたいな事に。
 しかもわざわざ、単発の憎まれ役ではなく日向審議官を出してきたという事は、別に戯画的な意図は含まれていない可能性もあるのが、恐ろしい……。
 一方、黎斗は社長室で『仮面ライダークロニクル』完成に必要なバグスターを改めて確認し、映像上のはったりが欲しかったのでしょうが、今回に限って機動隊みたいな部隊でビルを取り囲んでいる為に、前回の雑なアジト訪問の間抜けさ加減もいや増す負のドミノ倒し。
 野戦で迎撃じゃ! とゾンビ戦闘員軍団と共に黎斗が打って出るとCRに緊急通報が入り、色々大変な状況なのに「大事なお話があります」とCRに集められるドクター(たぶん最大戦力)、会社に入ったと思ったらいきなり外に出てくる黎斗、そんなわけでものの見事に奇襲攻撃を受ける包囲部隊、と盛り上げたいのかお笑いにしたいのか困惑する展開が続き、現場に駆けつける永夢・大我・ニコ。
 「ドライバーならある……――貴利矢さんの形見が!」
 永夢は無傷のドライバーを身につけ、てっきり居残りの飛彩から借りてきたのかと思ったら、伏線も綺麗に回収されて、これは良かった。
 「んん、そうか……それがあったか」
 そしてどうやら、ゲンムは見事に忘れていた(笑)
 「貴利矢さんとの約束を、果たす時だ!」
 ゲンムコーポレーション前で戦いが始まる一方、CRに残った飛彩は九条の遺したデータを詳しく調べ……前回今回の大きなネックの一つがこの、逆転の切り札となる情報の入手経路が、物凄く雑な点。
 ここで九条の存在が活きる事そのものは、永夢のモチベーションにも繋がって悪くないのですが、「2ヶ月あまりの間、誰も手を触れずに放置されていたノートPCをふと調べたら、パスワードもかけずに閲覧可能な超重要データが眠っていた」って、「太陽の光を見ていたら突然シャイニングできた」レベルの話の起伏なのですが……まあ飛彩の隠しスキルが《俺に解けない鍵は無い》だったのかもしれませんが(パスワード解除シーンはスキップされたという解釈は可能ですが、それをスキップしていたとすると、省略してはいけない試練の過程を省略してしまった事になるわけで……)、もう少しどうにかならなかったものか。
 戦場では、ニコが包囲部隊の救助活動をちゃんと行う一方、ゾンビ戦闘員は提督スナイプの攻撃を受けても平然と甦り、XXエグゼイドもゲンムXに押し込まれる中、宙を舞う銀色のガシャット。
 「研修医! おまえがそれを使え!」
 「ゲームマスターの私に許可なく、またガシャットを……!」
 九条の調査書を読み込んだ飛彩は、永夢なら新型ガシャットを使える筈だと指摘するが、やはり起動には失敗。
 「そんな筈はない……監察医はずっとおまえの秘密を調べていた。その理由は、バグスターを根絶する為に、世界で初めてのバグスターウィルスを探していたからだ!」
 「ビンゴ! だからレーザーは消されたってこと」
 事態の推移を見つめるパラドは嗤い、想像以上に九条がバグスターウィルスの深部に近づいてきた事が明らかになって、ここで流れ始めるBGMが大変格好いい。
 「おまえの体内のウィルスは……全てのバグスターを、全てのガシャットを生み出した根源! おまえにはガシャットを生み出す力がある筈だ!」
 一聴、「根源」と「生み出す力」の間に飛躍を感じて、???と困惑したのですが、「実際に生み出している」ので「生み出している力がある筈」という仮説は確かに成り立つ、とはいえるでしょうか。
 ただ、その仮説の先――何故、「永夢産の熟成バグスターウィルス(永夢と黎斗が所有)」だけが、「ガシャット」+「データ」を「ライダーガシャット」にする事ができるのか? のミッシング・リンクを埋める“何か”――について触れられる事はなく、飛彩の言葉も前回の黎斗の告白をなぞるものでしかなかったのは(情報共有の意味はあるとはいえ)、個人的には肩すかし。
 この直前に、マイティブラザーズは、少年時代の永夢が考えたゲームのアイデアに似ている、と気付く場面があったので、永夢の“ゲームを愛する心”や“夢を追い求める気持ち”がバグスターウィルスの成長過程で影響を与えた(黎斗がそういう育成を計画した事は示唆されていますが)、つまり、「ライダーガシャット」とは(子供の)夢の具現化そのものであり、それ――夢見る気持ち――こそが、ヒーローを生み、また、ヒーローを支える力であったのだ、と“悪と同じ力で戦うヒーロー”という根底からひっくり返すところまで繋げてくるかと思って待機していたので、こちらが期待のハードルを上げすぎていたところはあるかもですが。
 永夢は必死にガシャットの起動を繰り返すが新たなガシャットが誕生する事はなく、迫り来るゲンムXの動きが壊れ加減なのは、素敵。
 生身の永夢にギリギリアローが突き刺さりかかると、Dブレイブがそれをカバーリングの末、変身解除。
 「不正なガシャットは、破壊する……!」
 「……永夢ー! 永夢、おまえの運命はそんなものか! おまえが信じた監察医は、おまえに全てを託したんだぞ!」
 「ふふふふふふふふ……ふふはははははは!」
 飛彩が“下の名前で呼ぶ”カードを切って混乱から立ち直った永夢は、消えゆく九条が遺した言葉を思い出す。

 ――おまえの運命は、おまえが変えろ。

 「……貴利矢さんが残してくれた希望……絶対に無駄にしない」
 ……若干、友情のメモリーに不正な処理を感じなくもないですが、真紅に染まる永夢の両瞳。
 「俺の運命は――俺が変える」
 永夢の全身を赤紫の光が覆うとそれがドライバーを経由して銀のガシャットに集まり…………エグゼイド人形が、出てきた(笑)
 今作の強化デザイン(アイテム)は割と意表を突かれるものが多いですが、口からガムとか出てきそうなエグゼイド人形がガシャットの中から飛び出し、格好いい自動排出から永夢は改めてスイッチON。
 「――変身」
 新たなるガシャット『マキシマムマイティX』の発動により、最大級のパワフルボディが降臨し、エグゼイドは、巨大顔面アーマーを、被った。
 提督スナイプもだいぶ着ぐるみに近づいていましたが、これはもはや完全に着ぐるみであり、近縁種は仮面ライダーではなく、どー○くんやも○ぞーです。
 「俺のレベルはマキシマム。レベル99だ!!」
 「ふふはははは! レベルが幾つあろうと、不死身の私たちは攻略できない」
 外見が色々な意味で凄いので、めいっぱい低い声で台詞は格好良くしたエグゼイドは、ゾンビ戦闘員を合体させた巨大肉団子兵士を軽々と粉砕。
 「ゲンム! おまえのゲームを攻略する」
 常識を越えた新たなるエグゼイドの誕生により、前回ラストの絶頂からわずか9分で敗色濃厚となったゲンムXは、不死身のゾンビの物量で押しつぶしを画策。だがXXと共通の武器を構えたMAXエグゼイドから棒立ちビームが放たれると、リプログラミングによりHPゲージが生えてきて不死身特性を失ったゾンビ軍団は崩壊していき……成る程つまりこれは、スーパー戦隊》箱形ロボの系譜。
 提督スナイプが雑魚を砲撃して一網打尽にするとMAXエグゼイドはドタバタ走ってゲンムXを殴りつけ、先程から《仮面ライダー》シリーズ以外の作品のイメージがちらついてくる展開ですが、現行最強フォームが誕生して因縁の宿敵を殴り飛ばしているシーンで思い浮かぶのが『カブタック』な思い切りは、凄い(笑)
 連続攻撃を受けたゲンムXは生えてきたライダーゲージが残り一目盛りとなり、ヒュ○ケルならここから敵の大軍団を一人で壊滅させるところですが、エグゼイドは変身解除。
 「もう、終わりにしましょう」
 「なにやってる! あいつを仕留めないとおまえらは仮面ライダーじゃなくなるんだぞ?!」
 割って入ってヒュン○ル注意報を出しつつ、ドラマの都合で一緒に変身を解いている花家先生(笑)
 あと、衛生省の要求は「陰謀を阻止」であって、「黎斗の抹殺」まで求められた覚えはないのですが……いつの間にか、仮面ライダー」が殺人ライセンスみたいな扱いになっていて困惑します。
 「仮面ライダーである前に! 僕はドクターです」
 というか、勢いで殺人を強要しないで下さい!
 「亡くなった人たちの無念を受け止めて、罪を償って下さい」
 「罪を犯しているのはおまえ達の方だ! 私は神だ! 私の才能は、具現化されなければならない! それを邪魔する事こそが罪だ!」
 黎斗はしぶとく逃走し、ここで「才能の具現化」に触れている事からやはり、永夢と黎斗は「ゲーム(夢)の具現化」という点においても、ネガポジで対比されているのかな、と。
 「はぁー……やっぱり不便な生きもんだなぁ、人間てのは」
 一連の戦いを見物していたパラドは姿を消し、花家先生はやや不条理におかんむり。
 「何がドクターだ! あいつをぶっ潰すチャンスだったんだぞ!」
 「……俺たちドクターの仕事は、人の命を奪う事じゃない」
 「はぁ?! あいつをぶっ倒さなきゃまた誰かが犠牲になるのわかんないの?!」
 飛彩とニコも参戦し、より多くの犠牲を未然に防ぐ為に目の前の悪の命を奪うべきか? という、古今東西普遍的なテーマが持ち込まれるのですが、前回まで「ドクター」だったのに、突然「対テロ最前線に立つ特殊部隊員」扱いを受けて、状況についていけません。
 恐らくは、第20話で「ドクター」と「ヒーロー」の接合を強めたのを受けて、「ドクター」に「ヒーロー」のテーゼを正面から突きつける(事で今作における「ヒーロー」像を更に進める)狙いだったのかとは思うのですが……命のやり取りを含んでいるとはいえ、ドクターライダーのやってきた事はあくまで“怪人退治という形のオペ”であり、今作ここまでに積み上げてきた世界観から、いきなりテロリスト銃殺の覚悟を要求してくるのは、道理が飛躍しすぎでは。
 せめて2クール目に入ってから、“テロリスト・檀黎斗”の認識を世間と共有しながら進めていれば違ったのですが、当の衛生省でさえ、つい前回まで超のんきな対応をしていたばかりなのに、今回だけで強引にパラダイムをねじ曲げている為、中盤の山場でありながら、気がつけば別の山を登っていたみたいな事に。
 また、ぶっ潰せ、と主張する側が、戦闘要員ではないニコと、さっくり変身解除してしまった大我なのも、大変格好がつかなくて困ります(大我が、汚れ役を買って出る覚悟がある事そのものはわかるのですが、構成上の工夫が足りなかったなと)。
 「あの男の命か、大勢の命か……おまえはどっちを取るんだ」
 「……命に、優先順位なんてつけられない」
 恐らく、“命を救う者”は“命を奪う者”と鏡合わせの関係にある(ヒーローテーゼも含めて)といったニュアンスもあるのでしょうが、「ドクター」に「ヒーロー」のテーゼを突きつけるのも、「テロリスト・檀黎斗への対処を問うパラダイムシフト」も仕込みが駆け足すぎて、大我の問いに対する永夢の葛藤もどこかズレてしまっています。
 とりあえず、今の永夢が直面している問題は、「命を“奪う”かどうか」ではなく、「命を“奪える”かどうか」だと思うわけなのですが。
 「ラスボス倒さなきゃ、世界はハッピーエンドにならないんだぜ? おまえの力で、ゲンムを消せ」
 とにかく黎斗を探す永夢に接触したパラドが黎斗殺しをそそのかす一方、残り2体のバグスターを切望する黎斗は、バグスターウィルスをばらまく無差別バイオテロを決行。
 「ゲームに取り憑かれた哀れな奴……この俺が始末してやる」
 ここで、序盤の大我評(ねつ造疑惑)を、大我が黎斗にぶつけてしっくり収まる、といった、再使用により一つの言葉が違う意味を持ったり物事に別の光を当てる用法は、今作の優れた部分……まあその言葉遊びに、良くも悪くも囚われている部分は無くもないですが、それは前向きに“作風”として捉えたいところ。
 ゲンムを焼き尽くそうとする提督スナイプだがDブレイブが割って入り、序盤とは違う構図のライダーバトルが発生するのも巧く決まると、DブレイブはゲンムXの攻撃を受けて星になる勢いで吹っ飛び、提督スナイプはゲンムXと相打ちに。
 「もう少しなんだ……もう少しで、私の夢がァッ」
 そして、地に這いつくばりながらも妄執を求め続けるゲンムXの前に現れるのは……据わった目をした宝生永夢。
 「ゲンム――おまえの運命は、俺が変える」
 永夢は再びマックス大変身し、よくよく考えると3年前は、こんな感じでミカンが空から降ってきましたね……。
 MAXエグゼイドがフィールドを展開するとゲンムXがゾンビ増殖で抵抗を見せ、提督スナイプとDブレイブが参戦して、形の上では3vs3のマッチアップに。
 「そうだエム! ――それがゲームだ」
 ゲンムXに容赦なくパンチをの嵐を浴びせるMAXエグゼイドの姿に喝采を送るパラドが、あくまで世界をゲームとして捉えようとする姿が強調され、ゲンムX本体&分身2体は、3ライダーのクリティカルフィニッシュを受けて、大爆発。
 MAXエグゼイド初登場回ながら、トドメの画を3ライダーセットにしたのは、あくまでも並び立つ存在としての配慮が感じられて良く、瀕死の黎斗はそれでもなおデンジャラスゾンビに手を伸ばすが、変身する事が出来ない。
 MAXエグゼイドの箱物パンチそしてクリティカル跳び蹴りを受けたゲンムXはリプログラミングによって体内の抗体情報を書き換えられており、永夢は黎斗の変身能力を奪う事で、如何にして黎斗を止めるかの問題を解決。
 盛り込みたいテーゼありきの展開だったのかと思われますが、そもそも無理のある持ち込みだった上に、浮上した難題に対して永夢が解を見出すまでの経緯がさっくりスキップ気味だった為に、問題提起そのものがハードボイル度が高まりすぎた大我の独り相撲のようになってしまったのは、ちょっと可哀想になりました。
 「もともとあなたは悪い人じゃなく、純粋にゲームを愛する、一人のゲームクリエイターだった筈です。僕は、黎斗さんの笑顔を取り戻したい」
 這いつくばる黎斗に向けて永夢は告げ、一歩間違えると「ここまで来てゲーム無罪なの?!」と母屋の床を踏み抜くところだったのですが、十歩ほど間違えて「ここまでやって笑顔にするつもりなの?!」と別の改造手術宣告のようになり、サイコホラーの世界へ突入。
 誰か止めて。
 「しらけることすんなよ……エム」
 そこに現れた救世主パラドは、黎斗に肩を貸す、のかと見せてバグバイザーを奪い取ると、黎斗に向けて大量のゾンビ粒子を散布。
 「敗者には敗者らしく、エンディングってもんがあんだろ」
 あまりにも出入りが好き放題すぎて、いまいち面白いキャラとは感じていないパラドですが、黎斗の始末担当となる納得のオチにより、次のステージのボスとなる事を高らかに宣言。
 「お疲れさん、ゲームマスター。『仮面ライダークロニクル』は、俺のもんだ」
 「…………私は神だ! ……私の夢は……不滅だぁぁぁぁぁ! うぁぁぁぁぁ!!」
 パラドは姿を消し、もがき苦しみ、みっともなくあがきながら消滅を迎えそうだった黎斗は、最期の寸前に立ち上がって絶叫する意地を見せると、ゲームオーバー。
 ――かくして、一つの戦いは終わりを告げる、が、それはバグスターウィルスvs人類の、次の戦いの始まりでしかない。
 「みんな、本当によくやってくれた」
 黎斗を救えなかった無念に打ちひしがれる永夢を始め、院長を除くと複雑な面持ちのCRに向け、にこやかに語りかける日向審議官、TVモニターがやたら小さいのも効果を発揮して、今回1話で株価が大暴落を起こしたのですが、捲土重来の目は、果たしてあるのかどうか。
 「失った命とどう向き合うか……それもドクターの大切な仕事だ」
 医者たるもの、どうしても死に直面する機会はあると飛彩は永夢にアドバイスを送り、この数話の鏡先生は、次の退場フラグなのではないか、と心配になるぐらいまとも。
 永夢は夕陽を浴びながら屋上でむせび泣き……戦いが次のステージへ進むと同時に、ドクターとして永夢も新たなステージに進んで、つづく。
 大暴れだった黎斗退場編、それなりに面白かったところと、凄くボタンが掛け違っている気がするところが絡み合って、個人的には大変複雑なエピソードでした(笑)
 1クール目のグラファイト同様、永夢のネガ存在としての決着が付いたとは言いがたい黎斗もまだ完全退場とは思いにくいですが……ここでようやく宿敵の椅子に座るパラドを最序盤からちょこちょこ出し続けていたり、大変怪しげな檀正宗を1クール目から印象づけていたり、九条の存在も退場させて終わりにしなかったりと、物語の要素が切断されないような目配りは、『ドライブ』の反省点を感じる、今作の良いところ。
 まあ、綺麗に繋がる部分と、いきなり無茶な持ち込みをして迷子になる部分とのギャップも激しいのですが、次回――この流れでコラボ回。